ある悪魔の呟き・4 投稿者: 犬二号
近況報告
ようやく、調子が出てきました。
復活まであと少し。

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あらすじ

   君は、<ヒト>という事をどう思う?

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ある悪魔の呟き・4

君はエゴという事をどう思う?
ヒトの営為を語る上で、エゴを口にしない論議は卑怯だ
「言い切るわね・・・」
まあ、そんな訳で、<エゴ>という事をどう思う?
「・・・」
その女はこう言った
「エゴなしの生活なんて考えられないけど、エゴだけじゃ生きていけないでしょ」
実にもっともな意見だ

「エゴこそは、心の中心、自尊心の核、自由意志の主体だ」
「精神疾患ってのは、エゴに対する考え方によるものがデカい」
僕の知る限り最も頭のオカシイ反乱分子が何か言っていた
「ファーゴじゃ、神経症になる奴が多いだろう」
「あれなんか、自分の<かくあるべし>と周りのそれとのギャップのせいだ」
「俺達の革命は、俺達の<かくあるべし>を貫くための戦いだ」
「奴等のは上層部からの押し付けとスケベ心によるものだ」
「俺達のは俺達の正気がかかっている。負けてたまるかよ」
それからしばらく彼のご高説が延々と続いた
(こいつはもう好き勝手に喋らせておくのが一番だ)
一応、経験者としての彼の病歴とその解釈は聞いていて面白い
しかし、断固として違うのだ
彼の説明では、普通のヒトのエゴについては何も分からない
彼自身も心の底では知っている
その上で、こんなお経を唱えているだけだ
・・・
冷静になりさえすれば、自分の事は自分が一番よく分かる
ここが、そんな事を許さない場だという事が問題なのだが
「知るか」
「分からん」
「そういう事は俺達に訊くんじゃない」
男達の意見が、実にそれをよく代弁していた

(続く)

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あとがき

そろそろ、東京に帰らなくっちゃな。
少年「・・・それだけ?」
犬「それだけ。他に何を期待している」
少年「いや、また何か訳の分からない事を愚痴愚痴というもんかと」
犬「眠いんじゃい。バグる元気すらないんだ。分かったか」
少年「それより、東京って?」
犬「九月六日にプログラミングのテストだ。それまでには間に合わねばならん」
少年「パソコンの?実家じゃ無理なの?」
犬「大学のパソコンのOSはUNIX、うちのはWIN95だ。どうにもならん」
少年「なるほどね」
犬「それに、あの喧騒が、塵っぽい空気が懐かしくなったのさ」
少年「へえ、あれほど神経症すれすれまで行ってたくせに?」
犬「だって、金沢、ただの大学生には大人し過ぎるんだもの」
少年「また、病気をぶり返すなよ」
犬「大丈夫。まーかせて!(鳥坂さんの挑戦的ポーズ)」

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では、お休みなさい。