突発SS・月とネコキャット団 投稿者: 犬二号
まえがきは突然に
少年「た、大変だあーっ!」
巡回員「ん?何だ何だどうしたんだ」
少年「犬が・・・犬二号が・・・」
巡回員「おい、落ち着け。犬二号の奴がどうしたって?」
少年「い、犬二号が・・・狂った!」
巡回員「何い?」

どどどどどどど・・・

少年「あ、来た!」
巡回員「な・・・何だありゃあ!?」

二人の目の前には、<みんな、ごめんね!>&<大発狂モード突入!>と書かれた
旗を背負った、腐れ大学生犬二号が、怒涛の勢いで大地を揺るがせ走り回っていた。

巡回員「・・・わああっ!こっちに来るなああっ!」
犬「やっかましいいい!」

どっかーーーーん!

しばし沈黙。

犬「はーっはっはっはっ!やあ、君たち!元気かな!?」
巡回員「・・・ひ、人に勢いつけて体当たりしといて、元気はねえだろうが!」
少年「ど、どうしちゃったのさ、犬?」
犬「ああ!実は、いつもの連載SSで何か無理やり真面目に振舞おうとしたツケが
  たまって、急に馬鹿話を作ってみたくなった気分だよ!」
巡回員「何い?」
少年「あ、馬鹿になってる」
犬「うるせえっ!何か、連載SSの最新版の<A棟巡回員の怠惰なる日常・4>が、
  後で見返したらつまらなかったんじゃあああ!」
巡回員「げ!お、おい、こいつ黙らせろ!」
少年「ちょっと犬、投稿者として言っていい事と悪い事があるぞ!」
犬「だってよー・・・見せ場がよー・・・ねーじゃんかよー・・・みんな、新しい
  謎解きとかを楽しみにしているって感想に書いてるじゃん、なのに、その事を
  全く読み取れてなかったんだぜ、なあ?俺、このままじゃ連載SS書けんよ。
  書けば書くほどマズいものしか書けんような気がしてな・・・」
少年「あ、まずい!だらしなく荒れてる!」
だらしなく荒れるとは・・・酒が入ったサラリーマンのおやじの、グズグズとした
             愚痴を想像して下さい。犬二号は、しょっちゅうこの
             モードに入っては鈍い声でうなりながら布団にもぐり
             込んでいるらしいです。このモードに入ると、勉強も
             SSも手につかないという悪質な無気力にとらわれ、
             寝潰れないと回復しないらしいです。寝不足の後には
             特にこのモードに入りやすいらしいです。全くもって
             ダメ人間っぽいですね。やれやれ。
犬「さあて!では早速まいりましょう!突発SS・月とネコキャット団!」
巡回員「入るなあああっ!」

***

突発SS・月とネコキャット団

心に傷を抱いた女たち。
何もかも捨てて、ただ心の支えを欲してさまよう女たち。
そんな彼女たちの前に、心の支えを提供するという宗教団体があった。

その名は、宗教団体「ニャーゴ」。

第0章

三人の少女がいた。
三人とも、それぞれの目的のためにニャーゴへ潜入を決意した、毛並みの違う信者
だった。

群青色の長い髪の少女はA棟に。
黄色いリボンをつけた栗色のショートカットの少女はB棟に。
そして、紫がかったウェーブの髪の少女はC棟に。
それぞれ、配属される事となった。

第1章
A棟の少女はイクミという名前だった。
かつてニャーゴにいた母が彼女の元に帰ってきて、そして無残な最期を遂げた。
(母が死んだのはニャーゴのせいではないのか?)
それを確かめに、潜入を決意したのだ。
が、ニャーゴでの生活は、彼女の予想を越えるものだった。
「何で男の子と同居しなくちゃならないのよっ!」
彼女の部屋には、彼女と同じか、少し下くらいの年の少年がいたのだ。
「監視だよ、監視」
「むー・・・」

それだけでも困惑の種なのに、そこでの修行もまた異常なものだった。
「ミンメス」と呼ばれる修行で、イクミは過去の記憶を見せ付けられた。

かつて、子供だった頃。
父も母も生きていた頃。
イクミは、子猫を拾った。
育てたいと、両親に嘆願した。
両親は拒否した。仕方がないので、物置にダンボールをおいてそこにかくまった。
毎日、牛乳をあげた。煮干もあげた。
ある日、イクミは牛乳をあげに物置に行った。
子猫は眠っていた。
いや、眠っているように見えた。
触って起こそうとしたが、動かなかった。
体が・・・冷たくなっていた。

その夜、イクミは泣いた。一人っきりで泣いた。
泣き止んだ時、イクミは子猫の墓を建てた。
子猫を埋めて、土をかぶせた時、イクミは再び泣いた。
嗚咽が止まらなかった。

「はあっ・・・!」
嫌な夢を見せられた。
これが・・・修行なのか?

第2章
B棟の少女はユイという名前だった。
彼女は姉が行方不明だった。
かつて、色々あって家族と別れて(何があったのか、どうしても思い出せない)、
それっきり愛する姉と離れ離れになっていたのだ。
姉が変な宗教団体に入ったと聞いて、居ても立ってもいられずに彼女の後を追ったのだが。

ミンメスで、ユイは何かの姿を見たような気がした。

どこかの人気のない道。
どこかで見た。思い出せない。
犬。
野良犬が襲いかかってきた。
噛まれた。
痛かった。
非力な自分の力では追い払えなかった。
ただ、噛まれた。
保健所の車が現れるまで。

後に、狂犬病にやられた。あの犬のせいだろう。
その際、意識と記憶が飛んだ。
復活までに時間がかかった。
だから、隔離されたのだ。家族に危害が及ばぬように。

「・・・思い出した・・・」
思い出したくない記憶。
辛い。
痛い。
でも、思い出してしまった。
「どうしろって・・・いうの・・・?」

そしてその夜、ユイは精練という修行をさせられた。
いきなり、檻に入れられた。
「何するんですかっ!?」
「へへへ、お前、猫は好きか?」
下卑た口調の男が訊く。
「す、好きでも嫌いでもないですけど、それが?」
もう片方の、無口そうな男が口を開く。
「そうだろうな、B棟に回されたって事は、そういう事だ。今から、猫に慣れてもらおうか」
「な、慣れる・・・って」
「へへへ、まあ見てなって。スイッチ、オン!」
下卑た男がスイッチを押す。と、天井が開いて、上から何かが落ちてきた。
どさどさと。
猫。
猫。
猫猫猫猫猫猫猫猫猫猫猫猫・・・猫。
「きゃああああーっ!」
ユイは、見る見るうちに猫まみれになっていった。
「ぎゃはははは、いい様だぜ!なあ、どうだ!?」
「・・・俺、いつ見てもこの修行に慣れないんだが・・・」
男たちの会話を訊きながら、ユイは猫のジャリジャリした舌に鼻を舐められたり、
しっぽで足の裏をくすぐられたりした。
「た、助けてえええーっ!いやあああーっ!」
ユイは、頭の中が猫に支配されていくのを感じた。

続く

***

あとがき

巡回員「・・・続くのかよ、これ」
少年「<A棟巡回員の怠惰なる日常>シリーズはどうするのさ?」
犬「また、元気が戻ったら書く!ちゃんと!夏休みまでには!」
巡回員「お前、メチャメチャ元気じゃないか!」
犬「ははは!世間では空元気と言うらしい!そう神が言っていた!・・・そうや、
  今のコレは、ホンマは空元気なんや・・・」
少年「ああっ!だらしなく荒れるモードと変な方言モードが一緒にっ!?」

犬「まあ、本編の方はちゃんと書きますので、皆さん心配しないで下さい。あと、
  くれぐれも見捨てないで・・・ね?」
巡回員「甘ったれるなああっ!」

少年「まあ、今回は本当に申し訳ありませんでした。次回からはちゃんとした話を
   作ります・・・作れると期待しましょう?(半疑問形)」
巡回員「しかし、猫まみれか・・・ファーゴのBC棟の奴らも、こっちの方を採用
    すればいいのに」
少年「無理だよ。人間の男は万年発情期だから」
巡回員「うーむ・・・」
犬「大体、ニャーゴじゃないっつーの。ねえ?」
二人「張本人が言うなああっ!」

***

釈明

はい、馬鹿っぽそうな話で済みませんでした。
単に、猫の話を「月」に絡めさせたかっただけです。
それと、本編じゃ由依が可哀想すぎたので。
この話を完結させたら、もう二度とこんな真似は致しません。
・・・多分。

***

犬「では、次回はちゃんとしたものを投稿します」
巡回員「絶対だぞっ!いいなっ!」
少年「では、さようなら〜」