さて、ここは学校の中庭。昼休憩中、俺と茜は、今日も今日とて寒さに打ち震えながら、
仲良く(?)弁当を食べている…
「おっ茜、今日も美味そうな弁当だな」
「うん、良い匂いがするね…」
「だろ?…って、わあああああ!」
「こんにちは、浩平君」
「み…みさき先輩?」
神出鬼没のみさき先輩、現る。
「浩平、この方は?」
「ああ、そういえば2人は初対面だったな、紹介するよみさき先輩、里村茜…俺のクラスメートだ。
んで茜、この人があの川名みさき先輩だ」
「はじめまして茜さん。…浩平君…『あの』ってどういうことなの?」
「いやその…ははは…」
「はじめましてみさき先輩。…そうですか、あなたが『あの』みさき先輩ですか、『浩平から』
『色々な』お噂をかねがね…」
やけに『あの』と俺の名前と『色々な』を強調する茜。
「浩平くーん、私のことを普段なんて噂してるか、とーっても気になるんだけどなー?」
「…だ、だからね…(汗)」
「私の事いつもどんな風に思ってるのかなー?」
「いや…その…」
「まあ、浩平君を責めるのはこのくらいにして」
「…はい」
「(この話は後でゆっっっくりと聞かせてね〜?)」
はうあああああ!
「それはそうと…ここって凄く寒いね…なんでこんな所で食べてるの?」
「茜のお気に入りの場所だそうだ」
「違います」
「と、いうわけだ(汗)」
「全然分からないよー」
…当たり前だ。
「話せば長くなるけど」
「うん、何?」
「…色々あったんだよ」
「浩平…全然長くなってません」
「ふうん、まあいっか」
なぜか納得するみさき先輩。
うんうん、過去にこだわらない事は大切だな。
「所で茜さん?」
「はい」
「美味しそうなお弁当だね、少しもらっても良い?」
「…嫌です」
しかし、それには構わずみさき先輩は茜の弁当に手を伸ばそうとする…
その時…
ヒュンッ!ガスッ!
茜の手から放たれた箸が、みさき先輩の手をかすめ、校舎の壁に突き刺さった。
少しおいて、みさき先輩の手からタラーと血が流れる。
コンコン…
…この校舎の壁、コンクリートだよ、な?…いや、見なかった事にしよう(汗)。
「蚊が居ました」
淡々と告げる茜。
「へえー?そうなんだー?まだ早いかなーと思っていたけど、作者も刺されてるみたいだし、気を
つけないとね、ありがとう茜さん」
「いえ」
「…あ、そういえばお弁当美味しかったよ、ご馳走様」
「!」
はっ!っと自分の弁当に視線を戻す茜。…そこには既に空になった弁当箱が…。タコさんウインナー
から、茜が最後の楽しみにと取っておいた(と、思われる)イチゴに至るまで奇麗になくなっている。
い、いつの間に…
「特に鮭のフライが良かったよ」
「『肉を斬らせて骨を絶つ』ですか…なかなかやりますね」
…まあ確かに(自分の)肉を斬らせて(弁当の魚の)骨を絶ってるけど。
「ふふふ…茜さんもね」
「『少し』食べるのではなかったのですか?」
「うん、今ダイエット中だからね、少ししかもらわなかったよ」
…全部食べておいて!?
「みさき先輩…浩平にあなたの話を聞いて、あなたとは1度食べ物の事について熱く語り合いたいと
思ってました…」
茜のバックに炎が見えたような気がした。
「うーん、良く分からないけど、嫌だよって言っておくよ」
「拒否権は有りません」
2人の間に火花が散った…
バチバチ…
ぐはっ!
「な、なあ、落ち着けよ2人とも」
バチバチ…
ぐはあ!
ど、どうすりゃあいいんだあああ…何とかこの場をおさめるには…よし、こうなったら!
「よし茜、俺が山葉堂に連れてってやる!もちろん俺の奢りで、だ」
ぴたっ、と2人の動きが止まる。
「…本当ですか?」
「ああ」
あ…みさきさんが居たんだった……(汗)
「私にも当ー然!奢ってくれるよね?」
「あ、ああ…(汗)」
…俺の新渡戸さんand夏目さん'S…さようなら(涙)
[BGM:『MOON.』の16番トラックの曲(タイトル分からん(爆))]
<終わり>
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どうもこんばんわ。うとんたです。
それでは。
…後書きこんなんでいいんだろうか…