退屈な午前中の授業が終わって、昼休み。
一人で学食に向かおうとしていた俺は瑞佳に呼び止められた。
「浩平〜、今日は一緒にご飯食べようよ」
「すまん、瑞佳。俺には学食のメニューを全制覇するという使命があるんだ」
「そんなぁ〜、折角今日は浩平のぶんもお弁当つくってきたのに・・・」
「・・・明日にする。一緒に食うか」
「うんっ」
折角瑞佳が作ってきてくれてるんなら、わざわざ金を払って学食で食う事もないな。
クラスの男子の何人かの羨望のまなざしを背中に受けつつ、俺は瑞佳の隣の席に座った。
「「いただきま〜す」」
とても美味そうだ。瑞佳は料理も上手いからな。茜といい勝負だと思う。
もっとも、茜のあの甘党ぶりにはかなわないが。
瑞佳の味覚が普通である事にほっとしつつ、俺は最初のひとくちを頬張った。
・・・
「・・・へい、浩平・・・」
「・・・ん?」
「良かった、気がついたんだね。本当に心配したんだから!」
いきなり瑞佳が抱きついてきた。こういうキャラクターだったか?
・・・じゃなくて、流石に教室でこれはやばいんじゃないのか?
「いきなり倒れたときはどうしようかと思ったよっ」
・・・倒れた?
よく分からないまま周りを見回すと、俺は気付いた。自分がいる場所がいつもの教室ではないことに。
そう、保健室。ここは保健室。誰が来るトコロ?病人が来るトコロ。
病人が来るトコロ?じゃあ俺は病人か?・・・倒れた?ああそうか、俺は倒れて病人・・・
・・・なんか思考回路がうまく働かないな。
「なぁ、瑞佳、俺はなんでここで寝てるんだ?」
「だって、ご飯食べてるときにいきなり倒れたんだもん。本当にびっくりしたよ」
倒れた?なんで俺は倒れたんだ?
流行ってるとはいえ、べつに風邪とかひいてる訳でもない。
実際、ついさっきの授業は体育だったんだぞ。思い切り走らされまくったけどな。
あえて言うなら、口の中に多少の違和感を感じてるくらいか。
・・・口の中?
「なぁ、瑞佳」
「なぁに?」
「今日の弁当の中身、なんだったっけ?」
「・・・覚えてないの?牛乳ご飯だよ」
・・・
「ちょっと待て。もう一度言え」
「だから、牛乳ご飯」
牛乳ご飯牛乳ご飯牛乳ご飯・・・英語では?ミルクフレーバーライス。いや、そんな事はどうでもいい。
俺はすべてを悟った。
「なぁ、瑞佳。頼むから今度からそれだけは止めてくれ」
「えぇ、どうして?美味しいのに」
・・・俺の味覚も、そのうち狂う事になるのか・・・
おしまい
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みゅー(という訳で、いつものふたりのSSでーす)
えいり「ちょっと待て。なんでみゅーがいるんだ?しかも解説してるし」
みゅー(いや、ほら、君だけアシスタントがいないみたいだからさ)
えいり「・・・俺のアシは畜生なのか・・・」
みゅー(・・・酷いな。だいたい、ほとんどのキャラはもう誰かのアシスタントになってるんだし
人と被るのは嫌だと思ってたのは他でもない君自身じゃないか)
えいり「・・・まぁ、いいけどな。男の癖にカワイイモノ好きだしな、俺は」
みゅー(その発言、一般ピープルの前では言わないほうがいいと思うよ)
えいり「今回のネタは、知る人ぞ知る(?)牛乳ご飯でありマス」
みゅー(あれって、凄い味なんだよね。甘いというかなんというか)
えいり「瑞佳といい茜といいみさき先輩といい、食が太いキャラ多すぎだよなぁ」
みゅー(君だって人の事は言えないだろ?牛乳でご飯、程度なら余裕とか言ってなかったっけ)
えいり「・・・(いつか刻んでヤル)」
みゅー(恐いこと考えちゃだめだよ)
えいり「・・・心を読むのは反則だろ」
みゅー(仕方ないよ。フェレットは喋れないんだから)←なんかホントに鳴けないらしいねぇ
みゅー(ところでセンター試験の方はどうだったんだい?)
えいり「そうだな・・・かなり状況は厳しいな。なにせ直前に受けた模擬試験と比べて100点も下がったんだから」
みゅー(その割にはSS書いてる余裕はあるんだね)
えいり「・・・なんとかなるって。たぶん。足切りはなんとか食らわないし、2次試験重視なんだカラ」
みゅー(YOSHIサンやるいサンも受かるといいよね)
えいり「ああ、そうだな。お互い頑張りましょう♪>お二人サマ」
みゅー(流石に今回は感想はパスだね)
えいり「そうだな。最近は読むほうもままならないからな」
みゅー(連載SSはもうほとんど読んでないよね。どれもとても面白そうなのに)
えいり「一気に読まないと混乱するタイプだからな。りーふ図書館の更新待ち、ってトコロだな」
みゅー(それにしても、PELSONAサンや偽善者Rサンの勢いは凄いよね)
えいり「ああ。あやかりたいモンだよ」
みゅー(それじゃあ、今日はこのへんでさよならだね)
えいり「そうだな。それでわ皆様、今回はこのへんデ」
1999/01/23 12:15