私に勇気をくれたひと 投稿者: えいり
「悪い悪い、待たせちまって」
「みゅー、私も今来たばっかりだから」
「それじゃあ、行くか?」
「うんっ♪」

繭と付き合うようになってから3ヶ月。毎日が楽しい。
繭といると、ガキの頃を思い出すんだよな。
俺が普段忘れがちなものを、繭はいつでも大切にもっている、そんな気がするんだ。
そんなトコロに惹かれたのかもしれないな・・・って、なんか年寄り臭ぇな、俺。

「私、行きたい所あるんだ」
繭がそう言ってきたのは、ちょうど昼頃だった。
「んじゃあ、そこに行くか。何処だ?」
「みゅー、ここ」
・・・って、BOSバーガーじゃないか。繭の奴、テリヤキバーガーが好きだからな。
デートの時は必ずといっていいほどここで食うといってもいいくらいだ。
でもなんでわざわざ改まって?
「ここで待ち合わせしてるの。たいせつなひとと」

 繭の言った「たいせつなひと」というのは、大学生の2人組(というか恋人だな)だった。
女の方は誰もが認めるであろう美女だったな。そして男の方は・・・
何というか、不思議な奴だったな。あんなに生きた目をしてる奴なんてそうそういないんじゃないか?
結局、繭に連れられて、この4人で昼飯を食うという事になったんだ。

「それにしても、ほんとに久しぶりだねぇ、繭ちゃん。元気にしてた?」
「みゅっ♪」
「ははは、相変わらずだな、椎名は。彼氏、一緒にいるのって大変じゃ無ぇか?」
「そんなこと無いスよ」
・・・初対面の筈なんだが、まるで昔からの知り合いのように話がはずんだ。
途中、相手のペースについていけなくなりそうになった事もあったけど。
俺自身、結構喋る方なんだが・・・この2人のペースは凄かった。
なんでも、この2人は幼馴染み同士なんだそうだ。納得。
・・・お陰で、気が付いたときには既に3時になろうとしていた。
結局その後俺達は2人と別れて、またいつものような、平和なデートを楽しんだ。

 そして、帰り道。
「みゅー」
「・・・どうした、繭?」
「いきなり連れて行って迷惑じゃなかった?」
「そんなこと無ぇよ・・・でもなんか、分かる気がするな」
「何が?」
繭は?といった顔で俺を見ている。
「あの折原とかいう男が、繭にとって『たいせつなひと』である訳がさ。
話してて何となく分かるんだよな。大体、普通は初対面であんなには話せないだろ?
それに・・・いや、何でもねぇ」
「みゅ〜」
なんだかよく分からないけど、まぁいいやという感じで繭は微笑んだ。
(それに・・・昔の繭はいつも泣いてたもんな・・・繭の心の枷を外してくれたんだよな、あの人は)
俺はその言葉を口にはせず、ただ自分の心のなかで何度も何度も反復していた。

「それじゃあ繭、また明日学校でな・・・っと、その前に」
「みゅっ?」
「好きだよ、繭」
「〜〜〜〜〜、私もだよ(照れている)」
「・・・それじゃあなっ」
「みゅーっ♪」

 なんとなく清々しい気分で、俺は家路についた。 

                                           おしまい

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 ゃぁ(´ー`)ここに書き込むのは初めての、えいりと言う奴デス。
ここのページを見つけてから、SS書きたいとは思ってたんですケド
「大学受験近いし」とか思って我慢してたんですガ、
YOSHIサンが投稿しているのをみて吹っ切れました(笑)
(どうやら彼も受験生のようなので(^^;))

 初書き込みの今回は、繭を書かせて頂きました。
一応、長森シナリオで繭の面倒もみてやって、その結果
長森だけじゃなくて繭も浩平の事を覚えていて、その後
このSSの主人公と付き合いだした・・・という設定になっておりマス(強引)

 それでは、今後ともヨロシクお願い致しマス(´ー`)