やんちゃな猫 投稿者: いけだもの
こんにちわ〜、いけだものです〜
ホワイトデーSS、なんとか書けましたぁ。
それでは、ど〜ぞ。
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〜 土曜日の夜 〜

明日は待ちに待ったホワイトデー。
俺はある計画を実行に移すため、意気揚揚と受話器を手にする。
ピッポッパッポッ
プルルルルルルルルルル...プルルルルルルルルルル...
かちゃっ
『はい、長森です。』
「もしもし、俺だけど。」
『あ、浩平?電話くれるなんてめずらしいね。』
「ちょっとワケありでな。ところで長森、ひとつ頼みがあるんだけど聞いてもらえないか?」
『どんなこと?』
「実はやんちゃな猫が1匹いてな。もし暇なら明日一日、面倒見てくれないかと思って。」
『あれ?浩平の家、猫なんて飼ってなっかたよね。』
「由起子さんが知り合いから預かって来たんだ。でも事情があって俺じゃ世話できないんだよ。頼むからさ。」
『ふ〜ん、そうなんだ。分かったよ、明日だけでいいんだよね。』
「ありがとうな。それじゃあ、朝一番にお前の家まで行くから。」
『うん、待ってるよ。』
「よろしくな。あ、そうだ、ちょっとおばさんに代わってもらえないか?」
『いいけど...何かあったの?』
「おばさんにも一言お願いをしておこうと思ってな。」
『わざわざそんな事しなくても大丈夫だよ?』
「い、いや、親しき中にも礼儀ありって言うだろ。だからさ。」
『そう?じゃあ、ちょっと待っててね...お母さーん、浩平が話ししたいってー。』
 ・
 ・
 ・
「はい、そう言うことでお願いします。くれぐれも瑞佳には内緒で。はい、それでは。」
ピッ
「くっくっくっくっくっ...これで準備は万端だ。長森の驚く顔が目に浮かぶぞ。」
あまりにスムーズな展開に思わず笑いが込み上げてくる。
先月のバレンタインデーから今日までの1ヶ月の間、俺はどうしたら長森に一泡ふかせられるかを考えてきた。
そして思いついたのが『この猫よろしくな』作戦だ。
「さて、明日は早いからな、さっさと寝るとするか。」
受話器を置いてベッドにもぐり込む。
と、それほど時間もかからずに俺は深い眠りへと落ちて行った。


〜 翌朝 〜

時間は6時ちょこっと前。
腕時計で時間を確認すると、俺は長森の家のドアを軽くノックする。
コンコン
「おはようございます、折原です。」
「浩平くん、いらっしゃい。」
ドアが静かに開き、長森のお母さんが顔を見せた。
「朝早くからすみません。おじゃまします。」
「はい、どうぞ。でもその格好、良く似合ってるわね。」
「そうですか?」
「瑞佳もきっと歓ぶわ。」
「ははっ。」
「ふふっ。」
小声で会話を交わした後、俺は2階へと上がって行く。
しかしよくよく考えてみると、年頃の娘の部屋に(しかも寝ている)若い男が入っていくのを許すなんて、長森のお母さんもいい性格してるよな。
まあ、俺が幼なじみのだからなんだろうけど。

そんなことを考えているうちに、長森の部屋の前に着いた。
長森を起こさないように慎重にドアを開け、部屋に入りこむ。
「この辺でいいかな?」
そしてベッドのすぐ脇のスペースを陣取ると、持参したスケッチブックを床に置き、長森のお母さんが用意してくれた毛布に包まって横になった。
「これでよし。長森が起きるのを待つだけだな。」
俺は目の前のベッドを見つめ、ワクワクしながらその瞬間を今か今かと待ちつづけた。


〜 約1時間後 〜

「こ、浩平っ!何やってるんだよっ!」
ゆっさゆっさ
「ほらぁ、起きなさいよーーーーーっ!」
ゆっさゆっさ
体を揺すられる感覚に、意識が呼び戻される。
「ふぁ?」
目を開けると、そこには顔を真っ赤にした長森と見なれない部屋が。
はて?これはいったい?
寝ぼけた頭で少しづつ記憶の糸を手繰り寄せる。
「な、何で猫の着ぐるみなんか着て私の部屋で寝てるんだよ〜」
見るからに動揺しまくっている長森。
着ぐるみ?
ああ、思い出した。そうそう、長森に一泡ふかせるために部屋に忍びこんだんだったけ。
う〜む、不覚にも寝てしまったのか...
しかしこの反応、『この猫よろしくな』作戦は大成功だったみたいだな。

「ねえ、説明してよっ!」
その言葉に俺は、床に置いておいたスケッチブックを拾い上げて長森に見せる。
『長森へ
  昨日約束した猫の世話、よろしく頼むな。
  それからお礼は猫に預けてあるから貰ってくれ。
                     浩平より』
「えっ?昨日言ってた猫って...」
次のページを開く。
『俺のことだもん。』
「はぁっ。」
なんとも複雑な表情で俺を見つめる長森。
俺はもう1枚ページをめくると、準備しておいた袋を長森に差し出す。
『これ、浩平からのお礼だよ。今日はよろしくだもん。』
「あ...」
袋の中を見た長森の顔が、見る見るうちにほころんで行く。
昨日一日かけて選んだ甲斐はあったみたいだ。
「もぉっ、ホントにびっくりしたよ〜。浩平ったら素直じゃないんだから〜」
そう言って抱きついてくる長森。
誰も見ていないとはいえ、こんな反応をされると俺も照れくさいぞ。
まあ、結構嬉しかったりもするんだけどな。


・・・・・ おしまい ・・・・・

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お読みいただき、ありがとうございました。

ああ、苦しいなぁ。ホントに。
でもこれは確実にビックリするでしょうね。
着ぐるみ準備して、ホワイトデー用のお返し選んで、長森のお母さんに根回しして、浩平の天下一品の(笑)回りくどさを笑って貰えたら幸いかな?

それでは、昨日の朝の雀バル雀さんのまでの感想で〜す。

YOSHIさん
・はぐれ3匹【FARGO編】〜その4〜
 ”S”はおそらくすっぺっしゃるの”S”。でも”2”ってのが気になりますね...。茜はAってことで精錬室には関係だから一安心。(←甘いか?)
・はぐれ3匹【FARGO編】〜その5〜
 「この世界を捨てるための計画」ですか。人の辛い過去を利用してってトコロが相変わらずあくどい手口ですね。でも、結構いるのかな?この世界を捨てたい人が...

ニュー偽善者Rさん
・ONE総里見八猫伝大蛇の章 第三二幕
 やはり大蛇は強かったですね。仲間の協力を得てかつ、闇雲の力を借りなければ倒せないほどの強力さは中間ボスにふさわしいと思いました。
・いい仕事しまっせ!乙女鑑定人-2-
 「乙女宿り」とか「乙女たたずみ」とか、ネーミングの妙が笑いを誘いますね。婆さんが親指を突き出した時には、もう茜はいないってのも、ありえるな〜って感じでした(笑)。
・ONE総里見八猫伝大蛇の章 第三三幕
 浩平が生きている事への安堵と新たな波乱の予感を含ませての第一部の終わりかた、第二部への期待がいやがおうにも盛り上がりますねぇ。
・血へどSS2次募集!
 二次募集...ダブル投稿はありなのかな(笑)?
・いい仕事しまっせ!乙女鑑定人-3-
 型がどうであれ、所詮は婆さんって感じの浩平の反応が、そうだよね〜って共感を覚えました。あと今回のオチは、ほんっとに笑えましたっ。

PELSONAさん
・すとろべりーしぇいく! そのに
 いや〜、なんか純粋で可愛らしい女の子って感じですね〜。住井の質問に少し照れながら答える様子なんかもう...ね。
・恥的生命体
 ...
・すとろべりーしぇいく! そのさん
 浩平−長森ペアは予想外でした。てっきり茜とばかり...う〜ん、ひねってますねぇ。住井の懸命の言い訳が「くすっ」って笑えました。
・空き地の待ち人
 元歌は知りませんが(ごめんね)、悲しい歌詞だよ〜。浩平、早く帰って来いよ〜。投稿ペース、上がってきましたねぇ。
・MIZUKA
 うむむ〜、これもまたダークめな歌で攻めてきましたね。ちびこうへいの願いってことでしょうけど...、むむむむむ〜。
・すとろべりーしぇいく! そのよん
 住井と浩平の攻防、恋愛がらみの話しなのにあんまり野暮ったくなってないところが、なんか微笑ましかったです。
・すとろべりーしぇいく! そのご
 うっひょ〜、ラブラブなラストですね〜。ちゃーんとジンクスの伏線も生きてましたし。住井−詩子も意外なペアですけど、お幸せにっ!って言ってあげたいですね。

ばやんさん
・『かせぐの』−6−
 茜から教わった秘策ってなんなんだ〜。めちゃくちゃ気になりますっ!澪の視点で書かれた浩平と茜の関係はすごくほほえましかったですよぉ。それから住井のかわいそぶりには大笑いでしたっ。

神凪 了さん
・黄昏
 はじめましてっ。こいつはまた異質だなぁ...ってこれはバッド後の話なワケですね。ふとド○えもんの最終回のウワサを思い出してしまいました。
・アルテミス
 冒頭のシーンに鼻の下をのばしてたら...ONEとMOONの合体モノですかぁ。独自性が出せるようがんばってくださいね〜。
・アルテミス 第2話
 壮大なスケールの話みたいですね〜。住井がそのらしさを如何なく発揮して、今後の主要キャラになりそうな格好の良さでした。

まてつやさん
・『茜っち』暴走!!!(笑)
 渡り鳥茜っちにまで拒否されるとは、南っ、お前はすげぇぜ...ってこれ、誉め言葉か?そして最後には葉子さんにも(笑)。

火消しの風さん&ブラック火消しの風さん
・人の想い
 う〜ん、この雰囲気はバッド行きって感じの設定ですね。しかしこう言った場面での茜のセリフって、いつもながら重みがあるよなぁ。涙雨ですね。そうそう、これって続くんですか?
・人の想い NO.2
 やっぱ続きモノでしたね。不器用な2人の描写が、これから訪れるであろう運命の寂しさをいっそう煽ってるような気がしました。最後には2人に幸せな未来が訪れてくれることを期待してます。
・黒の代行SS
 おっ、あれのエピローグですね。5年という月日が流れても、暖かな場所は変わっていなかったってのが嬉しいですね。捜し物、きっと見つかりますよ。

はにゃまろさん
・お・か・し戦記
 わははははははは〜、これは面白いですねぇ。冒頭なんか真面目な書き方なのに言ってることはムチャクチャ(あ、悪い意味じゃないですよ)だし、『バナ爺』なんて...もうっ(大笑)。できたら続き書いてくださ〜い。

ひささん
・感想だけでもいいですか?(5)
 恐るべし経営戦略っ!!こんなハンバーガーショップには気を付けないといけませんね(笑)。それから、感想ありがとうございました〜♪
・風邪の日の憂鬱【前編】
 立っていられないような体ででも学校に行こうとするとは、よっぽどのことがあるんでしょうね。そしてそんな状態でもジョークを飛ばしてるのが浩平らしかったです(笑)。
・風邪の日の憂鬱【後編】
 なるほど〜、そう言う訳だったんですかぁ。ちゃーんと買ってきてあげてる長森はホント優しいですね。浩平を運ぶとき落したってのも微笑ましかったです。

まねき猫さん
・最近遅れ気味な感想(^^;
 感想ありがと〜ございますっ。長森にライバル心を燃やす七瀬、いや〜良いところに気が付いてくれますねぇ。そこが『氷の上で』のポイントの一つですからっ。

スライムさん
・春風のメモリー  第一話
 うわぁ、澪モテモテじゃんっ。いろんなタイプのラブレターがあって面白いですね。でも一番笑えたのは見栄っ張り七瀬のココロのつぶやきでしたぁ。
・春風のメモリー  第二話
 澪と長森と七瀬、女子高生3人が喫茶店でお茶するシーンが爽やかでしたっ。世話好きな(笑)おね〜さんが2人もいてくれて、澪は幸せですねぇ。

ここにあるよ?さん
・ONE〜輝く季節へ〜始まりその10
 チーズウインナーにツナマヨネーズたい焼きっ!!たい焼き好きな自分は、そこに釘付けになっちゃいましたっ。でもコレ美味しいんですか?

GOMIMUSIさん
・D.S
 アレの本編、書いてたんですね。各キャラの設定がしっかりと練られているようで、既に感心の域に達してます。長くなりそうな気配ですが、がんばってください。

雀バル雀さん
・ベンチ 
 はじめまして。1人公園に残されたみさき先輩、その不安たるや言葉にはできないくらいでしょうね。仁山先輩、よくぞっ!って思いました。
・食堂の主
 みさき先輩...外道だ...。でも浩平は知らないってコトは、猫っかぶりしてるってことかなぁ。
・魁!乙女塾
 思い出すな〜『男塾』。1年で真の乙女になれたんだから(なれたのか?)良かったね。それに浩平も、しばらくすれば戻ってくるでしょっ(笑)。
・「ごめんね・・・」<前編>
 ドレス以外に七瀬が貰ったものって...(笑)。いや〜、浩平ってやっぱ良いセンスしてますねぇ。でも、それだけに七瀬の怒りはすごいんだろうな〜
・由紀子・・・・その愛
 字が違ってますよ〜ってつっこみは置いておいて、これが長森が浩平を起こしに行くようになったわけですか(笑)。長森もびっくりしたことでしょうね。

変身動物ポン太さん
・輝け!第一回男子人気投票!(その4)
 中間だけど第2位おめでとう、沢口っ!って最後の叫びがめちゃくちゃ笑えましたっ。茜視点もらしさが出ていて良かったですっ。
・手作りの・・・
 くはーーーーっ。手作りには手作りでっ!!これ以上のお返しはないですけど、浩平っ、お前どうしちゃったんだっ!って言いたくなるくらいのラブラブ話でした〜。

WTTSさん
・ONE名作劇場 (投稿 9th)
 今回のお気に入りはPart 5でしたっ。短い歌詞のなかに笑いあり、感心あり。それぞれのキャラの想いがらしくまとめられてますよね〜

ひろやんさん
・みゅーが帰ってくる日1&2
 はじめまして。はぁ...よくありそうな男女関係(繭パパと華穂さんね)ですけど、一緒になって分かるすれちがいに苦しむ華穂さんが辛いです。特に最後の繭の台詞はねぇ。
・みゅーが帰ってくる日3
 繭シナリオじゃなくたって、華穂さんと繭はホントの親子になれますよ〜と思いました。最後の「みゅーが帰ってくる日...」のフレーズには思わずうるうる。

あ〜、茜、書いてないな〜。書きたいな〜
それじゃあ、まったね〜

http://village.infoweb.or.jp/~fwiv2654/index.htm