頼りになります! 折原浩平 ざ・ふぁいなるっ 投稿者: いけだもの
こんばんわぁ。いけだものです。
『頼りになります!』シリーズ、ついに(って4話だけど)完結です。
最後のヒロインは誰なのかっ!
では、ど〜ぞ。
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かしゃーっ
カーテンの引かれる音と瞼の裏を突き刺す陽光。
「ほらーっ、起きなさいよーっ。」
いつもと変わらない朝だった。
「ねえ、浩平。相談したいことがあるんだけど、聞いてもらえないかな?」
「走りながらでも良かったら、聞いてやるぞ。」
「うん、それでいいよっ。」
そんな会話を交わしながらドタバタと準備をして、2人揃って家を飛び出す。
が...

数百メートルほど走ったところで、俺は重大な事実に気が付いた。
「おい、長森。今日は日曜日じゃなかったか?」
そう、今日は間違いなく日曜日。
当然ながら俺達のほかには、学校へ向かう学生達の姿はない。
「わたしだよ、わたしっ!」
「何で休みの日にまで、走らなきゃならないんだ?」
「わたしなのに〜」
何故か長森は錯乱している。
「おい長森、俺の声は聞こえてるか?」
「そうだね。お好み焼き、食べたいね。」
「俺はお好み焼きより、パタポ屋のクレープの方が食べたいぞ。」
「うっ...」
「長森っ、どうかしたか?」
「笑顔でいれてるかな?わたし。」
「...」
こいつ、明らかに俺の話を聞いてないぞ。
みさき先輩、茜、七瀬に続いて長森まで...俺の頭の中を、過去のおぞましい記憶が駆け巡る。
このまま逃げてしまおうか。
そんなことも考えたが、一応は約束もあるしな。開き直った俺は、思いきって長森に問いかけた。
「おい長森、何か相談事があったんじゃないのか?」


「...うん...実はね。」
俺の言葉を聞いた途端、長森は走るのを止めてその場に立ち尽くしてしまった。
「みんなが、浩平のことを忘れちゃってるんだよ。」
「...」
「七瀬さんも、住井くんも、繭も...わたし、どうしたらいいのかな?」
とっくに気が付いていた事実ではあったが、長森は今にも泣き出しそうな顔で言葉を紡いでいく。
その顔をよく見ると、瞼は少し腫れ、目は赤く充血している。おそらく寝不足なのだろう。
俺のことで、そんなにも悩んでいたのか...
次の瞬間、考えるよりも早く、俺は長森の身体を抱きしめていた。
「...浩平?」
突然の俺の行動に、戸惑いを含む声でを俺の名前を呼ぶ長森。
「ごめんな瑞佳。いつも心配かけて...でも大丈夫だ、俺がなんとかしてやるから。」
できるのだろうか?そう思いながらも答えずにはいられなかった。
それが今、俺にできる精一杯の行動だったから。
「うん、お願いだよ。浩平。」
長森の声に明るさが戻る。
そして俺の首に絡めた腕に少しだけ力を込め、その唇を俺の唇に重ねてくれた...


数日後、俺は永遠の世界へと旅立った。
でもこの世界から消える瞬間、俺は確信していたんだ。
そう遠くない将来、長森との約束を果たすために帰って来ることができるってことを。


そして1年後...
がやがや
「おっ、久しぶりだな。何やってたんだ?」
がやがや
「病気でもしてたのか?」
突然教室に現れた俺にざわめくクラスメートをよそに、俺は颯爽とある女生徒の席の前に立った。
「コホン、え〜と...」
あまりにわざとらしい演出に、女生徒は微笑みながら顔を上げる。
そして俺はその女生徒に、1年間暖めていた台詞を送った。
「ずーっと前から好きだったんだ。もう一度俺と付き合ってくれっ。」
しーーーーーん
突然の愛の告白に、静まり返る教室。
そして頬を染めた女生徒が口を開く...

「う〜ん、これからの浩平の態度次第かな?」
どわ〜〜〜っはっはっはっはっは〜〜〜
女生徒の返事に、教室内は爆笑の渦に包まれる。
「ど、ど〜してその返事なんだ、長森っ!」
まったく予想外の返事にうろたえる俺。
「だって浩平、『なんとかしてやる』なんて言っておいて、何処かへ消えちゃうんだもん。そんな責任感のない人とはお付き合いできないもんっ。」
どわ〜〜〜っはっはっはっはっは〜〜〜
「ちっくしょ〜、苦労して帰って来ってのにこの扱いかよ〜」
どわ〜〜〜っはっはっはっはっは〜〜〜
浩平の情けない叫びは、クラスメートの声にかき消されてしまうのであった。


・・・・・ ぢ・えんどっ ・・・・・

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どもどもでしたっ。

最後のヒロインはオーソドックスに長森にしてみました...って、予定どおりなんですけどね。
3からだいぶ間が開いてしまったのは、ヒロインが長森だからだったんですよ。
あれから長森SSをいくつか書いたんで、こんなに遅くなってしまったというワケです。
だって、同じキャラで2つ続けたくないんだも〜ん。(←贅沢野郎)

それでは、今朝のレス(本家)さんのまでの感想です。

ニュー偽善者Rさん
・屈折の旅立ち−1−
 バッドエンド後の話なんですか...残された人達にもそれなりの未来があるんでしょうけど、とりあえずこの長森は、書かれてる描写以上に寂しい感じがしました。
・ONE総里見八猫伝 大蛇の章 第三〇幕
 パール三世のときにも増して、浩平が不甲斐ない展開でしたね。おかげで繭が際立って、雫さんとの絡みは上手くいってましたけどっ。
・いい仕事しまっせ!乙女鑑定人-1-
 タイトルから七瀬が出てくるかと思いましたけど、違ったぁっ!なんか格好良いのか怪しいだけなのか分からない婆さんですねっ(笑)。あと、感想ありがとうございましたっ。
・ONE総里見八猫伝大蛇の章 第三一幕
 式神使いの瑛梨さん、なんか可愛い感じがしました(失礼かな?)。浩平と長森のわだかまりも少し解けたようですし、気合入れて大蛇退治に行きましょうかっ。
・屈折の旅立ち-2-
 ぐはぁっ!むちゃくちゃ寂しくなってきてますよぉ。しかも好転する兆しが見えないし...それにしても珍しく長森いじめ(かな?)してますね〜。これも愛の裏返しでしょうか?

はにゃまろさん
・<永遠紀行 3>
 リアルタイムで長森が浩平を忘れていくシ−ンが鮮烈でした。現実を付きつけられるって意味では最高のシチュエーションかもしれませんね。

PELSONAさん
・カレーの作り方
 シュンっ!少年っ!そんな料理番組があるか〜〜〜っ!お前ら、最終回じゃなくてもそんな感じだったんじゃないのかっ!!それから、七瀬っ!カレーくらい作ったことないんか〜〜〜〜〜っ(笑)!!

変身動物ポン太さん
・輝け!第一回男子人気投票!(その3)
 みんな姑息ですね〜。でも、そんな雰囲気が面白いです。そして七瀬と広瀬の賭けと言う要素も加わって、ますますヒートアーップって感じがしました。・感想SS”3月突入!輝く季節の入り口だあっ!”
 詩子...お前絶対に見舞いじゃないだろ(笑)。澪...ホントに何を作るんだ??っていつもながら、ショートも面白いの書きますね〜。それから感想、ありがとうです〜♪

てやくのさん
・『ONE&MOON.〜GS〜』3;br>
 お久しぶりですっ。おどろおどろしい雰囲気の中で、深山先輩の底抜けな明るさがミスマッチって感じでした。

もももさん
・浩平無用! in 絆 <19>
 両親を助けられるのは、やっぱり浩平だけ...さぁ、いざ行かん永遠の世界へっ!って感じですね。

いばいばさん
・精一杯の言葉を、あなたへ
 はじめましてぇ。自分の無力さを突きつけられる場面、痛かったですっ。それから、長森をリボンのエピソードに絡ませたりと、話の展開のさせかたが上手いなぁと思いましたよ。

幸せのおとしごさん
・ひな祭りですから
 ほぉ〜、わっふるにお汁粉と来ましたか。この組み合わせはかなりキツいでしょうねぇ。有無を言わさぬ茜の顔が浮かんでくるようで、面白かったですよ。浩平、ご愁傷さま(笑)。

静村 幸さん
・つながる記憶
 おおっ、この展開は...と思ったところで猫の登場、ナイスタイミングでした。それからみさおとの雛祭りの回想シーン〜浩平の心理描写、もう弱い浩平じゃないぞって感じで良いですね。あと、後書きの『さくっと』には思わず笑ってしまいましたよ。

レス(本家)さん
・また感想(^^:)
 SSデビュー、お待ちしております。がんばって書いてくださいね〜
・感想
 感想ありがとうございましたっ♪しかも絶妙に上手いなどとの評価をいただき、嬉しいかぎりです。
・ONE 澪編 −1−
 ポイントとなる要素は抑えつつも、これは完全にオリジナルな澪ですね。展開も本編とは違ってくるのでしょうか?続きを楽しみにしてます。

ううっ...知識がなさすぎて、ひな祭りSSは書けなかったよ(涙)。
ホワイトデーはこんなことがないよう、がんばるぞ〜

じゃあ、まったね〜

http://village.infoweb.or.jp/~fwiv2654/index.htm