次の日のこと 投稿者: いけだもの
こんにちわっ、いけだものです。
やっぱりきましたね〜、バレンタインねた。
特にPELSONAさん、5連続は凄すぎですよっ!
でも、懲りずに自分も行きますからね〜。
では、どうぞっ!
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カシャーッ
カーテンの引かれる音。
同時にまばゆい陽光が瞼の裏を刺す。
「ほらぁ、起きなさいよーっ!」
いつもと変わらない、長森の声。
「長森、何を寝ぼけたこと言ってるんだ、今日は日曜日だぞ。」
「寝ぼけてるのは浩平だよっ。今日は月曜日だもんっ。」
がばぁっ!
剥ぎ取られる布団。
「はいっ、制服と鞄。私は布団を干しておくから、先に下で着替えててよ。」
制服を鞄を強引に胸元に押し付けられる。
「へいへい。」
何度となく繰り返されてきた、朝の風景。
俺は頭を掻きながらそれらを受け取り、部屋を出る。
そこに、物足りなさを感じながら...


登校中...

たったったったったっ...
「結局今日も、学校までマラソンか...」
「浩平がもう少し早く起きてくれたら、のんびり登校できるんだよっ。」
たったったったったっ...
「でも、今日はお前がなかなか2階から下りてこなかったのが原因だと思うんだが。」
「そ、そんなことないもんっ!浩平ったら、すぐ人のせいにするんだからっ。」
たったったったったっ...
「はぁ、それにしても今年は寂しいバレンタインだったな。結局チョコをくれたのは由起子さんだけだったし。」
「今年のバレンタインは日曜日だったもんね。」
俺が感じた物足りなさ...
それは、長森からチョコレートを貰っていなかったことによるものだった。
たったったったったっ...
「しかし、すべてを分かち合った幼なじみにもチョコをあげないとは、お前もずいぶんと冷たい女になったんだな、長森。」
「分かち合ってなんかないもんっ!それにわざわざ日曜日に義理チョコなんか渡しに行かないよっ。」
たったったったったっ...
「それなら、本命チョコをくれるのか?」
「なっ、何言ってるんだよっ!本命チョコがあれば、昨日渡しに行ってるよ〜。」
たったったったったっ...
「それも...そうだよな。」
なんとも言えない寂しさが、胸の中を支配して行く。
そこにあると思っていたものが無い分かった瞬間、人はこのような感じを受けるものなのだろうか。


夕方...
「はぁっ、結局誰からも、チョコレート貰えなかったな...」
俺は肩を落としながら家に帰ってきた。
今日一日、七瀬に始まり茜、繭、みさき先輩、そして澪にまで、それとなく話をしてみたが収穫はゼロ。
ここまで寂しいバレンタインは、ホントに久しぶりだった。
「義理チョコさえ貰えないなんて、今年はどうなってるんだ?」
思わずグチが口をついて出る。
考えれば考えるほど、気は滅入るばかりだ。
「あ...布団、取り込まないとな。」
そんな中、ふと、長森が布団を干していたことを思い出した。
ガチャッ
部屋に入り、ベッドに鞄を放り投げると窓へと歩み寄る。
「あれ?」
何気なく見た机の上に、お洒落なラッピングが施された箱と1枚のカードが置いてあった。
「何だこれ?」
ひょいとカードを取りあげる。

『浩平、びっくりした?
 いつも心配させられてるお返しだもん。
 今年のチョコはいつもより美味しくできたと思うから、
 ちゃんと味わって食べてるんだよ。 
                     瑞佳より』

カードには、可愛らしい文字でそう書いてあった。
「くそっ、長森め、味な真似を...」
見事なまでの不意打ち。
悔しいが、今の俺の顔は緩みに緩んでいるに違いない。
今回だけは負けを見とめざるを得ないようだ。

でもな...
「長森、ホワイトデーを待ってろよ。」
そんな独り言を言いながら、とりあえず甘いチョコレートを頬張る俺であった。


・・・・・ おしまい ・・・・・

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はいっ、どうもでした。

長森も、いつもやられてばかりじゃイカンでしょ〜、ってことで書きました。
ダークな雰囲気を漂わせておいて、最後はハッピーエンド。
自分では、結構イイ感じ(死語)だと思うんですけどね〜。

それでは、今朝のニュー偽善者Rさんまでの感想で〜す。

ひささん
・感想だけでもいいですか?
 感想ありがとうございました♪『猫は布団で編』楽しんでいただけたようで幸いです。ストックのない、がけっぷち作家ですが、今後もよろしくです〜
・喜待 〜マツコトノヨロコビ〜【前編】
 『待つ』ことへの茜の悲痛ともとれる想いが伝わってきました。もう待ちたくないってのは率直なトコロでしょうね。それから、浩平のらしさも上手いですっ!

変身動物ポン太さん
・待ち人
 確かに、茜シナリオ以外を考えた場合、忘れられた人を待つ者の気持ちを分かるのは、茜だけですよね。しかし...比べれば比べるほど茜が不憫だ〜。
・激突!!外伝3”詩子ちゃんと勝負!!”
 今回の浩平は(南以外に)優しい男でしたね(笑)。『義理じゃないよ。』って詩子のメッセージ、めちゃくちゃ可愛いいじゃあ〜りませんかぁ。くは〜、これもラブラブってやつですねっ!

ニュー偽善者Rさん
・今日は風邪でダウンだ!久々感想!
 体、お大事に〜。ホワイト〇ォーターは知ってるけどメッ〇ールは知らないなぁ。でも、吐き出すほどではなかったような...
・ONE総里見八猫伝大蛇の章 第二二幕
 みさき先輩が天女ってのは、ナイス配役ですね。澪がみさきに違和感を感じるってのも、話を進める上で上手い伏線になってました。
・けっこう苦しいぞ!でもがんばるぞ!ONE猫!
 執筆がんばって下さ〜い。自分が出てくるの、楽しみにしてますからっ(これはプレッシャーか?(笑))。それから、感想ありがとうございました〜♪
・懐かしき日
 引き下がれないところまで来てしまった男の呟き、せつない想いがします。思い出が、美しければ美しいほどに辛いことなのでしょう。

もももさん
・浩平無用!in 絆 <11>
 あらら、マジで忘れられてるよ。でも、ちびみずかが心のオアシスのようで、ちょっとだけ救われた気がしました。

YOSHIさん
・感想SS〜バレンタインにて〜
 詩子のチョコ、恐るべしっ!確かに彼女はシナリオでも料理してないですから、その力は未知数ですよね。

幸せのおとしごさん
・星に願いを2
 戦場の後部座席、ダブル肘鉄食らった七瀬が笑えました〜。あと、1人ラブラブモードに入っている茜がいつも以上に詩子につれないですね(笑)。

TOMさん
・超人バロムONE 第一話(前編)
 SSコーナーデビュー、おめでとうございます〜♪バロム1の設定を美味く利用してますね。ここでも長森が黒幕になってるってのが一番笑えました。

天王寺澪さん
・NEURO−ONE 23
 確かに長い(笑)。でも、タワーの中でゆっくりとしていた分だけ、どど〜っと展開したって感じですね。そして、争いの概念という重いテーマを、このキャラ達でやってしまうトコロに感心してしまいました。
 あと、長森から与えられた力の凄さにはもう脱帽ですね。この力と互角以上に戦える力を相手(高槻)は持ってるのでしょうか?と心配しちゃうくらいです。

パルさん
・3年目のバレンタイン
 3度目にして、まともなバレンタインですからね。この日にかける七瀬の想いは、相当なものがあったでしょう。そしてついに浩平も『留美』って呼ぶ...ああっ!これぞラブラブですっ!

はにゃまろさん
・永遠紀行
 はじめましてっ。こっ、この雰囲気は、茜も消えて浩平も消えて...みさおも消えてて...だぁ〜理解力なさすぎっ!ってなワケで楽しませていただきます〜。

PELSONAさん
・IRON MAIDEN
 いろんなネタ満載ですね〜。とりあえず、『七瀬さんって、強いんだね。』って言っておくよ(みさき先輩風に)。でもやはり最後はそうきますか...(笑)。
・欧米風で行こう
 流石、インターナショナル浩平あ〜んどシュンっ!って君達あやしすぎーーーーーっ(笑)!会話だけでも十分楽しめましたよっ。
・はっぴー・ばれんたいん
 あったかな感じがして、よかったですよ。ちなみに雪ちゃん以外は浩平狙い?羨ましすぎるヤツだなぁ。
・バレンタインとはなんたるか
 男なんてそんなもの〜♪貰えるものなら下さいな〜♪中崎っ、博学だねぇ。でも、あんまり役に立たないよ、それ(笑)。
・アイ フォー ユー
 こうして作ったチョコレート、見てくれが悪くたって、こもってる想いの強さが違いますよね。これが恋する乙女ってやつですか〜。5連続カキコお疲れ様でした。自分には真似できませんっ!

WILYOUさん
・隣林檎
 南と七瀬、この組み合わせでこの話、上手すぎですっ!第三者的に見た不器用七瀬の魅力が溢れ出してるって感じがしました。

やっぱりバレンタインは明るいネタがいいですよねっ!
そんなSSが多くて、にやけながら楽しませていただきました(って言うか暗いのは自分の『君がくれた勇気編』だけだった)。

さて、最後に恒例のお知らせっ!
既に読んでいただいている方もおられるとは思いますが、『ほんわか日和』でもバレンタインSS『俺と茜の初デート』を公開しています。
まだの方は、こちらも読んでみてください。

じゃあ、まったね〜

http://village.infoweb.or.jp/~fwiv2654/index.htm