こんにちわっ、いけだものです。
またしても、タイトルから展開がバレバレのSSができましたぁ(笑)。
では、どうぞぉ。
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「へあっくしゅんっ!」
その朝、俺はくしゃみと共に目を覚ました。
と、同時に強烈な寒さを感じ思わず身震いする。
「うおぉっ、寒っ!」
再び布団にもぐり込みながら、何気なく見た枕もとの時計。
蛍光色で加工された時計の針は、信じがたい時間を示していた。
「...6時?...30分?」
何かの見間違いだと思い、もう一度時計を見る。
しかし、どう見ても時計の針は6時30分を指していた。
いつもより1時間以上も早い目覚め。
強烈な寒さのせいとは言え、まさに不覚だった。
「2度寝ってのが、気持ちいいんだよな。」
俺は自分にそう言い聞かせ、貴重な睡眠時間を取り戻すために再び目を閉じる。
が...
「う〜、さ〜む〜い〜。」
とてもじゃないが眠れなかった。
布団をかぶってもなお、体の内側にまで侵食してくる強烈な寒さ。
それが眠気は完全に吹き飛ばしていた。
俺はのそっと布団から這い出し、窓に歩み寄る。
かしゃーっ。
「おおっ!」
おもむろにカーテンを開けると、窓の外には雪化粧をした街並みが広がっていた。
「雪か...どおりで寒いわけだ。」
ぼやきつつも、白銀の世界を食い入るように見つめる俺。
ここまで見事に雪が積もるのは、いつ以来のことだろうか。
少なくともここ数年は見ていない景色。
そして、こんな寒さの厳しい日には、決まって何かがあったような気がした。
「なんだっけ?」
寝起きのぼーっとした頭を徐々に回転させる。
考えること数分...
「...ん。」
あることを思い出した俺は、手短に必要な荷物をかき集め、かばんを背負って部屋を出た。
〜 数分後 〜
俺はとある家の前に来ていた。
ピンポーン、ピンポーン。
「は〜い、どちら様?」
「おはようございます、折原ですけど。」
ドアが開き、人の良さそうな女性が姿を見せる。
そう、長森のお母さんだ。
「あら浩平くん、瑞佳を迎えに来てくれるなんて珍しいじゃない。」
「ははっ、そうですね。」
「いったいどういう風の吹き回しかしら?」
「今日は長森、なかなか起きれないんじゃないかって思ったんで。」
その言葉を聞き、感心したような目で俺を見つめるおばさん。
「へえ、流石は幼なじみねぇ。瑞佳ったら、いまだにこんな日は昔から寝起きが悪いのよね。」
「じゃあ俺、起こしてきますよ。」
「ふふっ、そうしてもらえるかしら、瑞佳も驚くでしょうし。」
「おじゃましま〜す。」
意味ありげに笑うおばさんの了解を得ると、長森の部屋へ向かうべく階段を上っていった。
〜 長森の部屋 〜
カシャーッ!
カーテンが引かれる音が聞こえ、同時にまばゆい陽光が閉じた瞼の裏を刺してくる。
お母さん?
お母さんが起こしに来たってことは、もう時間がないってことだよね...でもこう寒いと布団から出たくないんだよぉ。
光を避けるように、もぞもぞと頭を布団に潜り込ませる。
「ほらっ、起きろよーっ!」
え?男の人の声?
お父さんはもう会社に出かけてるはずだし...誰?
がばぁっ!
あれこれ考えていると、いきなり掛け布団が剥ぎ取られる。
「にゃ〜」
「ふぎゃ〜」
「みゃ〜」
驚いてベッドから飛び出していく猫たち。
「寒いよぉっ!」
暖かな布団と猫を奪われて、思わず声てしまう。
「長森〜、可愛いパジャマ着て寝てんだなぁ。」
この声...『長森』って呼び方...まさか!?
私は跳び起きて声の方を見る。
そこには、にやにやと笑っている浩平がいた。
寝顔を見られちゃった...
火が付いたみたいに顔が熱くなってくる。
「こ、浩平っ、ど、どうして私の部屋にいるんだよっ!」
「どうしてって、いつも起こしに来てやってるだろ?」
「いつも起こしに行ってるのは私だよっ!」
私がむきになるのを見て、ますます嬉しそうな顔をする浩平。
「長森、それは夢の話だぞ。本当にお前は毎日俺に起こされてるんだ。」
はぁ、こうなったら何を言っても私の負けだよ。
「浩平く〜ん、よかったら朝ご飯食べていってね〜。」
私がどうにか落ち着いたころ、1階からお母さんの声が聞こえてきた。
「どうもすみませ〜ん。じゃあ、遠慮なくいただきま〜す。」
廊下に向かってそう応える浩平。
「って訳で、俺は先に下に行ってるからな。さっさと着替えて下りてこいよ。」
そんな言葉を添えて私に制服をわたすと、浩平は早々と部屋から出ていった。
ぱたん
閉められたドアを見つめて、私はへなへなとベッドにへたり込む。
「はぁ〜、めちゃくちゃびっくりしたよぉ。」
急速に身体に満ちてくる脱力感...
私は仰向けに寝転がるように姿勢を変えると、しばらく天井を見つめていた。
たったったったったっ...
「なあ長森、何で俺達走ってるんだ?」
「遅刻しそうだからだよっ。」
たったったったったっ...
「何で遅刻しそうなんだ?今日は早起きしたはずなんだけどな。」
「今日は私が悪いんだよっ!浩平が家に来てるって思ったら、気が抜けて2度寝しちゃったんだもん!」
たったったったったっ...
「それにしても、雪の日に長森は布団で丸くなるとは、良く言ったもんだよなぁ。」
「そんなこと言わないもんっ!それを言うなら、猫はコタツで丸くなるだよっ!」
結局、今日も仲良く学校までマラソンをするはめになった2人であった。
・・・・・ おしまい ・・・・・
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最後までお付き合い、ありがとうございましたっ。
猫はコ〜タツで丸くなる〜♪って童謡、昔よく聞きませんでしたか?
『猫と言えば長森』なんて単純な連想から書いたSSです。
いつも起こされてばかりの浩平ですから、たまにはこんなことがあっても良いんじゃないかと思います。
しかも、久々にほのぼのムードのSSが書けたから良かったっ♪
それにしても『雪の降った朝は...』ってタイトルいつまで続くんだろう?(←自問すんなよっ!)
それでは、今朝の雫さんのまでの感想いっきま〜す。
まてつやさん
・〜光と闇〜<リニューアル>
久しぶりに読み返すことになったけど、心理描写も上手いし、流れも良いですよね〜。でも、やっぱり思うのは『普通』ってことの難しさなんだよね〜。
・マーメイド
あ〜あ〜、らぶらぶだぁ〜よ〜、こう言うの好きですっ。『人魚姫よりも何倍も幸せなの』なんて可愛くセリフ...人魚姫と澪を重ねるって発想が見事ですっ。
もももさん
・浩平無用 in絆 <3>
いや〜。保険医の茜は良いですね〜。用事もないのに通っちゃいそうでね〜。それに比べて詩子の扱いは...あらら。
・浩平無用!in絆 <4>
電話のコール数で重要度を計るなんて、さっすが浩平のお母さんだな〜って思っちゃいましたぁ。留美ちゃんも大変ですね(笑)。あと、感想ありがとうございますっ。
・浩平無用!in絆 <5>
相変わらず詩子の扱いが...(笑)。それにしてもみさき先輩の胃袋はどうなってんだよ〜。でも駅弁屋は大歓びかもっ。
PELSONAさん
・隆山温泉旅行記 第一回
福引で温泉旅行っ、住井もついてるなぁ。女の子の調達は浩平に任せておけばOKだし、殿様状態みたいなもんですね。
・キロロ
で、七瀬は長森に代わって浩平を起こしに行くと...うん、見事につながってますねぇ。淡々と想いを綴るって展開は斬新だと思います。
ニュー偽善者Rさん
・ONE総里見八猫伝大蛇の章 第十三幕
長森を守ろうとした時の浩平の火事場のバカ力(?)は相変わらずですな〜。にしても易者は誰だろ?わかんないなぁ。
・感想とかSSとか告知とか(^^)
永遠の世界も考え様によっては幸せの世界になるのかな?もともとは望んでいた世界なんだしねぇ。
・ONE総里見八猫伝大蛇の章 第十四幕
浩平、着実に強くなってるって感じですね。それとも今回の妖怪が弱いのかな?と言うことで今回は戦闘シーンがちょっと淡白でしたねぇ。
・レスできないから告知
は〜い、連絡待ってま〜す♪
パルさん
・遠い空の向こうから 夕焼け2
みさおちゃん、みさき先輩にちゃんと謝ることができて良かったねっ。でも今度は深山先輩を驚かしちゃったってとこが上手いオチでした(笑)。それから、レスどうもでしたっ。
雫さん
・髭の困惑(後編)
お色気シーンから一転、またしても嗚呼勘違いの詩子が笑えますっ。ちょっと可愛そうにもなってきたかなぁ(でも笑)。あと、感想ありがとうございました〜。渡り鳥茜ちゃん、好きですっ!是非ジョイントをっ!
・呼び声 〜いざない〜
どこからともなく聞こえてくる呼び声、閉めていたはずなのに開いているカーテン、怖さを引き出す要素がうまいことちりばめられてますねぇ。
・呼び声 〜あやまち〜
ふむ〜、前回ラストの由起子さんの台詞が気になってたんですけど、このような展開になりましたか。不可抗力とは言え、辛い話ですね。
天ノ月紘姫さん
・川の流れに・・・(その7)
ついに詩子と決別っ!辛いよねぇ、悲しいよねぇ。でも、詩子のためとはいえ、茜ってなんて不器用なんだろうと思いました。
ここにあるよ?さん
・ONE〜輝く季節へ〜始まりその1〜4
ここにあるよ?さん恒例の纏めて再掲載ですねっ。ひとつリクエストですが、それぞれの後書きは消していただけたら嬉しいんですけど。
変身動物ポン太さん
・激突!! 第二章 (第四話)
ついに華穂さんが来たぁ〜っ!しかもタクシーでっ(笑)。そして強いっ!今後の更なる活躍を期待してます。
YOSHIさん
・はぐれ3匹【恋愛編】乙女ッチックごーいんぐまいうぇい!〜その4〜
黒幕はドッペル七瀬!?これはまったく予想外の展開でしたっ!デヴィル南とエンジェル南との間で揺れる南には笑えましたっ。
スライムさん
・上月家の食卓 (おやつ編) 第二幕
おおっ、チョコパにそんな前世があったとは...壮大なストーリーだっ(笑)。澪の『澪の影薄いの……(T_T)』ってのもそのとおりだし、笑えるな〜。
綾瀬 あいなさん
・奇跡へのプレリュード(前編)
初めまして〜。同棲は良く知らないんですけど、お年頃の女の子の話って感じが良いですね。後編も楽しみです。
天王寺澪さん
・NEURO−ONE 20
長森との再会、拍子抜けするほど穏やかでしたね(あ、悪い意味じゃないですよ)。今までのハードな展開から一変、この穏やかさが逆に恐い気も。
それからレスあんどHPへのご来場、ありがとうございましたっ。藤子不二雄6人説は、実際聞いたときに耳を疑いました(笑)。
いいんちょさん
・ななぴーをこき使おう(感想)
感想ありがと〜ございましたぁ。さあ、次回は予想のとおりかと(笑)。頼りになるのかっ、折原浩平っ!
・闘えっ!!七瀬改第4話その3
おおっ!再改造された広瀬とその取り巻きがめちゃ強いじゃんっ!戦闘シーンも2転3転、手に汗握る展開でしたね。
吉田樹さん
・伝えたいこと vol.4
後半のみさおとのエピソード、長森との会話に出てきた話をリメイクしたって感じでしたが、あれ、長森とみさおを混同していたってことも考えられますね。
それじゃあ今日はこのくらいでっ。
じゃあ、まったね〜http://village.infowb.or.jp/~fwiv2654/index.htm