俺と茜の学園祭(最終回) 投稿者: いけだもの
こんばんわ〜、いけだもので〜す。
前回の予告どおり、「俺と茜の学園祭」ついに最終回ですっ。
長かったなぁ...って、感慨にふけてる場合じゃないっ。
さあ、どうぞっ!!
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前回までのあらすじ
乙女焼き30個、30分以内になんとか食べ切ることができました。
七瀬さん達には申し訳ないですけど、これも勝負ですからね。
この賞金で、詩子に美味しいものでもご馳走してあげたいです。


いつもの公園...
ぽつりぽつりとともる街灯の灯かりが、辺りに幻想的な雰囲気を漂わせている。
落ち葉を躍らせる夜の風は冬の訪れを予感させるように冷たく、昼間の暖かさがまるで嘘のようだ。
「茜、寒くないか?」
「大丈夫です。」
「やっぱりジャンバー着てきて正解だったな。」
「はい。」


学園祭が終わった後、俺達は柚木を加えて俺の家で打ち上げパーティーをした。
たい焼き屋の売上で寿司とって、ビール飲んで、去年のクリスマスのときみたいに大騒ぎ...
散々盛り上がった挙げ句に酔いつぶれた詩子をタクシーに押し込めると、俺は茜と茜の家に向かった。
その途中...
「...寄り道、していきませんか?」
思いもよらない茜の提案。
明日は振替休日だし、茜の親に心配をかけない程度なら遅くなっても構わないか。
それに茜にしたって、酒の匂いをさせたたまま家に帰るのも気が引けるところがあるだろうからな。
「ああ、そうしようか。」
そんなワケで、俺達はこの公園へとやって来たのだ。


何をするでもなく、公園の中をぶらぶらと歩く2人。
なにげなく空を見上げると、頭上には満点の星空が広がっていた。
「...星が、綺麗ですね。」
「もうすぐ冬だからな。」
「あっ、流れ星...」
刹那、空の一角を光の尾を引いた星が駆け抜けて行く。
「願い事、3回唱えたか?」
「...消えるのが早すぎました。」
「そうか。」
「...はい。」

ぽふっ
胸に軽い衝撃。
「...浩平。」
視線を戻すと、茜が俺の胸に頭をつけ俯いていた。
「...」
突然の行動に、その真意が分からず呆然とする俺。
その体を抱きしめることも、声をかけることさえできない。
どくん、どくん
茜にも聞こえるんじゃないかと思うほどに鼓動が高まる。
「茜?」
やっと発することができた俺の言葉に応えるように、茜は続けた。
「...今日は、ありがとう。」
「はははっ、なに言ってんだ。」
「...嬉しかったから...浩平の気持ちが...本当に、嬉しかったから。」
そう囁いて、顔を上げる。
瞳にうっすらと涙を滲ませて、それでいて確かな笑顔。

その表情が、あの日、俺がこの世界に戻ってきた日にこの公園で俺を迎えてくれた茜の表情と重なって...
そして分かった。
届いたんだ、茜に。
学園祭を存分に楽しんでもらいたい...
それだけじゃない、残された高校生活を、茜にとってかけがえのないものにしてやりたい...
そんな、俺の思いが。

茜の顔を見つめ返す。
ほのかに赤く染まった頬と、健気に俺を見つめる潤んだ瞳。
愛しさが、心の底からこみ上げてくる。
「こんな時...」
「...普通は俯いてくれるものです...」
いつか聞いた台詞...
「ははっ、そう言えばそうだったよな。」
「...はい。」
俺はそっと茜を肩を抱き、その唇に顔をよせる。
茜も精一杯背伸びをするように顔を近づけ...

そして...

俺達は、これまでで最高に甘いくちづけを交わした。

・・・・・ おしまい ・・・・・

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はいっ、おそまつさまでした!

たかが(?)学園祭にしては、おおげさなラストになっちゃいました〜。
でも、自分としては書きたかったものが書けたって感じで満足してます。
約1ヶ月にわたり長々と続けてきましたが、読んでいてくださった方、感想くださった方、本当にありがとうございました。
次回作を書き込んだ時も、暖かい目で見てやってくださいねっ。


では、今朝の雫さんまでの感想いきま〜す。

吉田 樹さん
・ある少年は、優しい風に
 2人の別れのシーンも、みさおの台詞のおかげで希望はあったんだと再認識できましたよっ。ラストのみさおとの別れはせつないですねぇ。
・七瀬さんを救え!(沢口番外編・感想)
 これもある意味、七瀬救済SSかも。鉄パイプで串刺し...広瀬、直球勝負だねぇ。

もももさん
・変わりゆく存在
 おおっ、南が沢口に変わっていったのは自分たちの南いぢめのせいだったのか!(笑)悪かったよっ。でも茜に最後まで覚えてもらってて良かったねっ。

いちごうさん
・みあちゃんだいすき
 『誓いの宜』、こう言う事ってホントにありそうですよねっ。セロテープで直した誓約書を見せた後の台詞が「みゅっ、パズルゲーム♪」なんて、すっごくおちゃめでかつ救われますよね。

偽善者Zさん
・浩平犯科帳 番外編 第一話「みさきの選択」
 ぼた餅食べたいって悩んでるのって、みさき先輩らしいですね〜。それも夕方まで...思わず笑みがこぼれちゃいました。
・遠い蛍火-2-
 うぉっ、由依ちゃんの登場だ〜。しかも同じ旅館に泊まるとはハプニングの予感がぷんぷんですねっ。続きが楽しみだな〜。

将木我流さん
・七瀬さんの進め!オトメ大作戦!!(第2話)
 話がやけにSFチックな方向に行ってるな〜と思ったら、なるぼど夢オチでしたか。バトル・シーンの書き方、上手いですねっ。ぐんぐん読み進められましたよっ。
・七瀬さんの進め!オトメ大作戦!!(第3話)
 浩平の虐待(?)に耐える七瀬、けなげでした。でも、やはり地は簡単には直らないってことですね〜。七瀬、またがんばろうっ。

スライムベスさん
・隠れた想い 2
 すっごい、い〜ですっ!七瀬のことを意識し始めた浩平、恋の始まりってこんな感じなんだな〜って思えましたっ。

秀さん
・いつか見た夕日・・・(中編)
 もしもハンデがなくなったら相手にとって自分は必要がなくなるのではないか?ハンデがあるから今の2人があるんじゃないか?そんな事をつい考えてしまう...仕方がないことなのでしょうね。それにしても、続きが凄く気になる終わりかたです〜。

雫さん
・白い記憶 〜第一章〜
 ぬぉぉぉっ!衝撃の事実の発覚ですっ!甦る深山先輩の罪、ホントにすごい話になってきましたねっ。あと、みさき先輩の秘密を知った大福男の今後の動きにも注目ですっ。くっくっくっくっくっ。(笑)

あとアルルさん、注意ありがとうございました。

それにしても1日でこんなに書き込みが...みなさんのパワー、すごすぎですっ!
じゃあ、まったね〜