俺と茜の学園祭(その7) 投稿者: いけだもの
こんばんわ、いけだものです。
本日3回目の書きこみということで、お察しの方も多いかとは思いますが、今日はお休みでした。嬉しいねっ。
そんでもって、予定どおり、学園祭の当日に突入させることができました。
では、どうぞっ。
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前回までのあらすじ
この間の試食会、ちょっとしたハプニングもありましたけど、学園祭に出す『たい焼き』の中身は決まりました。
いよいよ今日は学園祭当日です。
楽しい一日になるといいですね。


今日は朝から良い天気、絶好の学園祭日和だ。
商店街の入り口で茜と待ち合わせ、学校へと向かう。
店の飾りやら、たい焼きの材料やら、荷物は結構な量になり、俺も茜も両手が塞がってしまうほどだった。
「いい天気で良かったですね。」
「ああ、本当だな。」
「たい焼き...売れるでしょうか?」
「大丈夫だって。味はバッチリだし、売り子も可愛いんだからな。」
「...」
ドンッ!
「うわっ!」
急に後ろから押され、倒れそうになる。
「おっとっとっと。」
なんとかバランスを取り、踏みとどまった。
「おいっ、茜っ、いきなり何するんだっ!」
「...照れくさくなるようなこと、言うからです。」
少しそっぽを向いて、でも微笑みながら答える茜。
「だって、本当のことだからな。」
「浩平ったら...」
照れまくる茜をからかっているうちに、俺達は学校に到着した。

ありがたいことに、店舗と器材は学校側が準備しておいてくれている。
俺達は昨日確認しておいた店舗に着くと、早速準備を始めた。
俺は店の名前を書いた暖簾を軒先に掛け、メニューを書いた短冊を保温ケースの前に貼りつける。
店の名前は『茜茶屋』。お茶は売ってないけどな。
メニューは2品、『和風たい焼き』と『チョコたい焼き』。値段は1個100円だ。
茜は懸命に材料の仕込みをしている。
俺も店の飾りつけが終わったところで、茜を手伝いにまわった。


1時間後...
準備もそこそこ進み、休憩をとっていた俺と茜の前に、1人の女生徒がやって来た。
「折原、里村さん、おはよ。」
「おはようございます、七瀬さん。」
「おっ、七瀬か。悪いけど、まだ準備中だぞ。」
俺の言葉に、七瀬はゆっくりと首を振る。
「私はお客じゃないわ。」
「じゃあ、何の用だ?」
「あなた達に宣戦布告をしに来たのよ。」
「宣戦布告?」
「そうだ折原っ!」
七瀬の後ろから、住井と南が飛び出してきた。
「今日、俺達もそこで『大判焼きを』売るのさ。」
住井が得意げな顔で、すぐ隣の店舗を指す。
「何?」
「正確には『乙女焼き』よ。」
そう言って、七瀬は俺になにやら丸いモノを投げてよこす。
「...」
「...」
それは、七瀬の似顔絵が焼き付けられた大判焼きだった。
「その『留美ちゃん焼印』は、私のハンドメイドよ。」
「ちなみに中の餡には最高級の国産小豆を使ってる。それを赤字覚悟の1個100円で売るんだ。味もコストパフォーマンスもお前等のたい焼きの比じゃないぜ。」
「そして企画でも負けん。『30分以内に30個を完食すれば賞金1万円』といったチャレンジ・イベントも行うのさ。」
「...」
「...」
「まあ、そう言うことだから、お互いにがんばりましょうね。ほーっほっほっほっほっほ。」
「くっくっくっくっくっ。」
「へっへっへっへっへっ。」
3人はベラベラと一方的に喋ると、高らかに笑いながら自分たちの店舗に戻って行った。

「...」
「...」
突然の出来事に、あっけに取られる俺と茜。
「何なんだ、あいつ等は?」
「さあ、何でしょうか。」
俺の手には、先ほど七瀬から受け取った『乙女焼き』が残されている。
「とりあえず、これ、食べてみるか。」
「はい。」
2つに割って、片方を茜に渡す。
はぐっ、もぐもぐもぐ...
ぱくっ、もぐもぐもぐ...
「普通の味だな。」
「何処に最高級の小豆を使ってるのか、分かりません。」
「ああ、七瀬だけで作ればもう少し美味く出来るんだろうけど、どうせ住井と南がちょっかい出してるんだろ。」
「その可能性は大きいです。」
「どうせ寄せ集めの3人だろうからな。」
「そうですね。」


「七瀬さ〜ん、少しは仕込みを手伝ってくれよ〜」
「何言ってんのよ、私はこの焼印を押すのが仕事なの。ほーっほっほっほっほっほ。」
「う〜ん、面子を間違えたか...しかし、七瀬さんは客寄せパンダとしては最適だしな。くっくっくっくっくっ。」
「住井く〜ん、何か言ったかしら〜?」
ぼかぼかぼかっ!
「くっ...いいパンチしてるぜ...」

・・・・・ つづく ・・・・・ 

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どもども、でしたっ。
3回連続でラブラブシーンを書いちゃったなぁ。
まあ、ラブラブシーンこそが、このシリーズの醍醐味なんですけどね...
書いてて照れるけどっ。
さぁて、勝負に燃え上がる七瀬組に対して相手にしてない浩平−茜組。
どうなる次回、まだ構想段階だぞっ!(遅い)

皆さんからいただきました感想、読み返しては、自分を奮い立たせてますっ。どうもありがとうございました。
では、感想ですっ。

偽善者Zさん
・浩平犯科帳 第二部 第五話「仁義屋浩平誕生」
 う〜ん、クサイ奴とは思ってましたが、久坂が浩平の親父の仇でしかもFARGOの手の者だったとは、びっくりですっ。これでFARGOと浩平の対決が、ますます白熱してきそうですね。

enilさん
・新たな身体 第2話
 バニ山バニ夫になってしまうとは(しかも自由自在に動けるなんて)、楽しすぎですぅ〜。語尾の『ぴょん』がこれまたきゅ〜とですっ。本当にどうやってサポートするんだろ?

さあ、明日からまた仕事か(がっくし)。
じゃあ、まったね〜。