俺と茜の学園祭(その3) 投稿者: いけだもの
こ〜んば〜んわ〜、いっけだもので〜す。
今日は楽しい金曜日ですね〜。
なんとか学園祭(その3)を書き上げることができましたっ。
では、どうぞっ。

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前回までのあらすじ
もうすぐ学園祭...
たい焼き屋さんをすることになりそうです。
「中身をアレンジなんかしてみたら、きっと楽しいよね。」
なんて詩子が言ってましたけど、私もそう思います。
せっかくですから、色々なたい焼きを作ってみたいです。


人影もまばらな早朝の学校...
1人の男子生徒が事務所を訪ねていた。
「これ、お願いします。」
事務のおばさんに1枚の紙を渡す。
「住井さんね...あら〜、ごめんなさい。たい焼き用の器材は昨日予約が入っちゃったのよ。」
「えっ?誰が予約したんですか?」
「え〜、誰だったかしら。あ、そうそう、あなたと同じクラスの折原って子よ。」
「い、いつの間に?」
予想外の名前に、驚きを隠せない男子生徒。
「昨日の夕方、電話で申し込みがあってねぇ。」
「...折原め、意外と抜け目のないヤツだったか。」
「どうします?」
「仕方がない、大判焼き用の器材はありますか?」
「ええ、そっちは大丈夫ですよ。」
「それじゃあ、そっちでお願いします。」
「いいのかい?」
「はい、で、場所ですけど、折原のすぐ隣がいいんですけど。」
「えぇ?あんた、そんな似たような物、隣同士で売ってどうするんだい?」
「いいんですよ、お・ね・え・さん。」
「まぁ、お姉さんなんて...おばさんをからかうもんじゃないよ。」
「いえいえ、お世辞じゃぁないですよ。くっくっくっ。」
いやらしい笑い声を残し、男子生徒は教室へと戻って行った。


「よっしゃ〜、なんとか間に合ったぞっ。」
キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン。
俺と長森が教室へ走り込むと同時にチャイムが鳴る。
「はぁ、はぁ、今日もぎりぎりだよ〜。」
「ぎりぎりだろうと余裕があろうと間に合えば同じだぞ、長森。」
「そんなわけないよっ。はぁ〜、帰って来たと思ったらこの調子だもん、たまにはゆっくり登校したいよ。」
なんて、相も変わらない会話をしながら席につく。

半年前、繋ぎ止めることも叶わずに崩れていった日常は、何事もなかったかのように再び俺の包み込んでいた。
恐る恐る訪ねた由起子さんの家に、少しだけ家具の変わった部屋と由起子さんからの書き置きが俺を待っていたことも...
翌日の朝には「いつものことだよ。」と言わんばかりに長森が俺を起こしに来たことも...
そして学校の教室にも俺の席があり、クラスメートや柚木が何の違和感もなく俺の存在を受け入れたことも...
何もかもがあまりにあっけなく、本当に元の世界に帰って来たのかと不安になるほどだった。

「茜、おはよっ。」
席に座りかけながら茜に声をかける。
ちなみに茜の席は俺の前、長森は俺の隣だ。
「おはようございます。浩平、長森さん。」
「里村さん、おはよ〜。」
「長森さん、いつも大変ですね。」
「そうなんだよ。たまには代わってくれないかな?」
「ばかっ、茜の家は方向が違うんだから、遠回りになるだろっ。」
「私だって、少し遠回りしてるんだよ。」
「お前はいいんだよっ。それに遠回りって言っても、ほんの少しじゃないか。」
「少しだって、遠回りは遠回りだよ。ねぇ、里村さん。」
「そうですね。」
「ほら、里村さんだってそう言ってるもん。」
「あ〜か〜ね〜、お前も長森の味方なのか〜。」
うらめしそうな視線で茜を見てやる。
「だって、本当のことですから。」
「そう言えば里村さん、今度の学園祭で浩平とたい焼き屋さんやるんだって?」
「はい、そうなんです。」
「きっと大変だよ。浩平ってば口ばっかりで手が動かないからねぇ。」
「人聞きの悪いこと言うなっ。」
「それで、こんなもの作ってみたんですけど...」
茜が机の中から可愛らしい紙製の箱を取り出す。
開けてみると、その中には一口大のホットケーキのようなものが10個ほど入っていた。
「あ〜、おいしそうだね。」
「本当だな。」
「食べてみますか?」
「いいのか?今日も朝飯食ってないから、ちょうどよかった。じゃあ遠慮なく...」
そう言って、その中の1つを取ろうとした瞬間、
「あっ、先生来たよっ。」
長森の声を聞いた茜は瞬時に正面に向き直り、俺の朝飯(?)の入った箱を机の中にしまい込む。
「茜...俺の、朝飯...」
「試食っていうのは、落ち着いてするものです。」
茜は俺の方をちらっと見て、小声で囁いた。


ぐ〜、ぎゅるるるる〜、ぎゅう〜。
「ちょっと浩平、うるさいよ。」
「仕方ないだろ、俺だって好きで鳴らせてる訳じゃない。」
ぐ〜、ぎゅるるるる〜、ぎゅう〜。

一瞬でも期待を持たされた俺の腹の虫は、1時間目の授業の間、人目をはばからず大合唱をし続けた。


・・・・・ まだつづく ・・・・・

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はい、どうもでした〜。

あぁ、たい焼きの中身に触れず終いになってしまったなぁ。
我ながら展開が遅すぎ〜。
このペースだと、いったい全何回になるんだろう?
学園祭のシーズンを通り越して冬になっちゃうよ〜。
まあ、気長に読んでくださいねっ。


昨日、1ヶ月ぶりくらいに旧&ネタばれ掲示板を覗いてみました。
SSコーナーで活躍してる方も、結構書き込みしてるんですね。すごいなあ。
自分は書くのが遅いんで、とても手がまわりませんっ。悲しいよお〜。

あとGARさん、忙しそうですけどSS書き上がるといいですね。お待ちしてますよっ。もしよかったら自分のSSの感想なんかも聞かせてください。


それから火消しの風さんの提案、ちょっと面白そうですね。
こんな感じでしょうか...

(今回のタイトル)始まりの朝

その日、めずらしく早起きした俺は長森とのんびり登校していた。
「やっぱり、のんびりと登校するのはいいもんだな。」
「本当だよ。これから毎日早起きしようね。」
「いや、ほぼ毎日走ってるからこそ、このありがたみが分かるんだ。だから俺は変わらないぞ。」
「そんなの、めちゃくちゃな理論だよっ。」
「そうか?」
「そうだよっ。はぁ〜、浩平ってば...あれっ?何か落ちてる。」
「ん?金か?」
「違うよっ。」
長森が少し先まで走って行き、それを拾い上げる。
「何が落ちてたんだ?」
「スケッチブック。」
「なにっ?ちょっと見せてみろ。」
長森の手からそれを奪い取る。
見覚えのあるスケッチブックだ...
裏返してみると、大きく『上月澪』と名前が書いてある。
「澪がスケッチブックを落とすなんて...」
喩えようのない不安が、ふつふつと俺の中に沸き上がっていた。

・・・・・ 誰か続けてね ・・・・・

ああっ、やっちまった〜。メインの話がぜんぜん進んでないのにっ。
軽〜く、流して下さいね〜。


最後に皆さん、たくさん感想、さんきゅ〜で〜す。
やっぱり茜の作るたい焼きを不安に思う方が多かったですねぇ。
まあ、自分には『モンブランご飯』なるものを書いた前科もあるしなぁ。
一応ヘンな食べ物で落とすことにはしないようにするつもりです〜。
では、感想に行きましょうかっ。

ここにあるよ?さん
・ゲームセンターONE!!1
 長森や七瀬まで授業をサボってゲーセンとは、よっぽど今日の授業は退屈なんでしょうねっ。何のゲームで盛り上がるのか、楽しみです。UFOキャッチャーですか?

スライム&メタルスライムさん
・Moonな日々−3−(前編)
 ジャ○ーズ系ときて、いか○や長介とは笑えました。それから浩平も女言葉が板について来たようですね。
・謎に迫る
 斬新なネタですねっ。確かに確立は低そうですが、こんなシチュエーションで戻ってきたら浩平はどうするのか?興味津々〜。

藤井勇気さん
・これもまた一つの日常2
 お母さん想いの繭がいいですねっ。読んでて気持ちいい話でした。第10回まであるとは、すごいですね。今後も楽しみです。
 それから抹茶味のたい焼き、参考にさせてもらいますっ。

偽善者Zさん
・浩平犯科帳 第一部 第十五話
 この展開はまったくの予想外でしたっ。う〜ん、続きがすっごく気になりますっ。
・永遠の園から
 ホト連再び...確かにお腹こわしそうです。
・永遠の園から2
 トマ連...こっちは賛同できるなぁ。

火消しの風&ブラック火消しの風さん
・涙を越えて NO.5
 「およばずながら、俺も手伝おう。(不真面目)」ってのが笑えました。それにしても、わら人形製造作業者募集...すごいバイトですっ。
・黒い心の炎 NO.1,2,3,7,8,9,10
 ブラック火消しの風さんの話、初めて読めました。ブラックの名のとおり(?)ヘヴィな話ですね。

しーどりーふさん
・感想だ ぽん!
 お祭りごとに詩子はつきものですからね、また登場する予定ですよっ。
 旧掲示板を見るかぎりでは、だいぶ吹っ切れたようですね。またがんばって下さい。

まてつやさん
・とても不自然な自然
 結ばれてみて、初めて分かったこの気持ちってやつですねっ。タイトルと話がすっごくマッチしてます。


今日はハイテンシヨンだから、いっぱい書いちゃったよ〜。
じゃあ、まったね〜。