栗ごはん? 投稿者: いけだもの
こんばんは〜、いけだものですっ。
今回もまたまた季節モノです。
あっ!食事中の方は食べ終わってから読んでくださいねっ。
ではど〜ぞ。

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日曜日の昼下がり...
かちゃっ
ドアが開く音で俺は目を覚ました。
ベットに横になったままドアの方を見ると、心配そうな顔をした茜が立っていた。
「浩平、具合はどうですか?」
「なんだ、わざわざ見舞いに来てくれたのか?」
上半身を起こしながら答える。
「...はい。」
「ありがとうな。もうだいぶ回復したよ。」
「...よかった。」
俺の言葉に茜の表情がふっと和らいだ。


ことの発端は2日前...
上月山から採ってきた栗を茜の家に届けた俺は、その場でぶっ倒れてしまったらしい。
倒れた原因は背中の傷からの多量の出血。
その他にも肋骨が3本ほど折れているのと体中に重度の打撲があるのが医者の診断で確認されたとのことだ。
上月山でちょっとばかり子熊の兄弟と遊んできただけなのだが...


「『栗ごはん』を作ってきたんですけど、食べますか?」
「え?わざわざ作ってきてくれたのか?」
「...はい。それも特別バージョンです。」
「もちろんもらうよ。ちょうど腹もへってたとこだしな。」
「それじゃあ私はお茶を入れてきますから、食べていてください。」
茜はそう言うと蓋付きの丼を俺に渡して部屋を出ていった。

「やっぱり茜は優しいよな〜。特別バージョンって言ってたけど、どんなのかな?」
期待に胸を膨らませて俺は丼の蓋を開ける。
「...」
丼に盛られているモノを見て、俺は自分の目を疑った。
確か茜は「『栗ごはん』を作ってきた」と言っていたはずである。
しかし今、俺の目の前にあるモノは...

まず、ごはんが見あたらない。
そのかわり、淡い黄色をしたクリームのようなモノがうずたかく盛られている。
そして、そのてっぺんには栗が1個。

勇気を出してクリームのようなモノを口に入れてみる。
「...」
やはりクリームだ。
しかも栗の味がして、まったりと甘い。
まさか?と思いクリームを取ったところを見ると、下にごはんが入っているのが見えた。
「...」

「浩平、お茶が入りました。」
茜がお茶を持って部屋に戻ってきた。
「...」
「どうしましたか?」
「茜...これって『栗ごはん』か?」
「違いますか?」
「確かに『栗』と『ごはん』は使ってあるみたいだけど...」
「...」
「...」
「...」
「...」
茜は丼を持って呆然としている俺を「食べないんですか?せっかく作ったのに。」とでも言いたげな非難の視線で見つめている。
「食べないんですか?」
「うっ...」
「せっかく作ったのに...」
本当に言われてしまった。
「...」
「...」
「...」
「...」
「なあ、これって...『モンブランごはん』じゃないか?」
「特別バージョンですから...」
「...」
「...」
「...」
「...」
「う〜」
しばらく『モンブランごはん』を見つめていた俺は、意を決してそれを口の中へかき込んだ。
ばくばくばくっ...もぐもぐもぐ...ごっくん...
「ううっ...」
未体験の食感に涙が自然に溢れてくる。
ばくばくばくっ...もぐもぐもぐ...ごっくん...
一心不乱に『モンブランごはん』を食べる俺を見て、茜は満足そうに微笑んでいた。
ばくばくばくっ...もぐもぐもぐ...ごっくん...
「おいしそうですね...よかった。」
ばくばくばくっ...もぐもぐもぐ...ごっくん...
「そんなに慌てて食べなくても、おかわりはありますから。」
そう言って茜は俺に丼をもう1つ見せる。
ばくばくばくっ.........
あまりのショックに俺は『モンブランごはん』を口の中いっぱいに詰めこんだまま意識を失った。


「こっちは普通のですけど。」
「.........」
「あらっ?浩平?どうしたんですか?」


・・・・・おしまい・・・・・

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モンブラン、大好きです。
ごはん、大好きです。
モンブランごはん...試すことさえできません。

勇気のある方のチャレンジ報告お待ちしております。


さ〜て、気を取りなおして感想いきますっ。

ここにあるよ?さん
 意外な組み合わせがちらほらですね。タイトルは展開に合わせて変えたらいいと思いますよっ。

だよだよ星人さん
・感想DXプラスプラス
 『川名研究所』の方はシリーズ化めざして頭をしぼらせていただきます。
・好き好き郁未先生!
 男って単純で悲しい生き物ってことががよくわかりますね。しっとしてる長森が可愛いです。

akanebonさん
 みずか次はあかねですか(同じ方の作品と決めつけてます)、口は悪いけど言ってることは子供みたいでかわいいですね。

スライムさん
 う〜ん、深いですねぇ。まあそれはおいといて、やっぱりあれだけ甘いものを食べると太りますよね、気になりますよね、女の子ですから。

雫さん
 いや〜、笑わせていただきましたっ。目的のためなら手段を選ばない茜もすごいけど、それにハマっちゃうみんなもみんなですね。

WILYOUさん
 いちおう住井にとっておいしい方向に話が進んでますね。でもこのままうまくいくとは思えないし...後編楽しみですっ。

いちごうさん
 見間違うほどそっくりなのに噂にもならないなんて...さすが脇のまた脇役ですね。

11番目の猫さん
 むう〜、彼は好きだった人ですからね、突然帰ってきたら心が揺れて当然でしょう。ラストは自分には難しすぎです...
 話は変わりますが、やはり巫女さんスタイルは必要です。設定上は深山先輩がこのスタイルになってます。

よもすえさん
 南くん、名前だけならハマリ役ですね。早田、諸星、郷、北斗、光太郎...ウルトラマン・フリークにはたまりません。

ひろやんさん
 対話形式が新鮮ですね。「帰ってきたオレが聞いた、最初の、そして最後の椎名の言葉だった…」って言葉がすっごく気になりました。

偽善者Zさん
・浩平犯科帳 第一部 第十話
 お竜、予想はしてましたが手口も汚いなあ。でも、これはどの憎まれキャラも珍しいのではないでしょうか。 
・おでかけ!2
 七瀬は趣味でやってるんでしょうか?『ホト連』会員募集中ですか...自分は遠慮したいです。

GOMIMUSIさん
 みさき先輩、まとめ役がはまってます。う〜ん、2人はどうなってしまうのでしょうか。

KOHさん
 どうも女の子にはよくなつく猫のようですね。それにしてもみさき先輩の冗談が恐いです。

火消しの風さん
 住井伝授のギャグ...寒いです。

藤井勇気さん
 仕事をゲットできることをお祈りしてます。...このメッセージは届くのだろうか。

T.Kameさん
・浩平暗殺計画
 やはり浩平は妬まれてたんですね。南くんの同士はまた名前だけの脇役くんでしょうか?
・高根の花だよ...七瀬さん(中崎、男になれ)
 タイトル採用していただきまして光栄です(本当に良かったの?)。住井のメモを見て笑い合う2人...なんか画策してるんでしょうか?ちょっと恐いです。

まてつやさん
 怪盗ウルトラC子の間抜けさが笑えました。次回から茜の活躍が期待できそうで楽しみです。

ではまた〜