川の流れに・・・(その7) 投稿者: 天ノ月紘姫
詩子が・・・消える?
いや、違う・・・詩子という存在が消えるのではなく、詩子という人間が持つ存在感が消えつつあるのだ。
かつて、私もそうだった。
ひとり空き地であの人を待ちつつけたあの頃、私は気にもされない存在だった。
割と親しかったクラスの友達も、私に近づかなくなった。

だからかもしれない
浩平が私を救ってくれるような気がしたのは。
あの時、話しかけてきた浩平が・・・・・


「あれ?茜、こんなとこでどうしたの?。」
「・・・・待っていたんです、詩子を。」

朝、休み時間、昼休み、私は玄関に立っていた。
いつ来るかも知れない詩子を待っていた。
教室に入れないために

「詩子、お話があります。」
「な〜に?改まっちゃって・・・。」

「詩子、私ならもう大丈夫ですから・・・・もうここには来ないでください。」
「え〜?どうして〜?。茜のクラス、楽しくて好きなのに〜。」
「詩子!!!!。」

詩子が驚いている。
無理もない・・・私自身驚いているのだから。
こんな大声を出したのはおそらく初めて。
でも、言わなければならなかった。
この世界でたった一人の、大切な幼なじみのために・・・・

「・・・迷惑なんです・・・・。」
「ちょ・・・・どうしたの茜?。なにかあったの?」
「・・・何もありません。」
「おかしいよ、茜。いったいどうしちゃったのよ?。」

詩子が詰め寄ってくる。
心配してくれている・・・・痛いほどそれがわかる。
でも・・・・でも!


どんっ!


「あ・・・・。」

気が付いたら、突き飛ばしてしまっていた・・・・詩子を、大切な幼なじみを。

「あか・・・ね?。」

辛い・・・
でも・・・
これしかない
これしかないの・・・・

「もう・・・来ないでください。」

私は走った・・・いや、逃げ出した。
部室・・・かつて浩平がいた場所で私は泣いた。

「詩子・・・詩子!!!。」

涙は溢れ続けた。

(つづく)

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天ノ月紘姫です。
ちょっと間が空いちゃいましたね(^^;;
もっと早く書かねば・・・・

次回は早めに上げたいです(^^
では!

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