「・・・・・ん・・・・・・。」
茜はゆっくりと目を開ける。
見慣れた天井・・・・
心地よい布団の感触・・・
「私の・・・・部屋?。」
でも何故か体が重かった。
何か重石でも乗っているかのような・・・・・・
「あっ!茜。気が付いた?。」
「え?・・・・・。」
極めて至近距離からの声。
とっさにその方向を向く。
「おっはよ〜あっかねちゃん♪。」
・・・・詩子だった。
詩子が同じ布団に入り込んでいたのだ。
「いや〜久しぶりに茜の寝顔を鑑賞させてもらっちゃった〜♪。」
「・・・・趣味悪いです。」
「でも、かわいかったよ。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・も、もう冗談だってばぁ・・・・。」
「・・・・・詩子・・・。」
「ん?なに?。」
「・・・・重いです。」
「あ・・・・あはは・・・・ごめん。」
茜の体は、何か重石を乗せられたかのように重かった。
そう・・・・詩子が抱きついていたからだ。
「いや〜、寒かったからつい。」
笑顔の詩子。
だが、よく見ると唇は紫色に変色し、小刻みに震えている。
あの時、詩子も雨にうたれたのだ。
まだ3月、だいぶ暖かくなったとはいえ、雨は冷たい。
そんな状態で、必死で茜を助けようと尽力してくれたのだ。
「・・・・・・詩子・・・。」
「ふぁぁ・・・・・なんだか眠くなっちゃった・・・・・ってわけでおやすみー。」
「その前に離してください・・・・・・・・・詩子?。」
「すぅー・・・・・すぅー・・・・・・。」
茜の声より詩子が眠りに入る方が早かった。
「・・・・しかたりませんね・・・・。」
茜はあきらめて、自分も眠ることにした。
茜の心は不思議なほど落ち着いていた。
あの時・・・浩平が消えた時、あれほどまでに辛く、苦しかったというのに。
詩子に抱きしめられたときに感じた、あのあの暖かな力はいったいなんだったのだろうか?
しかしその力が、浩平の記憶を、茜を救ってくれたのだ。
「・・・・・ありがとう・・・詩子・・・・。」
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どうも天ノ月紘姫です。
川の流れに・・・その3です。
・・・・・なんだこの妖しい展開は(笑)
うーむ・・・・この先どうなるのやら・・・
相変わらず先のことはぜんぜん未定です。
ただ、『川』をイメージした語句を使っていきたいなーって思っているだけです。
川って、意識して見ないといつもおんなじで変わり映えしないようにみえるけど、時に濁ったり
水量が変化したり、また水の中では生き物たちがいたりといろいろですよね?
こーいうのって茜が望んでいた日常そのものかなーなんて考えてます。
今仕事中に書き込んでいるので、ちょっと感想は・・・ごめんね。