チェンジ!4.5.6【5章中編】 投稿者: WILYOU
すでにトランス状態に入り、商店街をぐるぐると回り続ける「だよもん」と化した
生徒達と先生含めて568人以上。そしてその先頭を繭が率いていく。
当面彼らが問題を起こすような様子はなく、といってもその解決策があるわけでも
なかったが、事態は特に悪い方向へ転がる様子はなかった。
ただ問題なのは、先頭を率いている人物の体が繭ではなく七瀬だという事だ。

「あら?七瀬さんの所のお嬢さん。元気ね〜。体育系の子だったのね」
「ほ〜んと、てっきり茶道部か、華道部にでも入ってるかと・・」
「おや?七瀬ちゃんっていつもうちに買い物に来てる子じゃないか、おやおや楽し
そうな顔しちゃって。全校生徒を率いてるなんてなかなかのもんじゃないか」
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「違う・・私じゃないのよ・・・・・・」
七瀬は反論することもできず、その場に泣き崩れていた。
「別にそんな気にするような事でもないだろ?」
こいつの中では体育会系ですら、乙女の定義に反しているのだろうか?
「そっちのおばさん達じゃなくて、こっちよ!」
七瀬は起きあがって、商店街の角の方を指さす。
そして俺がそっちを向くと、信じられないと言った顔で七瀬率いるだよもん軍団を
見つめる青い髪をした綺麗なマダムがいた。
「もしかしておまえのお母さんか?」
無言で頷く七瀬。なんだかみているとかわいそうになってくる。
そしてまた泣き崩れる七瀬をみて、俺はなにかしてやろうと、めずらしく善意を動
かした。
そしてそろそろとマダムに近寄って行く俺。
「あの〜。七瀬さんにのお母さんですよね、え?やっぱりそうなんですか。あ、初
めまして、僕七瀬さんのご学友の折原っていいます。ええ、席が後ろの、え?いつ
も娘が愚痴ってる?いやだなぁはははっ」
そして俺は本題へとはいる。
「え?なにをしているかって?そりゃあ『勝った物が真の乙女よ!私に勝てる筋力
と持久力を兼ね備えた乙女がいるならでてらっしゃい!大会』といって・・」

バリイィィィィィィンンンンッッッッッ!!!

突然向こうから飛んできたハンバーガーの看板が俺の耳元をかすめて、そばの店の
ショーウィンドウを撃破する。
・・・・・・・・・・・・・・・。
「大丈夫ですか?お怪我は?そうですかよかった。それじゃ俺はこれからちょっと
用がありますんで・・、え?娘にいっておきますって?結構いい人じゃないかっ
て?いゃあ照れるなぁ・・」
そして俺は話を途中で打ち切って、看板が一つ足りなくなっているファーストフー
ド店の前へ戻る。

バキィッ!

「殴られる理由の説明がまだされてないんだが・・・」
「自分の胸に手ぇあてて聞いて見ろボケッ!」
あいかわらず口の悪い奴である。
まあさっきのが当たらなかっただけでも良しとしようか・・。
「あれ?そういえば里村さんは?」
「え、茜?茜なら・・・・・・」
しかし、あたりを見渡してみても見あたらない。
「にしても本当にどこいったんだろうね・・・っておい」
首を巡らした七瀬が途中でその声を乙女らしからぬ下品なものにしたかと思うと
(地が出てるな)、その視線を一点で止める。
俺がそちらを向くと、さっきまで俺がいた商店街の角、そこにはもう七瀬ママはい
なく、そばのショーウィンドウが飛び込んできた看板によって割られている。そし
て・・・。
「なんで里村さんがショーウィンドウの中でぬいぐるみ抱きしめて座ってるの?」
そう、うんがいいのか悪いのか、七瀬が偶然(俺のせいだが)割ったショーウィン
ドウは、茜がほしがっていたぬいぐるみを展示してあった店であった。
大きなぬいぐるみに両手を回して抱きつき、顔を半分以上埋めている茜、ここから
ではよくみえないが、その表情が満面の笑顔であることははっきりと見える。そ
う、浩平と「あれ」を買いに行くCGでも満面とはいかなかった、奥ゆかしい茜
が、今満面の笑顔を浮かべているという事がどういうことであるか、みなさんなら
おわかりであろう。
「てこでも動きそうにないな・・ありゃあ・・」
そう言うが早いか、店のドアが開いて店員とおぼしき赤い制服を付けた若い男が出
てきて、茜に駆け寄る。
そして俺達もそれにならうと、二人のこんなやりとりが聞こえた。
「あの〜、とりあえずそれ離してもらえるかな」
「嫌です」
「そうはいってもそれ一応商品だからさぁ・・」
「やっと手に入れた私たち二人の絆を裂こうと言うんですか?」
そうしてキッと相手を見つめる。
・・・・・・・・目がマジだよ・・。
「なぁ。あ、茜・・。気持ちは分かるが離してやれ、な? ほら絆なら俺と作るっ
て選択肢もあるんだぜ」
すると茜は少し考えて口を開いた。
「両方取ります」
・・・・ま、まあ、「嫌です」と帰ってこなかっただけよしとしようか・・。
でも・・・・・・・・・。
ぬいぐるみと同じ、ぬいぐるみと同じ、ぬいぐるみとおんなじぃ・・・・。
「折原、町中で泣いてると格好悪いわよ」
しかし俺の頭の中はそればかりで七瀬の声など聞こえるはずもなかった。
「とにかく嫌です」
茜はきっぱりと断言する。
「あの、このままだと警察に連絡しなきゃいけないんだよお?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「ほら、里村さん。わたしたほうが・・・」
その時、茜は「拒否モード」に入った。

「あの・・」
おそるおそる店員が訊ねてみるが、
「嫌です」
「その・・」
「嫌です」
「こそあどの・・・」
「嫌っていったら嫌なんです」
というわけである。

こうなると、もはや誰も茜の指示を避けることはできない。まったく恐ろしい技で
ある。
「もーいいわ、折原、あたしたちの手にはおえないから、ほかって先行きま
しょ・・・」
「ああ・・・・・」
そうして俺達は非常に困っている店員を後に残してそこを立ち去った。
去り際に見た茜の表情は、よくはみえないものの、俺には恍惚とした笑みを浮かべ
ていたように見えたが・・。
・・・・・・・・・・・・・。
無視無視☆


それから俺達は商店街のメインストリートに出た。
ここは後もう少しでだよもん達が通りかかるコース。打つ手が無くなった俺達は、
住井も大丈夫だろうし、とにかく繭だけでも重責から解放してやろうと、ここで待
ち伏せなんぞをしているわけである。
「そういえば住井君こと猫ピーは?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「忘れてたわね・・・・」
「うん・・・・・・・・」
とはいえ、あの様子ならまず動けないだろう。
「まあ、まだグラウンドに転がっているんじゃないか?」
「口の周りなにか赤くなってたもんね」
おそらく走りながら吐血でもしていたのだろう。しかし俺達は気にならない、住井
という名前そのものが、俺達の心から慈悲と言う二文字を奪うのだ。
そうして二人で高らかに笑う。
だが、そんな平和(?)な時間も長くは続かなかった。そう、奴らが来たのだ。
商店街の向こうの角から飛び出してきた青い髪の見かけだけ美少女は、長めの髪を
揺らしながらこっちに近づいてきた。その顔には最初のような余裕はなく、疲れ
切っていたが、俺達の顔を見るとにっこり笑ってさらにスピードを上げてこっちに
走ってきた。
「よ〜し、こっちだ繭」
そして最後の宴が始まろうとしていた。



カシヤヤャャャァァァァァァァッッッッッ!!!!!!!!
スローモーションのように向こうへ飛んでいった猫耳カチューシャが、だよもん達
の前で、そんな音を立てながらバウンドする。
繭を保護して10秒後、完全に囲まれた状態で、俺は繭の頭に着いていたそれを取
ると、やつらの足下に投げつけてやったのだ。
「わかったか!最初から猫娘なんていないんだ!」
誤解して繭を追いかけないようにしっかりと言い聞かせてやる。
「みゅ〜」
えぐえぐと俺の胸に泣きついてくる七瀬こと中身が繭。俺は背中をぽんぽんと叩い
てやる。
「よ〜し、もう大丈夫だぞ、繭」
「みゅぅ〜」
そして事件は平和に終わる、はずだった。
しかし・・・・・・。
「ちょっ、折原!だよもん達が!」
七瀬の驚く声に俺が振り返ると、だよもん達が頭を抱えて苦しんでいた。
「なっ、どうしたお前らっ!」
『いままで信じてきた物に裏切られた気分なのもん』
すかさず澪の詳しい説明が入る。
「ああっ、あんたがあんなにきつく言うからっ!」
「そんなこと言ったってしょうがないだろ、いつかはいわなきゃなんなんないんだ
から!」
しっかし困った、一体どうすれば・・・・・・。
そして俺は試しにやってみる。
「は〜い。私、猫平☆ 茶色のお耳がキュートな17歳のコ・ネ・コちゃんよ☆」
さっきのカチューシャを付け、ウィンク、腰振り、流し目サービス付きである。
しかし・・・・・。
『イヤアアァァァァァァァァッッッッッッッッッッッッッッ!!!』
『もはや誰も信じられないのん』
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
そして彼らは迷走し始めた。
右へ左へ後ろの方へ、勝手気ままに赴くままに、自由奔放に動き回る彼ら。それま
で秩序だって行動していたから気にはならなかったが、500人という数は半端で
はない。そしてそれだけの数の生徒達がみな正気ではないのである。もはや商店街
は恐ろしいことになっていた。
「浩平の一発が彼らの心の琴線を全部断ち切ったようですね」
「つまりイかせた原因って事ね」
下を向いてしゃがみこみアスファルトの上に、「の」の字を書いている俺の耳に、
そんな言葉が届いた。


<そのころの長森>
「へぇ、先輩も猫好きなんですか」
「うん、暖かいよね」
「冬に恋しくなる動物ですね」
「はははっ」
どこまでも平和な二人だった。


しかしそう落ち込んでばかりもいられない。俺は七瀬と、とうとうぬいぐるみを5
000円でゲットした茜を引き連れて、かれらが迷走していった商店街の中心へと
向かった。
そして中心に立って、俺達はどこから手を付けた物かとあたりを見渡す。
が・・・・・・・・。

世界は壊れていた。



「はははははっまてまて〜☆」
近所の野良猫を追い回す男子生徒達。

「うらぁっ!私の牛乳が飲めないっちゅうんかい、ねーちゃん」
「はいっ!頂きますぅっ!」
何故か酒乱(?)な佐織ちゃん。
辺りにはどこからか奪ってきた牛乳パックが散乱している。

「僕とキミとはおっともだっち☆おっともだっち☆」
何故か猫達とラインダンスを踊っているシュン。

「ああっ!お客さん!そんな所に落書きしちゃだめですぅ!」
『うるさいの』
かきかき☆
「嫌ああぁぁぁっっっ!」
『目閉じるの』
かきかき☆
「お客さん、どうですか?今世紀最高のPCの使い心地は?」
『まあまあなの』
パチパチ☆(タイピング)
店の看板を「だよもん亭」に書き換えたり、通りがかりの通行人に猫髭を描いた
り、果てはネットに入って、あちこちのサーバーに「だよもん」の文字を色濃く残
してきたりする澪。
澪、ちょっとダークはいってないか・・・?。

「いいかぁ?猫というのは本来人にはなつかない動物でその生活たるや、わがもま
ま奔放、でもそんななかにもルールがあってだねぇ・・・」
「あの〜」
「お兄ちゃん?」
通りがかりの小学生にうんちくを語る南。

「芸術とはボルテージです!」
んなことをほざきながら、近くの八百屋で野菜に猫を刻みつける美術部員。

「ちょこ〜(幽霊な犬)、ちょっとがまんしてねぇ〜」
《わんわんわんっ!》
「ちがぅっ!今は猫なのっ!」
《わみゅ〜ん・・・・・》
呼び出した犬の幽霊を無理矢理猫顔に変える食堂の背景キャラ由依さん。

「演技は心だもんっ!」
生徒100人を相手取って、「模倣〜猫〜」を指導する深山部長。

「そして何匹もの猫と一緒に四つん這いになって向こうへ走って行く七瀬」
「私じゃないっ!」
「外観はお前だっ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
勝利っ!!!!!!!!!!!
って違った、問題なのは繭だ。
俺は空高く上げた握り拳を下ろす。
「て、どうして繭まで猫中毒におかされてるんだ?」
「乗りやすい性質ですから・・・・」
「もういやあぁぁぁぁぁぁっ・・・・」
そして涙をぼろぼろとこぼしながらも走る七瀬を先頭に、俺達は追撃を開始した。
言っておくが七瀬は速い。並の男子陸上選手ではとても太刀打ちできないほど速
い。俺達は必死で追いかけるものの、その距離は開いていく一方だった。
「駄目だっ、このままじゃ追いつけないぞっ!」
「っても追いつくしかないのよっ!」
七瀬がかぶりを振ると、そちらには俺達の行く先へ奇異の視線を向ける一般の奥様
方の姿や、あちこちの店の人の姿があった。
「ああぁっ、私結構ここの商店街使ってるのにっ!」
「明日からは『無神経にも商店街で猫走りする女七瀬』だな」
「絶対嫌よっ!」
と、七瀬がそう叫んだときだった。俺達の横をサ〜ッと走り抜けていく人影が一
つ。そいつは片手に何かを抱えているにもかかわらず、俺達に追いつくと併走し始
めた。
「南君?!」
そう、そいつは南だった。が、それはいつもの南ではなかった。
妙に晴れ晴れしい笑顔、光る八重歯に、風になびくヘア、そして何よりも異様だっ
たのが、その脇に抱えた女の子だった。
ちなみに猫がプリントされた上着を着ている幼女である。
「・・・・・・・・・・・・」
俺達が何も言えずに呆然と見つめていると。南はニッと笑い、さらにスピードを上
げて走っていってしまった。
「嫌〜・・・・・・」
小さくなっていく小さな女の子の声、というか悲鳴。
「あなたがMなら彼はRね☆」
「たのむ、あいつと同列視するのだけはやめてくれ・・」
こぼれる涙が、風に吹かれて顔を横向きにつたっていった。


そして走って追いつくことを断念した俺達は、そばにあったママチャリ(奥様自転
車)をぱくってシャコシャコと漕いでいた。
「見えたっ!」
七瀬の言う通り、およそ100メートル前方に数匹の猫と一緒になって走る青い髪
の女の子の姿が伺える。
「ラストスパ〜〜〜トぉ!!!!!!!!!!」
七瀬が気合い十分に、その速度をぐんっ、と上げる。
ちなみにいままで併走していた俺のままちゃりの速度メーター(何故ついているの
かは不明だが)は60k以上はいっている。
まさに乙女(の意地)といったところか。
「最後の薄っぺらいプライドに、必死になってしがみついているともいえますね」
こちらはただいまおれと二人乗り中の茜の台詞。
やはり彼女がいるとどうしても速度をこれ以上上げるわけにはいかないだろう。俺
はそのままの速度で繭を追った。
そして七瀬の方はというと繭の体ながらもなかなか頑張っている。あの小さな体で
大きなママチャリを巧みに操り、今や前方の繭に追いつこうとしていた。

キキキキキキキキキィィィィィィィィッ!!!

器用にもママチャリでタイヤを横滑りさせながら、繭達の前へ回り込み、停車する
七瀬。当然走っていた繭達は驚いて止まることとなる。
「珍しくうまくいったな」
「ええ、何故か浩平と七瀬さんのすることについては常に落とし穴が用意されてま
したから」
「俺としては自転車があのスピードで走中分解すると思っていたんだがな・・」
と、その時。俺の乗っている自転車の後ろの方でガコンッという音がした。
「浩平・・」
「何だ?」
「チェーンが外れたんですけど」
俺はブレーキをかけようとする、が・・。

バキッ

「ブレーキがおれた・・」
「・・・はい」

ガコンッ

「後輪がとれました」
「ああ・・・」

ガコガコンッ

「ライト、かご、ベル、その他多数の付属品が全部アスファルトの上に大きな音を
立てながら転がって行くぞ」
「詳しい説明ですね」

チャリンチャリンチャリン!

自転車の全てのねじが外れる。
「作者の陰謀ですね」
「間違いない・・・・」

ガコッ

「とうとう前輪がとれたか・・・」
「浩平、どうしてこの自転車走ってるんですか?」
・・・考えたくない。
アスファルトの上で激しくこすれる自転車の金属部分が盛んに火花を散らしている
ような気がするが、俺の目には何も見えていなかった。
後ろで何故か茜が十字をきるのがわかった。その瞬間。

ドシィィィィィィィンンンンッッッ!!!!

お約束のように、俺達はゴミの山に突っ込んでいた。
「・・・・・嫌です」
俺だって嫌だ。


<そのころの長森>
ガラッ
先輩が隣で寝てしまった放課後。不意に、力無く教室のドアが開く。
「住井君!」
そうそこに立っていたのはほかでもない、私が来ることを恐れていた人だった。
でも、その格好たるやボロベロ(注、長森はこんなこといいません)。猫の着ぐる
みはすでにぼろ切れと貸していた。
そして住井君は教室の真ん中に私の姿を見つけると、子供のようにふえぇぇぇん、
と泣きながら私の胸に飛び込んできた。
ひっくひっく・・・・・。
最初は驚きもしたけど、私も髪を撫でて上げる。
たぶん、辛いことがあったんだよね。きっと。
・・・・浩平がらみだとは思うけど。
よしよし。と私はさらに頭を撫でて上げる。
と、その時。住井君の嗚咽が不意に止まった。
「え?」
「・・・匂う・・」
「え?匂う?」
「匂う、確かに匂うし見えるぞぉっ!」
住井君はいきなり頭を上げると私からザザッと少し遠ざかる。
「ど、どうしたの?」
「匂うんだ、奴らの匂いが長森さんから・・・、見えるんだ、彼らのオーラ
がぁっ!!!!!」

そうして頭を抱えながらその場で悶絶する住井君。
「いや、なに?どうしちゃったんだよう!」
「・・・う〜ん、すぴすぴ」
先輩は深い眠りについている。
「駄目だっ!耐えられそうもない、ごめん長森さん!また明日!」
そうして住井君は立ち上がったかと思うと走り出す、でもその行く手を

ガラガラガラガラッ!!! ガシャアァンッッッ!!!

と、上から墜ちてきた鉄格子が阻む。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
上下左右を見渡して、住井君がどうやら状況をさとったらしかった。
「嫌だああぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!」
両手で鉄格子を握りしめて、嘆きながら咆哮する住井君。
「私だってそんな住井君嫌だよっ!」
「う〜ん、もう食べられない・・なんてことないよ・・フフッ」
先輩は何処までも平和な夢の中に、住井君は果てしない恐怖の中に、そして私はそ
んな二人の中に。
そうして私は誰もいない学校の教室で次の日の朝まで過ごすことになったのでし
た。

浩平〜。

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長くてマジにすいません(T T)
あと次回で絶対に終わります。ホンキです。
それと感想下さった方ありがとうございます☆
あと感想は次のに書かせていただきます。

http://web.pe.to/~sin/bbs3/mkboard2.cgi?youlane