郁美交響曲〜少年のいたずら〜 投稿者: WILYOU
☆始まりはふとしたことから

「何よこれっ!」
私こと天沢郁美は、そのベットにおいてあった「腸」がはみ出たような形になっているうさぎのぬいぐるみに対して怒鳴った。
「え〜と・・・」
後ろで彼こと「少年」が困ったような声を上げるのが聞こえる。
ここはA棟の私の部屋、これまでの訓練で疲れた頭を休めようとしたところに、これがおいてあったのだ。おそらくこれは、今の少年の言葉からもわかるように私へのプレゼントのつもりだったのだろう。確かにこの仲間とも離れた別棟で、他所うなりとも気遣ってくれる一がいることはありがたいことだ。そう、ありがたいことのはずなのだ。
しかし・・
「え〜と、じゃない。こんなのもらって喜ぶ奴なんていると思うの!」
ちょっときつめに、この常識がない少年をしかってやると彼はかなり困った顔をして頬をかいていた。

そしてその翌日

・第一作戦
「郁美、朝だよ」
彼の声が聞こえる。が、私はつかれていたので、なかなか起きれずに布団の下で微睡む。できればもう少し寝たいところだ。
「郁美〜」
むにゃむにゃ・・・・・・・・
「・・・・・」
ぐ〜・・・・・・・・・
・・・・しばしのタイムラグ・・
ウィ〜ン・・・・
ゴトンッゴトンッゴトンッ・・・・
なにか機械の動く音・・・・・

夢を見ていた。
それは楽しい学園生活の夢だ。
はるか、ゆい、彼女らにかこまれて過ごす楽しい、日溜まりのような日々だ。
朝、みんなに挨拶をかわして席に着くと退屈な授業が始まる。
昼、混雑する食堂で人をかき分けながら晴香達の席の方へと向かう。
放課後、今日のお仕事を終えて、開放感をみんなと共有する。
そんなちょっとした幸せ。
それはつらい現実の中で、許された唯一の安息だったのかもしれない。
いや、そうあるべきはずなのだ。
しかし・・・・・・・・・・・・・

「は〜っはっはっ、さぁみんな!このガスを吸ってラリろうじゃないか!、さあドッペル晴香!職員室を粉砕しろぉ! ちょこ使いのゆい、お前は全部の警備システムを壊すんだ!」

どぉ〜ん! メリメリッ!
ぶぃ〜ん(何かが震える音) パシュゥッ!(なにかが消失する音)

「さぁ、今日からここは僕たちのパラダイス! 夢のような学園生活だぁ!
大麻、覚醒剤、阿片からなにまでいっぱいあるぞぉ〜」
ちょっとまえにきた転校生がそんなこと叫びながら校内中を駆けめぐっていた。
少年である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
見ると平和なはずの学園が、昔の某上海(阿片で犯されてた)のようなピンク色の世界に変化している。

・・、・・、・・・・・・・・・・・・・・・・・〜〜
「嫌っ!」

ガバッ

私は目をぱっちり開いてそう叫びながら跳ね起きた。汗で服がぐっしょりぬれている。

はぁはぁ・・・

「・・・悪夢だったわ・・・・・」
そして、私は今だ荒い息をなんとかおさえると、私は着替えようとベッドから降りる。
と、その時。私の目に「簡易ミンメス装置」が目に入った。
それは私のベッドの横に置かれ、出力端子である変なものは私のベッドの下に入っている。
ちなみにそれが「簡易ミンメス装置」とわかったのは、そうでっかく、怪しいぐらいにピンクのふと文字で側面にかかれていたからである。
ミンメス・・人に決まった夢を見せる装置、ある意味夢をあやつる装置と言えないこともない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あたりをみわたすと案の定少年の姿はない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!
「あ、あ、あんた、これ使って私の夢に入ったわねええぇぇぇぇぇぇぇっ!」
そうして、私は大きく開かれたドアに向かって叫ぶのだった。


・第二作戦
目が覚めると、横には半裸の葉子さんが眠っていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
慌てて辺りを見渡すと、そこは私の部屋ではなく、通風口から覗いた葉子さんの部屋であることがわかる。
ちなみに私もほぼ半裸な状態で、葉子さんと同じベットに眠っているのである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おぃ。
とりあえず起こさないように・・・・・・
私はそっとベッドからでようとした、その時。

バンッ!!!

とてつもなく大きな音を立てて部屋のドアが開く。
私が驚いてそっちをみるとそこには少年が立っていた。
「い、郁美・・・・・・もしやとは思ったけど・・・」
「え?・・・って、ち、ち、違うのよこれは・・・」
「もしここにいてらどうしょうと思ってきたけど、まさか本当にここにいるなんてぇ!」
「だから何勘違いしてるのよ!」
しかし少年は聞く耳持たず、顔を両の手でふせると、泣き声で、
「郁美なんて不潔だぁ〜」
と言いながら走り去っていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・
あ、あの(ヤロー)〜。

とその時、
「郁美さん・・・・」
私が後ろを振り向くと、シーツをつかんで体を覆い、壁の所まで引き下がり、怯えた顔でこちらをみつめる葉子さんの姿があった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そのままお互いしばしみつめあっていると、葉子さんの方から前に口を開いた。
「ケダモノです」
なんか最近このネタ(郁美はレズ☆)多いんじゃあ・・・
私は心の中で涙した。


第三作戦
昼、いつものように葉子さんと昼御飯を食べていると、かじったエビフライの衣の中に変な感触を受けた。
吐き出して見ると、中には小エビ(お好み焼きなどにかかっている奴)が圧縮されまくって詰まっている。
「何よこれっ!」
「エビフライです」
みると向かいの葉子さんは平気でそれを食べている。
・・・・・・・・・・・・・・
「違うんですか?」
「いや、こんなの初めてだったから・・」
「ここでは2回に1回はこのエビフライですけど」
おぃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そしてその時、私はふとあることに思い当たった。
エビフライをここまで勘違いして作れる奴、それはやはり・・
私はいつも料理の出される戸棚の所までいくと、戸を開けて、その向こうの戸をけりでぶち破る。
「うわっ」
そしてその向こうには、そんな声を上げるピンクのエプロン姿の少年がいた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・(互いに見つめ合う)
「いやん♪」
・・
「やっぱりあんたかあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


・そしてその夜
「とまあ、ちょっとした復讐だよ」
「私が悪かったわ・・」
私は素直に謝った。
しかし、第三作戦の方は本当にわざとなのだろうか?
「気にしないことだよ♪」
「素でやってたわね・・・・」
                おわり
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あっちの掲示板に感想を書いてたんですが、帯にながしたすきに短し、な状態だったので、まにあわせの短編とあわせてこちらに書かせていただきます。
急いで書いたので不燃ショウですいません(^^;
あとMOONオンリーですいません(汗)。
>感想
>いけだものさん
抹茶味♪いけそうですね。腹が減っているせいか話にひきこまれていってしまいました(笑) まあ、それはともあれ、みさき先輩の50個は凄いです(^^;
流石といった感じですね★ 七瀬の呼び込みもナイスです。

>藤井勇気さん
おお♪葉子さん♪*3 いいねぇ〜エビフライ(笑) 茜のチョコなんかよすぎです。 由比・・・MOONのキャラがでてますねぇ☆
それにしても「>二度と表に出られないような、すんごい内容になりますよ?」
とはなかなかですな( ̄▽ ̄)

>神野龍牙さん
もっかい感想いきます。 成長した澪とその昔の友達との偶然の出会い。
いいです。なにかこうほわ〜とした感じにさせられます。こんなSSを書いてみたいです。成長した澪もいいですね(爆)

>スライムさん
シリアスなんですが、茜の「嫌です」はいいですね(^^)
えっと、それはともかく、「声」の相手を言いなりにさせていく不気味さがでててよかったです。茜の過去を探っていく所も、おお、と思いました。茜も辛い過去をもってたんですよねぇ、MOONの世界の中においても不自然さがないです(^^;

>T.Kameさん
ん〜、ばっちりです。ちゃんとシリアスです。
それにしても大人な澪、置換でつかまった沢口となかなか所々に人物名、あやしい宗教団体などなどがちりばめられていておもしろいです。
それにしても他人を装って歩く二人とは、いいとこついてきますね。

>ここにあるよ?さん
>ゲームセンターONE!!4
ユーフオーキャッチャー、いいですね。みんなあつくなってます。
あとバーチャロンの説明がよかったです。こんどいったらやってみます。
>遊園地その2
茜が高いところ好きとは、本編中でもそうでしたが意外性をついてくるというか、ちょっとした謎が多いキャラというか、さすがは茜と言った感じです(^^)
お化け屋敷ですか、どんなリアクションをとってくれるか楽しみです。

>まてつやさん
そうかぁ〜七瀬は○○だったのかぁ〜(違爆)
勘違いといい、茜のつっこみといい、七瀬の資金調達ルートといい笑わせてもらいました。それと意識していくというのもいいですね(各爆)

>Nさん
凄いっす。澪がまっていたことを知ったときの浩平のとった態度、大人の言葉、などなどといった「子供」について本当にリアルにかかれていて、おお〜、そういやこんなことしてたな、と幼少時代を振り返ってしまいました(^^; あとそれぞれのキャラの心情に重みがあります。

>偽善者Zさん
俺もわさびは嫌です(爆)それにしてもちびみずかの口からその言葉がでてくるのはいいですね(笑)

えっと、SSをかいてる方々の後記やネタ募集などに使ってる掲示板があるんですけど、よろしければどうぞ ↓

http://web.pe.to/~sin/bbs3/gagaga/youlane.html