チェンジ!(最初編) 投稿者: WIL YOU
前編です。オールONEです。

では、どうぞ〜♪
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「よっ、浩平、おはよ」
登校中、後ろから軽くヘッドロックをかけられた。
「とっ、おお、住井。おはよ。なんか、ごきげんだな」
「わかるか?」
「そんな、顔してたらな。で?」
「いや、前々から研究していた理論が立証されたんだよ。昨日」
「・・・・・・・・・・なんか、よくわからんが。変なものじゃないよな」
なんとなく、怪しいものを感じる。気のせいだといいが・・・
「ま、ためしてからの・・・・って、時間!」
「っと、やばい! 俺先行くわ。またな!」
「だから、同じクラスだっちゅーに!」

そんないつものやりとりを交わしつつ。俺達は何とか時間通りに自分達のクラス
にたどり着いた。
そして、すぐに髭が現れ、ショートが始まり、そのあと一時間目が始まる。
「で、今朝言っていた。理論というのは?」
俺はこっそりと住井に話しかけた。
「アセトニトロによる。神体交換の基礎理論だ」
「????????????????」
いまいちわからない。 
というか、さっぱりわからない。
「論より証拠。ほれ、これを飲んでみろ」
そういって、住井が俺の方に紫色の液体の入った試験管(ゴム栓付き)を手渡し
てきた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺は、しばらくそれを見つめたあと。手紙付きで、それを南の席にまわしてやる。
その間。住井は次に先生に当てられる所を一生懸命、勉強していた。
そして、人づてに南のもとに届く。
「(なんだこれは?)」
南はしばらくそれを見つめたあと。ノートにそうでかでかと書いて。俺に見せた。
う〜ん、やはり、「飲んでみろ」と書いたのは。怪しさばればれだったか。
「(新発売の栄養ドリンクだ)」
俺も、そうノートに書いて見せてやる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
南は、しばらく紫色のいかにも毒々しい液体を見つめたあと。
「(絶対嘘ついてるだろ)」
なかなか、信用してもらえないようだ。う〜ん。そうだ。
「(七瀬も、太鼓判を押したやつだ。だいじょうぶだって)」
嘘八百書いてやる。
「(・・・わかった。けど、不味かったら後で昼飯おごれよ)」
そう言って、(いや、書いて)南はその試験管のゴム栓をとった。
俺達の筆談を見ていたクラスの後ろの方の奴らも、じっと、南の動作を見守って
いる。
そして、震える手を口に持っていき・・・・
 飲んだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ぐおぅおぅゃぉややおうおうおうっ、ぱぐしゃあぁぁぁっ」
う〜ん、予想通りだ。
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そのあと、南は病院に運ばれて息を引き取りかけた。

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2nd

4時間目終了時
「浩平、あれはないよ」
スパゲッチミートソースをむさぼる俺の横に、ため息混じりでつぶやく、長森が
トレイを置いてこしかけた。
「ふあにがはっ(なにがだ?)」
一応、知らないふりをしておく。
「なにがじゃないよう。見てたんだからね。南君、かわいそうだよ」
「っても、あいつが勝手に叫び声あげて、変な踊りを踊ったあげく、教卓に自分
から突っ込んでいったんじゃないか。目の前の机を投げ飛ばしながら」
ため息をつく長森。
「あれは壮観だったな」
「浩平が飲ませた。あの、変な薬のせいじゃない!」
「ん、なんのことやら」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「もう、いいもん 知らないんだもん」
そういつてふてくされたように自分のもってきたカレーを食べる長森。
何が、知らないのかは知らないが。
俺も、自分のスパゲッティを食べはじめる。
スパを口に入れ、2,3回噛んでから。コップの水をごぶごふと・・・・

ごぶごぶと・・・

なんか、変な味のする水だ。
「住井君が、浩平に反省の余地がないんだったら。これ混ぜてやれって。変な味
がするから、少しは南の受けた苦しみがわかるだろうって。お仕置きだよ。浩平」
そういって、長森は手の中の試験管を振ってみせた。
紫の液体の入った。

 げ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「まったく、友人を死の淵に追いやっておきながら、自分はこんなとこで、のう
のうと飯くってんだからな。 お仕置きだ」
テーブルの向こう側で、住井がうれしそうな、本当にうれしそうな顔でそうぬか
しやがった。

はめられた。住井なんぞにはめられてしまった。

すぐに、目の前が真っ暗になる。
体が、落下していく感じ。イスから落ちているのだろう。
「浩平・・・・・・・・」
長森のあわてた声が聞こえる。今頃は何を飲ませたのか気がついているだろう。
まったく、あれを見て毒だと気づかないか?普通・・・・・・・・・

そして、最後にうっすらと目を開くと、食堂に入ってきた七瀬と目があった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、完全にブラックアウト。

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3
俺は目を開いた。
天井、よこを見ると、心配そうな顔をした長森・・・・・・・
ではなく、そんな顔をした男どもだった。
長森じゃないのか・・・・・・・
そう、長森のことを思ったとき。おれは食堂での出来事を思い出した。
そうだ。あの液体を飲んだ後。
俺はどうなったんだ。
「いったい・・」
体を起こそうとすると、あわてた様子で手近にいた男、クラスメートが止めに入
った。
「だめだよ、まだ寝てなくちゃ」
だめ・・・だよ・・気色悪い。いったい何の冗談た゛。
「そうだよ。あと、1時間しか授業ないから。今日は休んでなよ」
「ほらほら、あんた達。もう授業始まるよ」
保健室のせんせらしき人が奥からでてきて、群がる男どもにそう言った。
『へ〜い』
そう返事をして。保健室から出ていく男ども、むさい光景だ。
それにしても、後一時間という事は、今は5時間目後の休み時間か・・・
「いったい・・・あのあと・・・」
そう、無意識のうちにつぶやくと、保健室の先生がこっちを向いて言ってきた。
「食堂で倒れたっていってたけど」
「ほか・・には・・・」
「いや、それだけだけど・・・」
怪訝そうな表情の先生。 よかった、南の時のような発作はおきなかったようだ。
「それじゃあ、また後で来るから」
入り口付近で男どもが手を振っていた。
「またね。七瀬さん」
七瀬・・・、あいつもここにいるのか?
「あ、起きた。大丈夫?」
入り口とは反対側から、長森の声が聞こえた。
なんだ。こっちにいたのか・・・・・・
と、俺がそっちを向くと、もう一つベットの方を向いて長森が一生懸命
話しかけていた。
「おい、長森・・」
何、やってんだよ。 そう、言ってやろうとしたときだった。
なにか、自分の声に違和感を感じた。
自分の声ではない。そんな感じだ。
「え、なな、せ、さん?」
長森がひどくとまどった声で、そんなことをいいながら振り返った。
七瀬? 男どもと同じ事を言いやがる。
「七瀬?なにいってんだ。お前?」
「えっえっ」
さらに戸惑う長森。
「ほら、あんたも、遅れるよ」
「あ、はい・・・そ、それじゃあ・・・」
先生にそんなことを言われて、戸惑いながらも部屋を出ていく長森。いったい、
どうなってるんだ?
そんなことを思いながら身を起こし、後ろを、つまり、もう一つのベットの方を
振り向いたときだった。

そこには毎朝おなじみの。世に二つとない薄幸の美少年の顔があった。
つまり、俺の顔だ(これがいいたかった)。
そんなことはどうでもいい、いったいどうして。
もしかして!
おれはあわてて自分の体を見渡した。青い流れるような髪。黄色い制服。そして、
掛けられた布団から、少しはみ出ているチェックのスカート。

・・・・・・・七瀬だ。七瀬の体だ・・・・・・・・・・

ためしに、胸をさわってみる。
うん、たしかにある。本物だ。
「やめんかぼけええぇぇぇっ!」

スカコーン!

俺の、いや、俺の頭に銀色のトレイの角があたった。
見ると、薄幸の美少年が、こつちを睨んでいた。
「おいおい、ちょっと、出かけてくるけど。喧嘩するんじゃないよ」
そんなことを言って、保険の先生は部屋を出ていった。

「やっぱり七瀬か」
「そうよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「やっぱり、自分の体でそうしゃべられると嫌なものだな」
「同感」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あたし、こーへい。あら、ナナピー。どうやら、体が入れかわつちゃったよ
うね♪」
「んなしゃべりかたしてないわああぁぁぁっ!」

スカコ゛ーン

消毒された綿入りの瓶が俺の頭にあたる。
「ちょっと、あたしの頭なんだから大切にあつかってよね」
「お前かやったんだろ!」
「避けなさいよっ、それぐらい!」
「できるかっ!」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
「互いにいらついてるようね」
「ああ」
「よっ、大変そうだな。お二人さん」
いきなり二人の間に住井が現れた。
「住井君」
「すみい!きさま〜!」
俺は住井の襟をつかんでカックンカックンと、前後に振った。
「ま、まて、もとに、戻る方法、をききた、くないのか、あ」
俺は揺するのをやめた。
「なに、住井君なの、張本人は?」
「ああ。そういえばなんで、南はくるったんだ?」
「お前向けにつくった薬だったからな。あわないのは当然だろ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「てめぇ、最初から俺を実験台にするつもりで・・・・・」
「まあな、っと、もとに戻りたくないのか浩平!」
俺は上に持ち上げたパイプイスをしたにおろした。
元に戻ったらまず、こいつを殺さねば。そう、心にちかって。
「で?」
「戻る方法ってのは」
「あと。18時間だ」

俺と七瀬のダブルキックから、スクリュードライバーまでの連続技が住井に綺麗
にきまった。
ちゃんと、救急車も呼んで置いたから大事には至らないだろう。
まったくあいつは・・・・・・・・
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4
 校門の外、結局二人は早引きすることにしたのだった。
「で、これからどうする」
帰りながら話す。
「どうするも、帰って18時間寝てましょ。あ、お風呂とかトイレは禁止だか
らね」
「できるかな・・・・」
「やるのよ。いい」
顔をこっちに迫らせてくる。
「は、はい・・・・」
つい迫力にけをされてしまう。
「さてと、それじゃあ。」
「援交でも・・・・・・」

トンッ・・・・・・・・・・・・・

「うおおおおおおぉぉぉっ!」
電車にはねとばされるとこだった。
「てめぇ、マジであぶねぇだろうが! 線路に突き飛ばすのはやめい!」
すると七瀬はくるりと振り向いて言った。
「ざけたこと、ぬかしてっからだよ。こら」
・・・・・・・・・・・・・こ、怖い・・マジだこいつ・・・・・・・・
「ううっ、悪かった」
俺は生涯で初めて素直に謝った。
「あ、そうえばあたし、佐織さん達にティーパーティに呼ばれてたんだ」
突然七瀬が思い出したように言った。
「断れ」
「駄目よ。絶対に断れない状態に有るんだから」
「そのまま行って来い。喜ばれるぞ、たちまちゲスト扱いだ」
「ならんわっ!」
あっさりと言われてしまった。
「あ、そういえばおれも、坂原と、河原から、駅前まで。夜間5時間耐久レース
の勝負するんだった」
「なによ、それ」
「町中に仕掛けられた罠をかいくぐって、ゴールまで行くんだ」
「簡単そうね」
「一つミスると補導されるぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・やめなさいよ、そういうの・・・・」
「まあ、とにかく。お互い行かなきゃならんようだな」
「わたしは行くとは言ってないわよ」
「行かないと、明日とんでもない目に遭うぞ」
その俺のセリフが冗談ではないことを悟ったのだろう。七瀬はしぶしぶ。
「う゛っ・・・わかったわよ・・・」
と言った。
「じゃ、がんばれよ。くれぐれも死ぬなよ。俺の体なんだからな!」
「あんたこそ、私の体に変なことしないでよ!」
そういって、二人は長い18時間への一歩を踏み出したのだった・・・


アデューだ七瀬、生きろよ・・・・
そうして、俺はお茶会へと足を運んだ。
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すいません、長くて、急遽前後編にしてしまいました。
一話完結をモットーにしてたんですが。

感想
すいません。時間なくてかけないです。
後編の時に、いくつかかかせていただきます。
あと、感想をくれた方々。ありがとうございます。
それでも、少しだけ。
>藤井勇気さん
いいです。ハッピーエンドの後の幸せな生活ですね。
いかにも、二人らしいその後です。
>いちごうさん
いいです(^^)肘ロックシステム。
おもしろいです。ほんとに。(^^)
>智波さん
バッドエンドといいながらも、こういうエンドもいいですね。
女の子達の一途な気持ちがよくわかります。
>せらくん
みさき先輩のエンディング直前のアイスのシーンですか。
みさき先輩のつらそうな思いが、すっごくでていてよかったです。
>これより前の方
読ませていただきました。みんな、いいです。
後で、かける限りかかせていただきます。
        では!