帰還 投稿者: イヌスキー
(こうへい・・・)
みずか・・・やっぱり、俺は帰るよ。いや、帰らなくちゃならない。
(この世界はこうへいが望んだ世界なのに?)
ああ
(また、かなしいことがあるかもしれないよ)
ここには、楽しい事がないだろ?世界が悲しみに向かっていても、その道すがら楽しい事だってあるのもじじつだろ
(・・・・・)
それに、帰らなきゃならない理由がある。アイツのために、俺のために。
(その娘だって、永遠じゃないのに?)
みさをみたいに、なるか・・・
(そうはいわないけど・・・)
もう、決めたんだ。
(・・・・)
決めたんだ、帰るって。
ヴゥン
蟲の羽音のような異音とともに、世界が一変した。
赤一色の世界から、薄暗い影の世界に。
「これは?」
(永遠と、現実の狭間。停滞と連続の境界線)
「ここから帰れるのか」
(うん・・・・)
「どうした?」
(こうへい・・・・どうしても、帰るんだよね)
「ああ」
(帰るためには、試練を超える必要があるの。こうへいが、この世界を築くのに費やした思いが、そのまま障害になるの)
「っつ!」
妙な気配に振り向くと、陰気な子供が上目遣いに俺をにらんでいた。
みずかじゃない、男の子だ。どこかで見た事のあるそいつはーーーーー
「俺・・・・?」
(気をつけて、こうへい)
「な・・・・にっ!」
首を竦めた俺の上を、子供の俺が飛びすぎていった。
十メートルほど先に飛びおりたその動きには、一遍のよどみもない。
パラリと数本の髪の毛が鼻に触れた。
とんでもない切れ味だった。
「何だこの展開はっ!」
(こうへい、攻撃を受けるたびにこうへいの存在は薄れていくよっ、この世界で消えたらもうどこへもいけないよ、気をつけてっ)
「先に言えーーーーーーったわぁ」
小こうへいが、格ゲーキャラよろしくトリッキーなスライディングをかましてくるのを何とかかわす。
(こうへい!意志を強く持って!ここはこうへいの作った世界だよ、強い意志を持てば負けないよっ)
「俺の、世界・・・・そうかっ」
スルスルと間合いを詰める小こうへいに向かって
「くらえっ!」
集中した力を解き放つ
ばぐぅん
何もない空間が爆発する。はずしたーーーーーいや
「シィールドォッ」
かざした左手の周りに盾が産まれる。
がづん と手応え
小こうへいは盾を踏み台に、また飛びすさり、間合いを取る。
「俺は・・・・帰るんだ・・・・じゃまをするなぁっつ」

だが、俺は知らなかった、小こうへいがこの一人だけでなく、300人以上いるという事を

・・・・続く事もなきにしもあらず・・・・

*******はじめまして***********
投稿なんて始めてなんで、これでよいやら悪いやら。
ONEは折原浩平が学生時代の私にあまりに似ていたんで、思わず泣くほど感動してしまいましたよ。
で、帰還に一年費やした理由ってカンジですけど、どうでせう。
評判よけりゃ続くかもしれないよ