かぞくのショーゾー 投稿者:U.W.O. 投稿日:6月11日(日)22時45分
使用上の注意
 このSSのジャンルは 声優ネタ/東鳩/葵 です
 このSSは一部に実話を含んでいます。
 読み進めるうちに、違和感・不快感・激昂などを感じた場合は
直ぐに新鮮な水で目を洗って、今まで見た事を忘れてください。

   〜〜1〜〜
 
 松原葵は悩んでいた。と言っても、別に人気が無いだの、カツサンドと同格だのと言った、
よくある悩みではない。そんなものは発売1年であきらめた。
 じつは、自分に重みが無いのではないかと思い始めたのだ。いや、別に体重の話
ではない。相撲取りじゃないんだから(笑)。
 この場合は、迫力と言った方が良いのかもしれない。いかに実力勝負の看板を掲げる
格闘技と言っても所詮人間対人間。『あいつは強い』と言う噂があれば対戦する方は
やはり腰が引けてしまうものである。ちょっと見まわしただけでも「ラリアットで首を折った」
とか、「パイルドライバーで首を折った」とか、「マウントポジションからアイアンクロー」とか、
いろいろ居るものである。……全部プロレスやんけ。
 まあ、格闘技の方を見ても、「哺乳類最強」とか、「顔面にハイキック」とか、
「スーパーストロングマシンのマスクで入場。しかも三人に増殖」とか、いろいろ居るもの
である。……十分プロレスラーの話題のような気がするが。
 自分の身近な人物を例にとって見れば、心の師匠来栖川綾香の場合『お嬢様』の
肩書きはインパクト十分だし、何より今までの実績がある。藤田浩之の場合格闘技に
関して言えばド素人も良いところだが、あの人相の悪さは絶大な威嚇効果を持つ。
 さて、振り返って己自身を省みれば、大きな目に短髪、ショタキャラと間違われかねない
体格と、まさにお好きな人にはたまらない状態。全くもって、存在が軽く見えてしまう。
 これは実戦において、不利だ。相手の余裕を奪うメンタルな駆け引きも格闘技の
技術の一つ。やはり自分にも対戦相手を圧倒する「何か」が欲しい。夢見る乙女の
リリカルな願い事だった。
 「どうすれば、存在感を出せるのかしら。身長を伸ばすのは難しいし、やっぱり
  体重を増やして横幅を付けるしかないのかしら」
 だから相撲取りじゃないって(笑)。ひざの負担になるから止めといた方が良い。
 「どうしよう、一見して相手に判るくらいの物じゃないと効果は薄いし…」
 葵は考え続けた、夜も眠らず昼寝して考え続けた。
 そして見よ、窮すれば通ず。信ずる者は救われる。風が吹けば桶屋が儲かる。
松原葵はついに自らの存在感を増す事に光明を見出した。

   〜〜2〜〜藤田浩之の視点

 葵ちゃんが息を弾ませながら駆け寄ってきた。
 「藤田先輩、やりました」
 なんだ?誰を殺ったってんだ?坂下?
 「悩んでた問題が解決したんです!!」
 なんだ、そっちか。
 「私、自分に重みが無いんじゃないかと思うんです」
 いや、葵ちゃんは今のままの方が小さくて可愛いと思うよ
 「私には、綾香さんほどのネームバリューも無いし、藤田先輩ほどの目つきの悪
  …あわわ、鋭い眼光も無いんで、試合のときに相手を威圧する事が出来ないんです」
 今、何か言わなかったかな?
 「と、とにかく、私なりに相手を威圧できる方法を見つけたんです。」
 何をしようってんだ。
 「声です。私、声を変えようと思うんです」
 「待たんかい」
 俺ははじめて口を開いた。
 「声はやばい。以前なら兎も角、もう家庭用で発売され、アニメにもなって、俺達の
  声のイメージは固まっちまってるんだ。ここで声を変えたら暴動もんだぜ」
 「大丈夫です、一見しただけではばれないように細工しました」
 しかし、アニメファンをなめてはいけない、代役を立てるにしても、三石琴乃が荒木香恵に
成った様に、出来るだけ違和感の無い人選をせねばならない。ちと例が古いが。
 「その点にぬかりはありません。交代するのは試合の直前ですし、代役の声優さんも
  交代の経験があるそうなのでスムーズにやれるそうです」
 「チェックは抜けられるのか?」
 エクストリームにはドーピング検査があるので、イベントと特殊能力は使えない。
 「大丈夫です、アイテムは素通しですから、怪しいクスリと性格反転きのこは使えます。」
 十分ドーピングやん。そういや、相手に手錠かけて試合してたやつもいたっけ。
 葵ちゃんは自信まんまんで帰っていった…って練習は?

 〜〜3〜〜試合当日

 会場は熱気に包まれていた。ちなみに今日の試合はスイスドロー6回戦だ。
 さて、女性の部一回戦だ。葵ちゃんの相手は…コリャでかい。俺より身長がある
んじゃないか?威圧感たっぷりだ。葵ちゃんが萎縮して本来の実力を発揮できない、
なんてコトにならなきゃ良いんだが。
 Round 1  fight!
 ああ、余計な事を考えてる間に試合が始まっちまった。
 「いくぞ!」
 おや?いや、見た目は全く持っていつもの葵ちゃんだよなあ。
 「ヌン」
 「とりゃ」
 何なんだ、あの野太い中年のおっさんのような声は。対戦相手が引きまくってるよ。
 しかし声優が変わってるようには見えないんだが。
    (ポーズ/ステータス画面/松原葵/声優:飯塚…)
 ウン間違ってない。
 葵ちゃんは完全に相手を圧倒していた。そりゃあそうだ、元気一杯の少年のような姿の
全国の女子高生の皆さんがいきなりあんな野太い声で叫んだら大抵の人間は驚く。
 葵ちゃんは20センチ近い身長差をものともせず圧勝した。決着の瞬間感極まって
叫んだ葵ちゃん。俺は、いやあの試合を見ていた全員はあの時の彼女の言葉を
生涯忘れる事は無いだろう。
 「ルロロロロロロロロロロ…………」

****************
 
 前書きにもある通り今回は一部が実話です。その一部とは、我が家のQoHです。
葵の声優が飯塚さんというのを知って、突発的に作ってしまいました。
欲しい人は連絡を(いないって)。

 では感想に変身 とおっ(2号ライダー風)

>鴉片 様
>バルタン星人様と綾香 
 なんでほとんどのネタが判っちまうかなー、わし
 ウルトラじゃんけんはうちの地元では
 ぐー:ストリウム光線
 ちょき:エメリウム光線(磁力線)
 ぱー:スペシウム光線
だったような気がします(ヒント:指の形)
>遊星より愛をこめて
 それはやばく無いですか(笑)いわゆる12話でしょ。
 (といいつつ狂鬼人間ともども見てみたい私)
>侵略者を撃て
 おかしい、何故このバルタンに胸ミラーがある。アレは「科特隊宇宙へ」からついたはず。
 などと微妙な突っ込み。
>U.W.O.様に感化されてやっちまいました
 こんな奴に感化されるとろくな大人になりませんよ。
 (と、言いつつまだ二十代半ば)

>久々野 彰 様
>微妙に特撮的にグレードがアップしているのかダウンしているのか
考えさせられますね(笑)。
 ばれましたか。投稿した後でいろいろ思いつくんですよね。
 浩之の台詞は工作員23号じゃなくて、七曲署署長の方が面白かったかなとか。
大鉄人セリオよりも大鉄人13の方が原典に忠実だったなとか。
大月ウルフと平田昭彦なんてわかる人いるのかなとか。