ゲーマー、耕一のある昼下がり(ウルトラパック購入記念編) 投稿者: vlad
「お兄ちゃん、それ、随分昔のゲームじゃない? うちにそんなのあったっけ?」
 柏木家の居間で耕一がテレビゲームをやっていると初音ちゃんがやってきた。
「ああ、さっき買ってきたんだ」
「へえ、なんてゲーム?」
「今やってるのはグラディウスだけど……他にもたくさんコナミの昔のゲームが入って
るんだ」
「あ、知ってる。コナミミュージアムだね」
「あっはっは、違うんだけど似たようなもんだ」
 そういった時、丁度、ビックバイパー(合ってるよな?)が爆発し、GAMEOVE
Rの文字が画面に浮かび上がった。
「やられちゃったね……」
「うん……さてと、次はなにやろっかな……」
「あ、このイーアルカンフーって私やったことある」
「え、そうかい? じゃ、やってみる?」
「うん、けっこう上手かったんだよ」
 初音ちゃんは嬉々としてコントローラーを取った。
 でも、一面でゲームオーバー。
「あれ、なんか難しくなってるような……」
「初音ちゃん、もしかして、やったのってファミコンのやつ?」
「うん、そうだけど……」
「ああ、これはファミコンのやつじゃなくて、MSXのイーアルカンフーなんだ。確か
こっちの方がかなり難易度が高いから」
「えっ? MSX?」
 そういって初音ちゃんは首を傾げた。いうまでもないことだが、無茶苦茶可愛い。
「うん、まあ、だいぶ昔の、ファミリーベーシックに産毛が生えたようなパソコンさ」
「へえ、そうなんだ」
「よし、おれがやってみよう」
 耕一はわざわざこんなものを買ってくるほどだから、なかなか上手かった。初音ちゃ
んは「すごぉい」と、いって目をパッチリ開いている。当然、無茶苦茶可愛い。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん、あれできないの?」
「あれ?」
「うん、真っ直ぐ上に飛んでキックしてね、相手を動けなくしちゃうやつ」
「ああ、あれか」

 著者注 ファミコン版のイーアルカンフーでは、攻撃がヒットした時の相手の金縛り
     時間が長いために、垂直跳び蹴りを延々と決めることで相手を全く動けなく
     して、そのまま倒すという極悪な技が存在していた。(なんか、注意つける
     のが逆のような気がするけど、まあいいや)

「ああ、MSX版ではそれはできないんだよ」
「そうなんだ」
「うん、やろうとすると、どっかのvladっていう馬鹿みたいに飛び上がろうとする
ところを叩かれて逆にこっちがハメられてしまうんだ」
「へえ」
 耕一はイーアルカンフーが終わると、次は魔城伝説をやり始めた。
「お兄ちゃん、これはシューティングなんだね」
「うん、そうだよ」
「あ、これ見たことある!」
 初音ちゃんは嬉しそうにいった。もちろん無茶苦茶可愛い。
「え、そうなの」
「うん、あ、そうそう四角いやつを撃つとアイテムになって……それでブーメランがあ
って……うん、やっぱりこれ知ってる」
「へえ」
「長州力が出てくるやつだよね」
 初音ちゃんはにっこりと笑った。わざわざいうのも馬鹿馬鹿しいが、無茶苦茶可愛い。

                                     終

        著者注 出ません


          どうもvladです。わかる人にはわかるは
          ずの小ネタでした。

 それではまた……。