24時間芹香---なでなでは地球を救う!! 投稿者: XY-MEN
このSSは、葵シナリオのネタバレを含みます。あと、かなりアホです(笑)

「--どうしたんだよ、葵ちゃん? 何をそんなに緊張することがある?こんな状態じゃとても・・・」
その瞬間、葵ちゃんは『うっ』と泣きそうな表情になったかと思うと、顔を伏せ、ひっくひっくと、嗚咽しだした。
弱ったなあ。
オレは言葉を飲み込むと、
「葵ちゃん・・・」
ゆっくり息を吐きながら言った。
「プレッシャーなんて感じなくていいぞ?」
できる限りの優しい声で言った。
「たかが練習試合だろ? 勝ち負けよりも、試合内容の方が重要じゃないのか?」
「・・・ひっく、ひっく」
「坂下の方が体つきも、キャリアも上なんだ。勝とうとは思わず先輩の胸を借りる気持ちで、指南してもらってくりゃいいじゃないか。」
・・・とはいうものの、敵意ムキ出しなのは坂下の方だからなあ。
そんなふうに考えるのは無理があるか。
うーん。
どう言やいいんだ、こういう場合。
と、オレが悩んでいると、ぽんぽん、と誰かがオレの肩を叩いた。
振り返れば・・・
「く、来栖川先輩?」
一体いつの間に?
「せ、先輩、どうしてここへ?」
驚いてそう言うオレを無視すると、先輩は葵ちゃんに近寄った。
そして・・・。
すっ・・・なでなで・・・。
「えっ?えっ?来栖川先輩?」
なでなで・・・。
「あっ・・・あの・・・」
なでなで・・・。
「せんぱい・・・。」
なでなで・・・。
「はあ・・・。」
先輩はしばらく葵ちゃんの頭を撫でていたが、葵ちゃんが落ち着いたのを見ると、手を止めてなにやら言った。
「・・・・・・。」
「えっ?おちつきましたか?って? は、はい、落ち着きました。」
「・・・・・・。」
「えっ?あなたは強いからきっと勝てます・・・ですか?」
こくこく
「・・・・・・。」
「えっ?あなたはこれまで頑張ってきたのだから、それを坂下さんにも分かってもらうためにも、精一杯戦うんです・・・ですか?」
こくこく
「そうか・・・そうですよね! 私、思いっきり戦います!」
葵ちゃんの震えはもう止まっていた。
「・・・・・・。」
「はいっ!私戦えますっ!」
「・・・・・・。」
「はいっ!私いけますっ!」
「・・・・・・。」
「はいっ!先輩、私、いってきますっ!」
最後に、来栖川先輩は無表情のまま、おー、とばかりに腕をつきだした。
・・・・・・・・あ、あのう・・・オレの出番は?
ひゅー・・・・・。
なんか風まで吹いてるし・・・。
盛り上がる二人の後ろで、オレは一人取り残されていた。

そして、葵ちゃん対坂下の勝負が始まったのだが・・・。
「はっ!とあっ!てやあっ!」
ばしっ!どかっ!ぐしゃっ!
「はぶっ!ふげっ!ぐごっ!」
・・・なんか・・・葵ちゃんめちゃめちゃ強いんですけど・・・。
坂下を圧倒してる・・・。
練習の時の2倍くらい強いような気がするんだけど・・・気のせい?(泣)
やがて・・・。
「はああああっ!てやあっ!」
葵ちゃんの一撃がクリーンヒットし・・・
「うっ!・・・ごふっ!」
ドタア・・・・
坂下が倒れた。
「文句なしっ!KOよっ!」
綾香が宣言する。
その瞬間・・・。
「やったあああああああああああーーーーーーーーっ!」
葵ちゃんは思いっきり叫んだ。
「か、勝てたあああああーーーーーーー!せんぱああああああああいっ!、わ、わたし、勝ちましたあああああーーーーーーーーっ!」
葵ちゃんはありったけの大声で叫びながら、一直線にオレのもとへと駆け寄った。
オレも両手を広げ、葵ちゃんを迎える。
そして・・・
ばふっ!
葵ちゃんはオレのすぐ横をすり抜けて、ごく自然に来栖川先輩の胸に飛び込んだ。
「わたしっ、わたし、勝ちました!勝ちましたよ!」
来栖川先輩の胸に、顔を深くうずめる葵ちゃん。
なでなで・・・。
「うわあああーーーんっ!せんぱあああああーーーーーーーいっ!」
なでなで・・・。
「・・・・・・・。」
オレは、満面の笑みを浮かべ、両手を広げ、中腰に対衝撃防御の構えを取ったまま、固まっていた。
ひゅー・・・・。
「・・・まぬけ・・・。」
綾香の一言が背中に痛かった・・・。
「せんぱああああーーーーい!くるすがわせんぱあああああいっ!」
なでなで・・・・

<終>
     
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ども、2度目の投稿になります、XY-MENです。
見ての通り、アホなSSです。 アホくせー!と思っていただければ幸いです(笑)。
あ、あと、前の作品に感想をくださった方々、えーと、しもPNさんに睦月周さん、るーんさんにUMAさん(読んだ順)、ありがとうございます!感激です! これからも頑張りますんで、よろしくお願いします。
それでは今日は、このへんで!