人と鬼の戦い2001・5 投稿者:UMA 投稿日:2月27日(火)23時18分
<あらすじ>
 突如『ヒト』『HM』による攻撃を受けた鬼の軍勢。
 千鶴はなんとか葵を撃退したものの、新たな敵が彼女を襲った!



「『はどうけん!』」
千鶴が勝ちポーズを取った直後、千鶴の頭を一発の気弾が通り過ぎる。

「千鶴姉っ、後ろ後ろ!」
千鶴がさーっと青ざめたまま振り返ると、そこには赤…ではなく橙色の変形空
手着に身を包み、金髪のカツラをかぶった浩之がいた。

「あ、忘れてた…。まだ敵、いたんだっけ…」
そう、千鶴は敵が複数いるのを忘れていたのだ。だからLV3超必殺技を葵に
惜しみなく使ってしまったのだ。
しっかりしているようで、ぽやぽや〜っとどこか抜けた所があるのが、千鶴の
千鶴たるゆえんだろうか。

「でもっ!負けないわっ!!」
千鶴は叫びながら浩之に飛びかかって爪を振るう!

ぶおん。「おっと!」
千鶴の攻撃は浩之がしゃがんで避けたため、轟音を伴って空を切った。
否、避けたのではない!

「喰らえっ!神龍ぅぅぅ拳っ!!」
浩之が叫ぶと同時に画面が暗転…しない。が、一応スーパーコンボを発動させ
たようだ!!

「きゃあぁぁぁ…!」
千鶴は浩之に巻き込まれるようにしてボコボコにされた。

「危ない、千鶴姉!」
「けほっ…。これくらい、どうってことないわ」
吹っ飛ばされる千鶴を空中でキャッチしたのは梓だった。
嘘ではない。現に千鶴のキズはすでに治癒が始まっていて、しかももうすぐ完
治しそうなほどだ。

「分かったわ。でも、千鶴姉は休んでて。あたしが代わるから」
「うん」
「さてと…。千鶴姉に言った手前、あたしも本気で行くわよ!」
着地した梓は、千鶴を降ろすとファイティングポーズをとる。

「おおおオオオォォォ…!!」
梓は雄叫びをあげながら両肩を振るわせて力を誇示する。鬼の力を解放したよ
うだ。

「ふん、いくら鬼でも俺の必殺技で一撃だぜ!」
「それはどうかしら?試してみる?」
「当然だっ!『はどうけん!』」
ごうっ!気弾がうなりをあげて梓を襲う!
だが、気弾の直撃を受けても怯むことなく梓は浩之に向かって歩いてきた。

「何っ!?もう一度、『はど…』」
「ふんっ!」
浩之の目前まで近寄っていた梓は、ダブルラリアットで波動拳の出際を潰し、
ダウンを奪う。

「…ならば、『たつまきせん…』」
「でやっ!」
浩之はリバーサルで竜巻旋風脚を出すが、梓の垂直ジャンプ強キックであっさ
りと潰され、さらに、

「ふんっ!」
着地と同時に梓の驚異的な投げ間合いに吸い込まれる。スクリューパイルドラ
イバーだ。

ぶおん、ぶおん、ぶおん、どげしっ!
回転しながらジャンプして、そのまま相手の脳天を地面に叩きつけるという凶
悪な必殺技だが、浩之はまだ生きていた。さすがは主人公といったところか。


「くっ…。やはり強い…」
血の付いた口元を拭いながら起きあがった浩之は呟く。

「これでも鬼ですからね」
言いながら再び浩之に近づく梓。

「チャンス!『ついてこいよ!!』」
梓は無防備に近づきすぎたのか、浩之が叫びながら放ったアッパーがヒットし
た!

がらがら…。
「ぐえっ」
するとどこからともなく、智子がホワイトボードを引いてきて梓をひいた。
どうやら先ほどのアッパーは愛と友情のツープラトン技始動のサインだったよ
うだ。

「いい?敵の弱点はここよ!落ち着いてね」
智子は梓のことは無視したまま、ホワイトボードで浩之に戦い方をアドバイス
する。彼女が新しく習い始めた格闘技の通信教育の成果だろうか、その教え方
は的を射ていた。

「フムフム、なるほど…。ありがとうな、委員長!」
一通り説明が済んで帰る智子に、浩之は手を振って見送る。

「くっ…。そんな付け焼き刃なアドバイスであたしに勝てると思ってるの?」
智子の説明中、ダウンしていた梓が悪態をつきながら起きあがる。

「どうかな?『行くぜっ昇竜裂破!!』」
浩之は一瞬しゃがみ込むと叫びながらスーパーコンボを発動させる。
だが、やはり画面は暗転しない。
一回、二回…。
連発で浩之の昇竜拳が直撃する!

「やれやれ…。何度やっても無駄だと…」
梓はガードすらしていない。

「そうかな?今だあかりっ、来い!」
二回目の昇竜拳の攻撃判定が消える直前、浩之は大声であかりを呼んだ!

「分かったわ、浩之ちゃん!」
「何っ!」
浩之に呼ばれたあかりは飛んできて、腰に溜めた気弾…いやビームと言った方
が相応しい…を梓に向かって放つ。
ちなみにあかりの着ているのは浩之と同じ変形空手着だが、色が違う。あかり
が着ているのは濃い青だ。

びぃぃぃ…!!
「きゃぁぁぁ…!!」
あかりの波動ビームの直撃を受けて、梓は吹き飛ばされた!浩之とあかりによ
る、ディレイドコンボという連携技だ。

「あ、梓っ!」
「千鶴姉っ…、あとは任せた…!」
梓はそういって気を失った。



<つづく>
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どうも『キミの正義(ジャスティス)は燃えているか?』のUMAです。

今回、最初の予定では委員長以外に志保やレミィも入れるつもりだったのです
が、話しがかなり長くなりそうだったのでカットしました。

#挨拶はその名残…(汗)

おかげで、ダッシュやゼロ2やMVC2がごっちゃになっちゃいましたが、結
果オーライってことで。

で、もうすぐ節分からひと月経つ訳ですが(汗)、なんとかそれまでに終わると
思います、たぶん。

ぢゃ、そういうこって。でわでわ〜(^_^)/~