人と鬼の戦い2001・2 投稿者:UMA 投稿日:2月6日(火)23時33分
<あらすじ>
 突如『ヒト』『HM』による攻撃を受けた鬼の軍勢。
 迎撃のために柳川祐也、月島拓也、月島瑠璃子が出撃したが、不意打に会い
 月島兄妹がやられてしまった!





「月島拓也、月島瑠璃子、ともに戦闘不能です」
楓が二人がやられたことを報告する。
いきなり二人やられたことに驚いた耕一は柳川に聞く。

「な、何ぃ?!おい、柳川。何が起きたんだ!」
『不意打だ。いきなり俺の目の前で二人がやられた」
「敵は?数は?」
『気を読んだ限りでは…。うぐっ!ぐはぁぁぁ…!!」
柳川との通信は断末魔の叫びを最後に切れた。

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「柳川裕也。戦闘不能です」
楓が報告する。

「柳川っ!おい、柳川っ!!」
回線の切れた通信機に向かって叫ぶ耕一。当然返事はない。

「あーあ。やっぱり今年も柳川さん、見せ場無かったわね」
「っていうか、あのダンの格好で行った時点でこうなる運命だったんじゃない
かなぁ?」
「そうかも知れないが…。しかし、柳川がやられるのはいつものこととはいえ
いきなり初戦で3人も失ったのは大きいぞ…」
柳川に対してあまり期待していなかったとはいえ、ここまであっさりとやられ
るとは耕一は思っていなかったようだ。まして、電波使いを二人もつけていた
にも関わらず、である。

「…このまま奴らを勢いづかせたらやっかいだな。よし、こうなったら俺が行
こう。おーい、初音ちゃん。出かけるよ」
耕一は散歩にでも出かけるような口調で初音に声をかける。

「え、初音?」
耕一から指名された初音は驚いた。
ちなみに彼女はぬいぐるみを抱いてちょこんと座っている。

「うん、初音ちゃんだよ。一緒に行こう。
耕一が初音の手を取ると、初音は嬉しそうに耕一の腕に抱きつく。耕一の口調
がさっきまでと全然口調が違うが気のせいではないだろう。

「あ、千鶴さん。スフィーちゃんも呼んでくれ。それと、みんな。俺が居ない
間、ここを宜しく頼むよ」
司令室を出る間際、耕一は司令室に残った千鶴達にそう言付けた。

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「柳川達がやられたのはこの辺りだな?」
「うん、間違いないよ、お兄ちゃん」
「あ、ほら、あそこに瑠璃子ちゃん達がいるよ」
耕一、初音、スフィーの3人は辺りをうかがいながら慎重に歩いていると、月
島兄妹と柳川の3人が倒れているのが見えた。
3人は気を失っているようだが、死んではいないようだ。

「ん?何だこれは…」
耕一は3人の周りに落ちている丸い物体を拾う。

「豆…だね」
「ああ、豆だな」
耕一が拾ったのは大豆だった。

「でも、ただの豆じゃないわ。強力な魔力が付与されてるわよ。そうじゃない
と、鬼の人があっさり負ける訳ないでしょ?」
「魔力付与か…。かけたのは来栖川芹香さんだろうな」
来栖川芹香は召喚系魔法が専門らしいが、魔力付与系の魔法も扱えるようだ。

がさがさ…。
そのとき、近くの茂みで音がする。

「!そこかっ」
耕一は素早く突っ込むと、手にした竹刀で茂みごと横に薙ぐ。

ばしぃっ!
手応えアリ。鬼の力で思い切り殴られた男は近くの気に叩きつけられ、そのま
まぶっ倒れる。

「ぐっ…!」
「キミは…。えっと矢島くんだっけか?」
耕一は地面に倒れている男の胸ぐらを掴み尋問する。
そいつの正体は矢島だ。手には銃が握られている所を見ると、彼が柳川達を攻
撃したのだろう。

「おい、キミの味方は何人いる?」
「…」
へんじがない。
ただのしかばねのようだ。

「ちっ。少し力入れすぎたか」
そういって矢島を地面に捨てる耕一。
実際はまだ息はあったようだが、耕一は無視する。

『今だ!喰らえっ!!』
「!」
耕一達が矢島に意識が集中したのを見計らって、別の茂みに隠れていた人
が一斉に立ち上がり銃を向ける。
それも多数だ!

ぱたたたたっ!
乾いた音とともに一斉に銃を撃つ。ちなみに銃はエアガン、弾は大豆である。

「『りふれくとっ!れぇぇざぁぁぁ!!』」
やられる、と思った瞬間スフィーは希望の光、リフレクトフォースを発動させ
て光に包まれた!
この光はすべての敵弾を吸収・反射するという、完全無敵の必殺技だ。
そして、光がはじけると同時に吸収した弾をレーザーに変換して、弾を撃って
きた相手に向けて反射した!このロックオンからは逃れられない為、確実に敵
にヒットする。

どかぁん!どかぁぁぁん!
爆発が爆発を呼び、倍率アイテムまでも大爆発してアイテムボルカノン状態に
なる。

ぶわっ…!
スフィー達がアイテムに気を取られた瞬間、爆風の中から何者かが垂直ジャン
プして飛び出す。
しかも、今度も多数だ。銃による不意打攻撃に失敗したときのためバックアッ
プ部隊だろう。

「こ、今度は何だっ!?」
「あの髪は…。マルチちゃん?」
「得物がモップじゃないわ!量産タイプよ!!」
緑の髪と特徴的な耳飾りからマルチ型のの量産タイプと分かる。ちなみに、量
産タイプの得物は銃身の短いはたきである。
量産マルチは空高く飛び上がると、全員手にしたはたきにビームソードを形成
して前に突き出すようにして突進してきた!

「グライディンラムかっ!くそっ、数が多すぎる!!」
耕一と初音は迎撃を試みるが、とても間に合わない。

「こうなったら…。『うぃんぐっ!ぼんばぁぁぁ!!』」
スフィーがそう叫ぶと、彼女の背中から羽根のようなエネルギー波が発生して
周囲に迫っていた量産マルチをすべてたたき落とした!
瞬時に無敵になると同時に、大爆発を起こして画面全体の敵に大ダメージを与
える事のできるという必殺技だ。

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爆風が収まると、周囲にはリフレクトフォースとフォースボンバーによってや
られた人達が倒れていた。
恐らくもう敵は居ないだろう。

「…けほっけほっ。うわぁ、砂まみれだよー」
「大丈夫かい、初音ちゃん。それにしても、スフィーちゃんはスゴいなー」
耕一は初音に付いた砂埃を払ってやりながらスフィーに話しかける。
ちなみに耕一が装備しているスカウターで見てみると、経験値が今の戦いだけ
で3京0431兆9432億5037万4530点も稼いでいたりする。

「へっへーん。マウンテンゴリラレベルの魔法使いをなめないで貰いたいわ」
と、出撃前よりふた周りほど寂しくなった胸を張って威張るスフィー。
本人は気が付いていないようだが、しっかりとレベルが下がっているようだ。

「さてと、この辺りの敵は一掃できたことを報告するか」
そういって耕一は携帯電話を取り出す。

「もしもし千鶴さん?俺だけど、この辺りの敵は全滅させたから戻るよ」
『耕一さん!?』
「あれ、楓ちゃんかい。千鶴さんはどうしたの?」
『千鶴姉さん達は出撃したわ。でも、かなり苦戦してるみたいだから、早く助
けてあげて!!』
「何っ!千鶴さん達が苦戦?分かった」
耕一は初音達にも分かるように一回復唱すると電話を切った。

「…と、言うわけだ。行くぞ初音ちゃん」
「うん、分かったよお兄ちゃん」
初音が耕一の右腕に抱きつくと、耕一はそのまま抱きかかえる。

「スフィーちゃんもおいで」
「うん」
続いて、耕一は初音と反対側の腕で抱き上げる。

「二人ともいいな?じゃあ…行くぞ!!」
二人がしっかりとしがみついているのを確認した耕一は、鬼の力を解放させて
駆けだした。



<つづく>
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どうも『叫べ!リフレクトフォース!』のUMAです。

節分SSの2話目です。
もう少し続きます、ハイ。

えっと。
簡単に説明しておくと、スフィーのリフレクトレーザーとフォースボムで全滅
したのは矢島を始めとした脇役連中+量産型メイドロボです。
本当はフォースボムを使うと倍率が下がるのですが、そこは無視してください
な(笑)



ぢゃ、そういうこって。でわでわ〜(^_^)/~