ただいま 投稿者:UMA 投稿日:12月22日(金)00時04分
「ただいま〜。おお、寒い寒い…」
「お帰りなさい、お兄ちゃん。先、お風呂入る?」
キッチンからぱたぱたとエプロン姿の初音が耕一を迎える。

「うん、風呂に入ろうかな」
コートを脱ぎながら耕一は答える。外は冬ということもあり、とても寒かった
ため早く暖まりたいのだ。

「じゃあ、着替え取ってくるね。今日はね、冬至でしょ。だから柚子湯なんだ
よ」
「へー、柚子湯か。いいねぇ、初音ちゃんも一緒に入ろうか?」
「おにいちゃぁん…」
「いいから、いいから…」
言いながら耕一は真っ赤になった初音を小脇に抱えて脱衣場へと向かった。

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「ただいま、あかり」
浩之が帰宅したようだ。
ちなみに時刻はすでに夜の11時。普段、浩之は8時過ぎには帰宅しているの
だが、今日は残業だったため遅い帰宅だ。
年末ということもあり浩之も忙しいのだ。

「おかえりなさい、浩之ちゃん。ごはんにする?」
あかりが出迎え、鞄を受け取る。

「ごめん、今日は遅くなったから外で済ませちゃったんだ。電話入れたろ?」
「そうなの…?じゃあ、ただいまのチューは?」
浩之の言葉にしゅんとなったあかりは、代わりにただいまのキスを要求する。
まだ二人は結婚して1年にも満たないせいもあってか、ラブラブモード全開な
のだ。

「ごめん、それも外で済ませて来ちゃったんだ」
「え?」
あかりの殺意が一気に膨れ上がったように思える。どうやら浩之はあかりの逆
鱗にちょっぴり触れてしまったようだ。

「いいい、ち、違う!違うんだよ、あかりさん!これはですねぇ…」
しどろもどろになりながらいいわけをする浩之。
が、浩之の言葉をさえぎってあかりのバニシングフラットがヒットする。
そしてのけぞり状態の浩之をファイナルアトミックバスターで吸い込んだ。

ぶおん、ぶおん、ぶおん…。どかかっ!!
浩之は大ダメージを受けた。

「げはっ…!!」
浩之、吐血。

「…じゃあ、ごはんいらないならお風呂は入るわよね?今日は冬至だから、柚
子湯なのよ」
あかりは何事もなかったかのように、今度は風呂を薦めた。

「悪い、それも外で…。はぁっ!!」
が、浩之は懲りずにあかりの逆鱗に触れた。

「…浩之ちゃん?」
「は、はい?」
「ひぃろぉゆぅきぃちゃぁん…」
「は、はいぃぃぃ…!!」

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ずどぉぉぉぉん!!
轟音とともに、壁がびりびりびりと震える。

「きゃっ」
湯船に浸かっていた初音が耕一に抱きつく。

「また浩之のやつ、まいってるみたいだな」
ぎゅーっと初音を抱きしめながら耕一は言った。ちなみにこのSSにおいて、
柏木家と藤田家は隣同士なのだ。

「今日だけで2回目だね、ひろゆきくんがまいってるのって」
「ああ、まいってる、まいってる」
そういいながら二人は笑いあった。



<おしまい>
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どうも『冬至といえば柚子湯にはいってカボチャを食う』のUMAです。

#↑って言っても、あまり実践してないけど(笑)

まあ、それはそれとして。
冬至SSを今朝思いつきまして、会社帰ってきてから速攻で書いたのがコレ。
故に細部に甘い部分もあるかと思いますが(汗)

…って言ってるうちに冬至、すぎちゃいましたが(滝汗)
まあ、いいや(を

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じゃ、そういうこって。でわでわ〜(^_^)/~