人と鬼の戦い00(ダブルオー・第4話)  投稿者:UMA


<あ・ら・す・ぢ(というか、舞台設定について)>
 節分にちなんで、『第3回チキチキ本物の鬼で節分しよう』をここ、隆山の
 新スポット隆山ドームでやることになったリーフキャラ達。

 疲弊した初音に代わって鬼チームは祐介と瑠璃子が登場したが、由綺&理奈
 の超必殺技『「ど(中略)よ!?」』をたたき込まれ、二人とも負けてしまっ
 たのだ!

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「長瀬祐介、月島瑠璃子、場外!!」

祐介と瑠璃子が地面に落ちたのを確認して、綾香が場外負けを宣言した。

『さすが現役芸能人の二人ね!祐介くんのようなパンピーをゴミか虫けらのよ
うに蹴散らすさまが見事だわ。容赦無い、ともいうけど』
『試合再開直後に祐介くんが出したハーミットウェブ、あれが彼の出した唯一
の攻撃だったからな。ほとんどなぶり殺し…』
『まあ、芸能人なんてウラで何やってるんだかわかんないんだし、こういう場
所でウサ晴らししたってことなんでしょうけど』

闘技場上の由綺と理奈の笑みが引きつる。

『ふむ。で、これで何人づつ残ってるんだ?』
『えっと…。人チームが4人、鬼チームが3人よ』

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「さて…」
「私たちの次の相手、誰が来るの?」

対戦相手を待つ由綺と理奈の二人。先ほどの祐介との戦いのダメージを微塵も
感じさせない。…っていうか、祐介との戦いではまったくダメージを受けてい
ないのだが。

「…」

無音のまま立ち上がる芹香。

「来栖川芹香ちゃんね」
「かかっていらっしゃい!」
「…」

返事がない。…というか、聞こえない。よーく聞いてみるとぶつぶつと何か呟
いているようで、すでに呪文の詠唱に入っているのが分かる。

「…!」

呪文が完成したのか、杖をかざすと彼女の周りにぼぅっとした何かが現れた。

「何…、あれ?」
「さあ?いずれにせよ、私たちにとってマイナスになりこそすれ、プラスには
ならないと思うわ」

言いながら芹香に突進する理奈。
そして攻撃レンジに入ると、兄をいつもボコにしているパンチをグーで放つ。
が、

ぱきぃぃぃん!!

という乾いた音がして芹香にはヒットしない。

「え、バリア?」

先ほど芹香が唱えた呪文は防御系の魔法だったようで、今彼女はそのバリアに
よって守られているのだ。なおこのバリアは某シューティングゲームではフォ
ースフィールドだとか、アームとか言われるタイプの全方位バリアだ。

「ふっ、甘いわね。全方位タイプのFフィールドは、前方向だけのバリアより
耐久性能が低いのよっ!!」

言って、肘撃ちを出す。だが、やっぱりバリアは破れない!!
それでもかまわず攻撃をする理奈。さらに、いつの間にか芹香の背後に回り込
んだ由綺も攻撃に参加する。
その後は、由綺と理奈は上段・下段に攻撃をたたき込む見事なコンビネーショ
ンで挟み込んだ芹香のバリアを削っていった。
フォースフォールドであれば3発程度しか防げないのだが、芹香のそれは10
発以上防いでいるところので、アームだと思われる。

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『あれって、もしかしないでも…』
『うむ、由綺ちゃん&理奈ちゃんの二人限定スーパーコンボ『デスクロスダン
シング』だろうな。たしか初出はストゼロ3の…』
『ああ〜っと!!ついにバリアが消えたぁぁぁ!!』

大志のツッコミをかき消すかのように志保が大声で実況を再開した。

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ぱりぃぃぃん!!

志保の実況どおり、芹香のバリアがまるでガラスが割れるような音とともに割
れた。その衝撃で芹香は横にはじき飛ばされ、倒れる。

「今よ、理奈ちゃん!!」
「ちゃぁぁぁんす!」

にやりと笑い、倒れ込んだ芹香に再び攻撃を仕掛けようとする二人。だが芹香
は、倒れたまま杖を振りかざす。するとドーム内にもかかわらず、暗雲が立ち
こめる。どうやらアームを展開していたのは、この呪文を詠唱するための時間
稼ぎだったようだ。

「ちょ、ちょっと!何が起きるのよ!!」
「私が分かる分けないでしょ!由綺、やられる前に殺っちゃうわよ!!」
「う、うん…」

言いながら二人は芹香に向かって走り出す。
が、二人はいきなり闘技場に飲み込まれた。正確には『闘技場にいきなり現れ
た血の池に、そこから延びてきた腕に引きずり込まれた』だ。

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ぷかぁ…(×2)。

『森川由綺、緒方理奈、ダウン!!』

しばらくして、その血の池からボコられた由綺と理奈が浮かび上がる。そして
血の池も消えていった。血の池の中で何が起きたのか。それは呪文を詠唱した
芹香しか知らない。

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『…Finale rosso…』
『何だ、イタリア語か?それ』
『そ。日本語訳は…『終末の赤』ってトコかしら』

さすがワールドワイドに志保ちゃんニュースをかき集めてくる志保だ。語学に
は強いそうだが、学校のテストは散々な点数だ。

『ほほう。でも、たしかそれってジェダのEX…』
『おおっと!早くも次の対戦者が現れたっ!!これは呪文の詠唱の隙を狙っての
ことかっ!!』

再び大志のツッコミをかき消すかのように志保が大声で実況を再開した。

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「残るは私たちだけみたいね。あさひちゃん」
「そう…みたいですね」

辺りを見渡す。
浩之と耕一、由綺と理奈は闘技場の上に、あかりと祐介、瑠璃子は場外にその
屍をさらしている。…って、本当に死んでる訳ではないが。

「ここで負けちゃうと、またみんなから言われちゃうからね。新参者だの、バ
グ多いだの、バグフィックスしても相変わらずバグ多いだの、CD自体を変え
ても相っっっ変わらずバグ多いだの…」
「ちょ、ちょっと瑞希さん…」
「はっ…!!あ、ゴメンね。何かの霊にとりつかれたみたいで…」

…何かって何やねん、コラ!

「そりゃ、ミユリストの…って、あたし誰と会話してんのかしら?」
「さ、さあ…。ととと、とにかく、あの人達を倒せば、あああ、あたし達の勝
ちなんですよね?」
「そうだっけ、じゃ、軽く屠っちゃいましょうか」
「軽く…って、私、必殺技とか無いんですけど…」

作者がずぼらなせいもあってこみパSSをほとんど書いてないため、彼女に限
らずこみパキャラには必殺技はほとんど用意していない。

「大丈夫だって。あたしもウィンディーのカード以外、必殺技ないから」

言って、一枚のカードを取り出す瑞希。初出は例のアニメ…というか、例の同
人格ゲーだ。

「はあ、そうなんですか…って、ええっ!?そ…それでどうやって、かか勝つつ
もりですか?」
「なんとかなるんじゃない?それに、あたし達は絶対負けないわよ。それは自
信を持って言えるわ」
「どうしてです?」
「そりゃ、この作者にみーちゃんが声を当ててるキャラをボコるハズないから
よ」

はっはっはっ。
これは、世界の定説というヤツだ。

「あ、ナットク…」
「でしょ?じゃ、早速行きましょうか」
「はい…って、なんか向こうさん、みーんな揃ってますけど…」
「あら本当…」

瑞希とあさひが雑談をしている間に、鬼チームの残った3人は全員闘技場に上
がっていた。
よく見ると、琴音が瑞希達を見つめているのが分かる。

ぱんっ!!

スーパーコンボ発動のカットインのあと、いきなり瑞希の持つ杖が爆発した。

「きゃっ!?」
「ご免なさい…。距離…間違えました…」

琴音が謝る。これは琴音がコンシューマ機で覚えたという、見つめるだけで相
手を粉砕する事のできるスーパーコンボ『砕け散れッ!!』なのだが、目測を誤
ったため瑞希本人ではなく、杖が爆発したのだ。

「きょ、距離間違えたって、間違えなかったらあたしが…」
「あ、今度は芹香さんが何かしてます」

見ると芹香が指をかざしているのが分かる。
そして再びスーパーコンボ発動のカットインとともに彼女の指先に光が集まっ
てきた。

「…!」
びぃぃぃぃっ!!

カットインが消えると同時に、芹香は最大レベルまで溜めた光を一気に解放し
た。敵弾を得点アイテムに変化させることができるレーザー攻撃だ。

「嘘ぉっ!?」

とっさにガードする瑞希たち。
だがレーザー系の必殺技を、発動を見てからガードできるはずもなく、間一髪
ガードが間に合わなず、モロにヒットする。。

「きゃっ!!」
「とどめは…!いくぜ、しょぉりゅぅぅれっぱぁぁぁ!!」
ごぉっ!!

三度スーパーコンボ発動のカットインが入り、ヤンキーモードの初音が昇竜爪
を連続でかましながら瑞希達に近づく。
いわゆる、昇竜裂破というスーパーコンボだ。

「きゃぁぁぁぁっ!!」

瑞希、あさひともに、やられポーズだったためにガードが間に合わず、初音の
攻撃をモロに食らって闘技場の外にはじき飛ばされる。

「高瀬瑞希、桜井あさひ、場外!!人チーム全滅により鬼チームの勝ちっ!」

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『ついに勝負が付きました!』
『最後は…ディレィドスーパーコンボ…か?』
『ええ、多分そうよ。発売の頃は作者が出張らしくってプレイできないから、
今のうちに使っちゃおうって事だと思うわ』
『なんだ、出張なのか。1週間も早く節分ネタをやると思ったら、そういう訳
だったのか』

…悪かったな。
サラリーマンなんだ、仕方が無かろう。

『…ん?また空耳が聞こえたような気が…』
『おっと、勝利者インタビューが始まるみたいです』

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「放送席、放送席。牧村南です。これから、見事鬼チームを勝利に導いた3人
の女神、柏木初音ちゃん、来栖川芹香さん、そして姫川琴音さんにインタビュ
ーしますね」

インタビューをするのは『こみっくパーティ』の南だ。
今回のイベントは『WHITE ALBUM』の緒方さんを中心としたメンツ
が裏方として働いており、南もその一人なのだ。

インタビューのあと、今回のスポンサーから賞品の授与が行われ今回の節分大
会は幕を下ろした。

ちなみに今回の副賞は以下の通りだ。
 鶴木屋グループ    鶴木屋旅館の宿泊券(素泊まり)
 来栖川電工      486用浮動小数点演算チップ
 喫茶「ECHO’S」 モーニングセットのタダ券
 塚本印刷       印刷代10%引きチケット

また、今回のベストプレイヤーはあかりを『時よ止まれッ!!』

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「ふう、終わった終わった。お疲れさま、長岡さん」
「お疲れさま、久品仏さん」

放送室でも撤収の準備が始まった。機材自体はこのドームの設備なので、片づ
けくらいしかやることは無いのだが。

と、そこへ千鶴が現れた。

「お疲れさま、志保さん、久品仏さん。ちょっと、来ていただけません?」
「何です、千鶴さん?」
「うふ、いいことよ…」
「?」

志保と大志の二人は疑問を感じつつ、片づけを他のスタッフに任せて千鶴につ
いていった。
その後、二人は千鶴以外にも今回出場した選手達の手によって『この世の地獄
巡り一日ツアー』に、強制的に参加させられたらしい…。



<おしまい>
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どうも『節分だよぉん(4)』のUMAです。

完結したので、今回の節分大会のチーム分けについて説明します(最初に書く
べきだったかも知れないけど…)。

今回のチーム分けは、人チームが『(オフィシャルには)超常的特殊能力を持た
ない、一般人』で、鬼チームが『超常的特殊能力を持つ、逸般人』ということ
で分けました。
でも、改めてチーム編成を見るとTo Heartを中心に『古き者』と『新
しき者』で分かれてますね。

#To Heart以降のリーフが現代を舞台にしたゲームしか出してないか
#ら当然だけど>チーム分けの結果

ぢゃ、そういうこって。でわでわ〜(^_^)/~