人と鬼の戦い00(ダブルオー・第2話)  投稿者:UMA


<あ・ら・す・ぢ(というか、舞台設定について)>
 節分にちなんで、『第3回チキチキ本物の鬼で節分しよう』をここ、隆山の
 新スポット隆山ドームでやることになったリーフキャラ達。

 人チームと鬼チームに分かれて、今まさに戦いの火蓋が切られようとしてい
 た!!

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『そろそろ試合開始のようですが、解説の久品仏さん?』
『はい』
『それぞれのチーム、まず誰が出てきますかね?』
『うむ。わからん』
『はぁ?』

今回は各チーム6人ずつのチームバトルで、タッチはいつでもOKで、とにか
く相手チームを全滅させれば勝ちという至極簡単なものだ。
事前に選手の順番などは決めていないので、誰がいつ出てくるかは両チームと
もにまったく分からないのだ。

『分からん、と言ったのだ。どうせ、この作者のことだ。この時点では何も決
めてないハズだからな』
『ま、まあ、あのずぼらな作者がかっちりとした設定をしてるとは思えないケ
ド…』
『だろ?だから、分からん、だ』

…大志。
お前、後で体育館裏に来い。

『ん?また空耳が聞こえたぞ?いかんなぁ、疲れが溜まってるのか、俺?』
『とと、それより人チームで動きがあったようです』

・
・
・

「…と、いう訳だ。あかり、お前がまず行け」
「ええっ、ええっ、ええっ!!」

浩之にいきなり振られて驚くあかり。

「だ、だって浩之ちゃん。わ、私普通の女の子だよ?戦えないよぉ」
「いーから、いーから。いざとなったら俺が助けてやるって」
「え?うーん、それだったらいいかな。ねえ、審判さん。二人いっぺんにって
のはダメですか?」
「二人?そうねぇ…」

審判役の綾香は腕組みをして考える。ちなみに主審が綾香で、線審が葵と好恵
である。

「…うーん、相手チームが認めれば、いいわよ」
「こっちはOKだぜ、二人でも」

鬼側から声がする。
綾香が振り向くと耕一が闘技場に上がっている。すでに50%ほど鬼の力を解
放しており、臨戦態勢に入っている。

「ま、俺は鬼だからな。ハンディと思ってくれればいい。いくぜ!!」

言うが早いか、耕一は闘技場の端にいる浩之とあかりに向かって走り出した!

「OK!なら、レディ…ファイッ!!」

綾香は、そのまま試合開始を宣言する。

『おおっと、いきなり試合が始まりました。どうやらまずは…ヒロとあかり対
耕一さんみたいね』
『一気に二人も出すとは、作者の紙面節約の為の苦肉の策だろう』

ぐっ…。
さっきも言ったが後で覚えておけよ。

「行くぞ、あかり!」
「ま、待ってよ浩之ちゃん!!」

浩之もあかりを従えて耕一に向かって走り出す。この闘技場は縦横10数mの
大きさがあるのだ。

どかっ!「おぉぅ!」
ばきっ!!「げはっ!!」
ぐしゃっ!!!「のぉぉぉ!!!」
ごすっごすっ!!!!「ぎぃやぁぁぁぁっ!!」

「あ…あかり、あとよろしく…」
「浩之ちゃん!?」

無謀にも耕一に向かっていった浩之は、案の定あっさりと耕一によってボコに
された。

「浩之ちゃん、浩之ちゃん!!」

あかりはダウンしている浩之の首をつかむと、名前を呼びながらぶんぶん揺す
る。ちょっぴり残っていた彼の意識はこれで完全にコト切れた。

「悪いな、あかりちゃん。…死合なんでね」
「…浩之ちゃん…いじめた…わね」
「い?あの…あかり…ちゃん!?」
「浩之ちゃんいじめたら…許さないんだからぁ…っ!!」

ぶわわっっっ!!

涙目であかりが立ち上がると、あかりを中心に世界が白黒になっていった。
すべてのスタンドをブッちぎりで超越したという、『世界』の特殊能力『時よ
止まれッ!!』と言われるヤツだ。

「うふふっ、浩之ちゃんをいじめたら…」

あかりは微笑みながら動けない耕一の前に来た。
そして右拳を高々と突き上げ、

「…こうよっ!」

そう叫ぶと同時に拳を地面に叩きつけた。

ずどごごごぉぉぉんんん!!!!
金剛國裂斬の凄まじい力で闘技場が割れ、衝撃波が耕一を直撃する。が、時が
止まっているので、のけぞって終わりだ。

「…こう…よっ!!!」

今度は左アッパーから弱昇竜拳という、某格闘ゲームの主人公の往年の必殺技
『アッパー昇竜拳』を繰り出す。ちなみに時間が止まっているので、ヒット効
果が『吹っ飛びダウン』ではなくただの『のけぞり』に変化している。

「もう一回…って、え?」

2回目のアッパー昇竜拳(の出際。詳しく書くと根本昇竜の一コマ手前の状態)
であかりの動きが止まる。

「あたいが時を止めた…。9秒の時点でな…。やれやれだぜ…」
『(そ、そんな…。初音ちゃんが…時を止めたの?それに、9秒って何…?)』

あかりの作り出した止まった世界に入ってきたのは柏木初音だった。口調から
察するに、ヤンキーモードのようだ。これが彼女流の戦闘態勢なのだろう。

「耕一が浩之をボコったのは仕方ないこと…。それを逆恨みしてあたいの耕一
をボコにした、その行為は万死に値するわっ!くたばれっ、ヨォォォクッ!!」

そう叫んでまるでブ□ディアを呼ぶかのように指をぱちん、とならす。が、

しーん。

「ああん?なぜ攻撃しねぇ、ヨークッ!!」

今、動いているのは世界で唯一人、初音だけだ。当然、ヨークにお願いしても
爆撃をしてくれるハズもない。

「ちぃっ、仕方ねぇ。ワンパンチで許してやるか。えい!」

ぽくっ!!
ヨークが攻撃してこない事に気づいた初音は、隠し持っていたおたまであかり
を強打する。

「…ワン…ゼロ。そして時は動き始めた」

初音がカウントダウンすると、再び時が動き出した。

「げはぁぁぁっ!?」
まず、耕一は金剛國裂斬の直撃のダメージ+アッパー弱昇竜拳のダメージで思
い切り吹っ飛ばされ、ダウンする。

「きゃっ!!」
続いてあかりは、おたまを食らった横吹っ飛びで場外の壁にまではじき飛ばさ
れた。なんとか防御姿勢をとったのでダメージは少ないようだ。

どごごごぉぉぉん!!
さらに、時を止めていた間に初音がお願いしていたヨークの攻撃が闘技場を直
撃する。よく見るとヨークの攻撃は、初音の味方である耕一にもヒットしてる
のに気が付く。

「けほっ、けほっ…。えっと…、藤田浩之、柏木耕一、ダウン!神岸あかり、
場外!!」

ヨークによる爆撃の煙幕が晴れて、視界が開けるとダウンした二人と場外に落
ちたあかりを確認して綾香がそう、宣言した。



<つづく>
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どうも『節分だよぉん(2)』のUMAです。



ぢゃ、そういうこって。でわでわ〜(^_^)/~