ミレニアム特別・スーパーロリっ娘大戦S  投稿者:UMA


「勝負よ、モモ!!」
「ええっ、ええっ!?」

モモと同じくらいの年の少女、留美は、いきなりモモにそう宣言する。が、当
のモモは事態を把握していないようだ。

「モモ!あいつは魔法の国が魔女っ子に任命したトトカル☆チョミや!もし負
けた日にゃ、人気がガタ落ちしてスポンサーに何言われることか…。モモ!気
合い入れていくで!!」

へもへもはモモを奮い立たせようとする。

「ふみゅみゅ〜。『スポンサー』って何よぉ」
「ええな!負けたらワイがぼてくりこかすけんな」

へもへもはモモの顔面に思い切り近づくとガンを飛ばす。関西弁だか、九州弁
だかよく分からないが、口調が怖かったせいかモモは思い切りビビってる。

「ふ…ふみゅぅぅぅ…」
「ふふっ。大人の事情ってのがあるのよ、おじょうちゃん」

モモ達の会話が聞こえたらしく、相手の女、留美が口を挟む。彼女は魔女っ子
に任命された際に似たような場面に出くわしてるのだ。

「…自分だってお子さまのくせに…」

それに対し、モモはぼそりと言い返す。

「何よ。あたしなんかパチンコだって、麻雀だってやったことあるんだから!
大人なのよっ!!」
「ふーんだ。そういうふうにすぐムキになるのがお子さまの証拠よ」
「ぬぅあんですってぇぇぇ」
「まあまあ、押さえて押さえて…」

二人のお付きの怪生物がそれぞれの主人をなだめる。

「はぁっ、はぁっ。いいわっ!あたしが大人だって証拠、見したげるわ」

留美が構えた瞬間、画面が変わる。留美の変身シーンだ。

『ぱられる しりある はいれぞ ぴくせるぅぅぅ』

この変身シーンはオリジナルではすっぽんぽんな幼女が拝めるとして一部に絶
大な人気を誇るシーンだったが、今回全年齢向け作品ということでかなりアレ
ンジを加えられているようだ。

「えーっ、大人に変身なんてサギよぉ」
「サギじゃないのよ。おじょうちゃん」

チョミは小さな子供に言い聞かせるような口調でモモにいう。

「ふみゅ〜。いいもんいいもん。こっちだって変身くらいできるんだから」

再び画面が変わる。今度はモモの変身シーンだ。

『らーめんたんめんたんたんめん!
 れいめんにゅーめんひやそーめん!
 カードマスターピーチ!
 はじめからいるけど、ただいま参上!』

こっちはもともと天下の国営放送で放送してたこともあり、危ないシーンはな
かったためオリジナル版がそのまま流用されている。

「なぁんだ。変身してもお子ちゃまのまんまじゃない」
「い、いいのよ。こういうのが最近の流行りなんだからっ!」

魔女見習いが活躍するアニメを例に挙げるまでもなく、ここ最近は『変身して
も子供のまんま』なのが流行ってるようだ。これはメインターゲットである、
少女たちが感情移入しやすいようにという配慮だろうが、それによって大きな
お友達にもウケてるのもまた事実である。

「もうっ、さっさといくわよっ!まずは…『魔術師の赤』!!」

ピーチは、一枚のカードを取り出すとチョミに向かって使う。某奇妙な冒険で
もお馴染みの炎を司るカードだ。

ごおおおっ!!

そして、文字通りの爆炎がチョミを襲う!が、別の方向からの魔法により相打
ちになった。

「助かった…って、誰よ?!」
「!…誰?」

モモとチョミが攻撃のあった方角を見る。そこには巨大なへんなロボットと一
緒に、ピンクの髪の女の子がいた。その娘はモモやチョミより一回りほど幼い
ようだ。

「あれはディルクルムの国の姫さんや。たしか…名前はポリンゆうて、ごっつ
い魔法力で地球のジュンペイとかいう男を手込めに…」

ごりゅぅっ!!!

言いかけたへもへもの頭部にドリルが突き刺さる。
『ロボットにはドリルが付き物』…と、誰が言ったかは定かではないが、ポリ
ンの乗っているロボットには標準装備されているのだ。
そして、そのドリルの先っぽがへもへもを直撃したのだ。

「ああっ、へもちゃん!?ちょぉっとぉ、へもちゃんに何するよの!!」
「そこのヘンなのがヘンなこと言うからよ!それに、地球人同士がへっぽこな
力比べしてるなんてちょっと興味あったし」

『興味があった』
それだけの理由で二人の戦いに割り込み、あまつさえマスコット的な小動物に
ドリルをぶっ刺した理由になるのかは疑問である。

「つまり、おじょうちゃんも一緒に遊びたいのね?」
「あ、遊びたいって…、あたし達戦ってたんじゃなかったっけ…」

チョミが小さな子供に聞くような口調で聞く。一応、見た目『だけ』なら大人
に変身しているチョミがこの場にいる誰より大人に見える。

「違うもん。ポリン、遊びたいんじゃないもん!あたしが一番強いってジュン
ペイくんに証明したいだけだもん」
「でも、その前にへもちゃんにこんなことする悪い子にはお仕置きしないとい
けないね☆」

言いながらモモは2枚のカードを取り出す。『星の白銀』と『世界』だ。この
2枚はどちらも直接攻撃がに特化したカードだが、もう一つ隠された真の能力
があるのだ。

「ちょっ…その2枚のカードはサギ…」
「『星の白銀』ッ、『世界』!!」

ポリンが言いかけたところで時は止まる。そう、この2枚は直接攻撃だけでな
く時を止める能力もあるカードなのだ。

「やっぱこのカードでコンボするのが楽よね。じゃ、お仕置きいよ。えい!」

言いながらピーチは手にした杖を大きく振りかぶり、そして振り下ろす。
…が、そこで動けなくなる。

『ええっええっ。何で動けないの?』

ピーチがなんとか動こうと努力していると、静止した世界で動けないと思って
いたのチョミがしゃべりだした。

「あたしが時を止めたの。やれやれだわ…。ゲージが少ないクセに時をとめる
なんて、やっぱりおこちゃまね…」

なんて言いながら、今度はチョミはポリンに近づく。が、あと一歩というとこ
ろでこっちもゲージが切れてしまう。

「え、嘘ぉ?!もう終わり?」
「あら?二人がかりで時間を止めてもうおしまいなの?時を止めてとどめを刺
そうなんて、せこいマネしてくれるじゃない。これだから地球なんて片田舎の
人間に魔法なんて教えたらいけないのよ。やっちゃえ、ボロン!!」

言いながらポリンのロボット、ボロンを操作しショベルで二人に殴りかかる。

『えっ、えっ、えっ!?』

モモも、チョミもあまりのことにビビって動けない。そしてヒットした瞬間、
どこからともなく幕がスルスルと下りてきた。
ポリンの乗るロボット、ボロンのファイナルアタック『わくわくボロン劇場』
の発動である。

・
・
・

スルスル…。

再び幕が上がると、そこは昭和テイスト溢れる居間のようになっていた。

「ちょっと、早く寝なさいよ!」

腰にエプロンを巻いた、母親役らしいポリンが腰に手を当てて、寝そべったま
まTVを見てるモモとチョミの二人を注意する。

「いやぁ。まだTVみるぅ」
「みるぅ」

二人はポリンを無視してTVを見続ける。が、母親役のポリンはそこにあった
ちゃぶ台を『むんず』と掴むとそのままちゃぶ台返しを二人にお見舞いする。

「ばっかもぉぉぉん!ぉぉん…ぉぉん…ぉぉん」

どかぁっ!!直撃だ。

『きゃぁぁぁ!!』
『KO!』

ポリンの声がこだますると、どこからともなくKOの宣言が聞こえる。このフ
ァイナルアタックというのは相手の体力がどれだけ残っていても、当たれば絶
対にKOすることのできる、文字通りの『必殺技』なのだ。
もっとも、発動する条件は『相手からあと1本とったら勝ちというラウンドで
かつ、相手の体力が50%未満』のときに限られるのだが。

・
・
・

数日後。
モモと留美は病院にいた。しかも同じ病室の隣同士のベッドの上に。
ポリンがつれてきたのだが、ジュンペイにこってり絞られたため渋々、という
のが本当のところだ。

「あーあ、ついてないなー。あんなとこでゲージがつきるなんて…」

と、ため息混じりに言うモモ。

「考え無しに時を止めるからよ。お子さまねー」

と、小馬鹿にしたように言うチョミ。

「何よ。あんただって『あっ』という間に動けなくなったじゃない」
「あああ、あれは…。そう!カード2枚も使ったから、その分早くゲージが減
ったのよ。うん、そうよ」
「あらあら、子供の思いつきそうな良いわけね」
「自分だってお子さまでしょ」
「うっさいわねぇ」
「なによ」
「くすくす。おねえちゃんたちって、なかがいいんだね」

モモ達のさらに隣のベッドにいる少女が声をかける。が、

『仲なんかよくなーい』

と、二人で否定する。

「ふぇ、美優里、なんか悪いこと言ったのかなぁ。ぐすっ…」

すると声をかけた少女、美優里は目に涙を浮かべ、今にも泣きそうだ。

「あ、違うのよ、美優里ちゃん。ほら、泣かないで」
「くすん、くすん…」
「おおおお、お姉ちゃん達本当は仲がいいのよ、ねねね!」
「え?うん、そうそうあたし達、大の仲良しさんなの」
「ぐすっ…。本当…?」
『本当、本当』

二人は必死に美優里をなだめるのだった。

結局、二人の戦いは引き分けに終わったため、どちらも2クールは放映するこ
とが確定したという。

<おしまい>
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どうも『あけましておめでとうございます』のUMAです。

ミレニアムスペシャルのトリは『こみっくパーティ』です。

でネタは、そのこみパのゲーム内アニメ『カードマスターピーチ』です。
最初は素直にCCさくらをパロろうと思ったのですが、残念ながら原作コミッ
クは読んでないんすわ、儂>CCさくら

#親愛なる恥人Aの巧みな洗脳工作によりTVアニメのそれは見るようになっ
#たけどね(汗)

なので、いろんなゲームからあさひちゃんが声を当ててるキャラ(笑)をチョイ
スしてブレンドしてみました(最初は『あさひちゃんのお仕事』ってタイトル
だった)。

一応の設定としては『正月特番でレギュラーアニメのキャラ同士による競演』
という、一昔前の藤子アニメ的なノリです。

ぢゃ、そういうこって。でわでわ〜(^_^)/~