ミレニアム特別・新春恒例ゲーム大会  投稿者:UMA


『しんくぅぅぅ…はどうけん!!』

白い道着を着た格闘家が両手から放った気功の固まりが、ふらふらになってい
た黒人の男を直撃した!

『うわぁぁぁぁっ!』
『YOU WIN!!』

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「っしゃあ、俺の勝ちだっ!!」

浩之達は今、家でゲームをしている。
タイトルは『ストリートファイターIII2nd』だ。
ゲーセンには最新作の『ストリートファイターIII3rd』が稼働してるので、こ
れはそれの前作にあたるバージョンだ。

「きーっ、ヒロのくせに〜!!」
「はーっはっはっ。ショーンごときで俺のリュウに勝とうなんざ、『10年早い
んだよ!』」

悔しがる志保を後目に浩之は、リュウに震脚を踏ませながら鉢巻きを締めて変
身する魔女っ娘アニメの主人公の男のような台詞をはいた。

「ふふっ、浩之ちゃんはやっぱり何やっても上手だね」
「おう、あかり。ジュース持ってきたのか」
「うん」

言いながらあかりはジュースとお菓子を持って浩之達のそばにくる。
今日は浩之・あかり・雅史・志保の4人で初詣に行って来てそのまま浩之の家
でゲーム大会になってしまったのだ。

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「あ、そういえば…」
「んー?」

今は、ジュースの差し入れが入ったことで対戦は一時休止して、お菓子を食べ
ながら喋っているところだ。

「前に浩之、『アファームドBの右ターボ近接CWは昇竜拳だ』って言ってた
だろ?」
「何だよ、雅史。いきなりだなぁ」
「答えてよ。言ってただろ?」
「そ、そうだっけか?」
「そういえば、ヒロがそう言ってるのあたしも知ってるわよ」
「私も」
「なんだよ、みんなして。ったく…。『ああ、確かにそういった』。さあ、答
えたぞ。で、それが何だ?」
「うん。僕も知り合いに聞いたんだけど、あれって昇竜拳じゃないよ」
「え?あれって、アファBの近接か?」
「そう。よく思い出してごらん。アファームドの近接は『右足』で踏み込んで
『右手』でアッパーだろ?」
「う…うん」

答えながら頭の中でアファームドBの近接攻撃を思い出す浩之。

「で、昇竜拳は『左足』で踏み込んで『右手』でアッパーをしながら『右膝』
でケリを入れるだろ?」
「おお、そういえばそうだな」

ぽん、と手をたたいて関心する浩之。

「もう、しっかりしなよ浩之。しょうがないなぁ。あかりちゃん、浩之に本当
の昇竜拳を見せてやってよ」
「うん、いいよ」
「い゛?」
「じゃあ、いくよ、浩之ちゃん」
「わっ、ちょ、まてっ、タンマ!」

あまりに急なことで慌ててガードする浩之。
だが、その慌てたのが功を奏したのか、あかりの昇竜拳をブロッキングするの
に成功する。

『やった!あかりの昇竜拳をブロッキングできた!これもストIIIのおかげか
しら!?ブラボー、ハラショー!!やったぜ、親父ぃぃぃ!!(この間、1/60秒)』

しかし、浩之の幸福も長くは続かなかった。あかりの出した技は唯の昇竜拳で
はなく『真昇竜拳』だったからだ。
『真昇竜拳』は最初の右ボディアッパーがヒットした場合、左手で超威力の昇
竜拳を放つのだが、そのアッパーがガードされた場合はそのまま腕を振り抜い
て多段ヒットする昇竜拳に変化するという、二段構えの必殺技なのだ。

「ほげげげげげっ!!」
げげげげげしっ!!…どさ。

多段ヒット版の真昇竜拳はダメージ的には大したことないとはいえ、必殺技に
は違いない。あわれ、浩之は虫の息だ。

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「そういえばさぁ…」

今度は志保だ。

「そういえばさぁ、あたしの知り合いから聞いた話なんだけど、アッパー豪昇
竜拳から瞬獄殺の連続技が繋がるらしいわよ」
「え?瞬獄殺ってのけぞり状態だとつかめないから、繋がらないんじゃい?」

雅史もなんだかんだでゲームの事は詳しい。瞬獄殺が投げ判定の必殺技なので
相手がのけぞり状態ではたとえ敵の目の前にいても掴めない事を知っているよ
うだ。

「うん、あたしもそう思うんだけど、タイミングによれば繋がるらしいわ。ね
えあかり、ヒロでちょっと試してみてよ」
「え、うんいいわよ。でも、繋がらなかったらゴメンね」
「はいぃぃぃ!?」

あまりの唐突な展開に逃げることすらできない浩之に、あかりはまずアッパー
を入れる。近距離立ち強パンチだ。

「がはっ!」

浩之がのけぞった瞬間、アッパーを昇竜拳でキャンセルする。地上で2ヒット
するように強の、である。

「ぐふっ!がっ!!」

まず、浩之の小腿のあたりに1ヒット。続けてボディに2ヒット目。これで3
ヒットコンボだ。そして、ボディに入った瞬間、強制キャンセルで瞬獄殺に繋
ぐ!

ぴきぃぃぃん!

スーパーコンボ発動により、背景が変わる!
その中を片足を挙げて浩之に近づくあかり…。

つつー…。

そしてのけぞりが解除され投げられ判定が出た瞬間、掴んでホワイトアウト。

どかかかかっ!!
かかーっ!!



                『犬』



曙フィニッシュである。
瞬獄殺でKOすると、このおめでたいフィニッシュが見られるのだ。

「…どうだった、志保?」
「うん、ちゃんと繋がって18ヒットしてたわよ。さすがあかりね」
「えへ。ちょっと照れるかな」

再びお花畑を見るハメになった浩之の傍らに立って照れるあかりは、どう見て
も勝ちグラフィックで敗者を見下ろしてる某格闘家にしか見えない。

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「難しいわねぇ、これ!!」
「そりゃ、難しいよ。タイミングがちょっとでもずれたら、もう繋がらないん
だもん」

今、志保がストIIIのトレーニングモードで遊んでいる。
使用キャラはリュウ。木偶…もとい、敵キャラはラスボスであるギルだ。
そして、志保が今遊んでるのは、雅史が知り合いに教えてもらった遊び方であ
る。

「もう一回やるわ!画面端でまず、真昇竜拳をヒットさせて…」
『真っ!昇竜拳!!』

どすっ!どかどかっ!!

「…で、リュウが着地したらそのまま斜めジャンプ中パンチで吹っ飛んだ相手
に追い打ちして…」

びし、びすっ!!

「…着地したら再び真昇竜拳をヒットさせて…」
『…昇竜拳!』

だが、志保が真昇竜拳を出すタイミングが早すぎたのか、真昇竜拳が『多段ヒ
ットする昇竜拳』になってしまった。
失敗したものの、真昇竜拳から真昇竜拳のコンボなんてトレーニングモードに
はスーパーアーツゲージを常にMAXにする、というオプションがあるからで
きる芸当だ。

「あー、もうイヤ!こんなの、絶対繋がらないわよ!!」
「そうかなぁ。でも、僕の知り合いでも2回がせいぜいだったっけ」
「あたしはもういいわ。そうだ、あかりもやってみる?…って、あかり…!?」

あかりは浩之相手に志保が必死になっても1回も繋がらなかった『真昇竜拳→
斜めJ中P→真昇竜拳→…』をいとも簡単に決めていた。
浩之に。

「す、凄いわ、あかり…」

<おしまい>
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どうも『あけましておはようございます』のUMAです。

今度は『To Heart』です。
で、ネタは見ての通りドルカスの『STREET FIGHTER III W-IMPACT』です。

まずはストIIIの新システムである、ブロッキングの紹介。
続いてトレーニングモードで見つけた新しい遊び方×2です。

アッパー豪昇竜からの瞬獄殺は、タイミングにより繋がります(これは本当)。
儂が試した範囲では、『しゃがみアッパー』から、『強・豪昇竜拳』に繋いで
豪昇竜拳の2ヒット目を強制キャンセルで瞬獄殺に繋ぐと比較的繋がりやすい
みたいです。
相手との距離や相手キャラにより確実に繋がる訳じゃないし、目押しで豪昇竜
拳から瞬獄殺にキャンセルするのも至難のワザな上、多段ヒットによるダメー
ジ補正がかかるので実用性は低いですが(笑)

#ゲームスピードを最低の『SLOW 3』にすると、目押しキャンセルしやすいけ
#どね

また、『真昇竜拳→斜めJ中P→真昇竜拳→…』は画面端限定ですが、ちゃん
と繋がります(これも本当)。
1発目の真昇竜拳後の斜めジャンプ中パンチは、真昇竜拳の着地前から斜め前
にレバーを入れっぱなしにして着地と同時にジャンプして出します。
そして、2発目の真昇竜拳は着地してやや遅めに出すとつながりやすいです。

#2発目の真昇竜拳が早すぎれば、『多段ヒット昇竜拳』になるし、
#2発目の真昇竜拳が遅ければ、相手が着地してしまう(コンボが途切れる)

ただし、トレーニングモード限定(スーパーアーツが無制限)なのでこれも実用
性は低い(…っていうかゼロ)ですが(笑)
なお、『2rd』の方は斜めジャンプ中パンチを当てた時点でコンボが途切れる
みたいなので、コンボ狙いなら『無印(1st)』でどうぞ。

ぢゃ、そういうこって。でわでわ〜(^^)/