Leaf Fight Ver.2000  投稿者:UMA


「敵だ!…来るぞ!!」

パーティのリーダー、コーイチさんが叫ぶ。
同時に全員に緊張が走る。



俺達はまた、隆山で戦ってる。今度の敵は『アンゴルなんとか』とかいう自称
大王で、何でも1999年の7の月に来るハズだったという、恐怖の大王だ。
何故来るのが遅れたか一度問いつめたら、なんと『寝坊しちゃった』たからだ
そうだ。大王の割に間抜けなヤツだ。

「あぶない!浩之、ぼーっとするな!!」
「おっとっ!!さ、サンキュー、コーイチさん」

俺は敵の攻撃をギリギリのところでかわした。

恐怖の大王が寝坊したとか、そんなことはどうでもい。今は目の前の敵を倒さ
ないとこっちの命が危ないことには変わりないんだし。

ちなみに今のパーティは、リーダーが最強のロリ…もとい最強のオニ柏木耕一
さんで、以下、電波使いの長瀬祐介、一般人代表の藤井冬弥、同人界の神千堂
和樹、そして俺、藤田浩之だ。
今回は前回までと違い、5人までパーティが組めるのだ。
それで祐介のヤツが『戦隊物らしく決めポーズくらい作りましょうよ』などと
寝とぼけたことをほざきやがったのだが、俺以外の全員が同意したため『秘密
戦隊ゴレンヂャー』という、こっ恥ずかしいパーティ名なのだ。



「くらえっ鬼の爪!!」

ぴきーん!!

コーイチさんが敵に鬼の爪で殴りかかろうとした瞬間辺りがフラッシュする。
俺達のコンビネーション技の発動だ。
5人版のコンビネーション技の発動だと2回フラッシュするらしいのだが、俺
は未だに見たことがない。

「『主役には――』」

まずは祐介、

「『主役の――』」

そしてコーイチさんと続き、そして最後は俺、浩之が、

「『意地ってものがある。見せてやるぜ、これが――』」

3人のパワーが一気に高まる!!

『真・主役の意地』

3人が同時に叫ぶ!!
俺達、主役ズのコンビネーション技の完成である。

・
・
・

「…あれ?」

後ろにいた冬弥がそんな声を出す。

「ん?どうした、冬弥」
「敵はまだピンピンしてるけど…?」
『ぬぅあにぃぃぃ?!』

俺達はびっくりして敵を見る。すると『敵』は平然としており、たしかにまっ
たくダメージを与えていないようだ。

「あれ?たしかここで理解不能なパワーが炸裂するんじゃ…?」
「ああ、敵の体力を問答無用で1にするハズだぜ…」
「そんな馬鹿な…」

俺達3人は驚く。

「もしかして…不発?」
「…どうやら、そうらしいな」
「まさか、僕達の中に裏切り者が…!?」

ざわっ。
一瞬全員に緊張が走る。が、コーイチさんが否定する。

「そんなハズないだろ…。それより、もしかしてこの中に主役じゃないやつが
いるんじゃないのか?」
「おいおい、コーイチさん。それこそ『そんなハズないだろ』じゃないのか?
俺達は全員LVNの主役なんだし。まあ冬弥と和樹はLVNじゃないゲームの
主役だけど、主役には違いないだろ」
「んー、でも浩之。アニメ版の君は、どうみても主役には見えないよ」
「なんだと、祐介!」
「よし、冬弥。試しに浩之の代わりに君が発動してみてくれ」
「え?ええ、やってみます。浩之、代わってくれるか?」
「ああ、いいぜ。でも、上手く行きますかねぇ」
「やってみないと分からないさ。よし、もう一度祐介から」
「はい」

コーイチさん達はもう一度コンビネーション技を発動させようとしている。
その結果…。

・
・
・

『真・主役の意地、改!!』
「ギャァァァッ!!」

3人のコンビネーション技は発動した。すると『敵』の体力は一撃でゼロにな
った。これが新しいコンビネーション技の効果のようだ。
そして、『敵』は戦隊物の怪人のように爆発した。その時、わざとらしく歯車
やナットといった部品が飛び散るあたりマニアックでよろしい。

・
・
・

吹っ飛んだ敵の残骸を見つめながら祐介がつぶやく。

「ああ。コンシューマにも足のばしてるのに…。いや、それが原因かも知れな
いな」

同じように敵の残骸を見つめながら、耕一が腕組みをしてつぶやく。

「?どういうことですか、耕一さん」

ほとんど何もしていない和樹が耕一に尋ねる。

「コンシューマってことは18禁ゲームじゃないだろ?つまり、浩之は『一般
ゲームの主人公』になったことで、『18禁ゲームの技』は使えなくなったん
じゃないか、ってことさ」
「なぁるほど。このソフトも18禁ソフトですしね」
「そういうこった。ま、俺の憶測だがな。そうそう、冬弥。今の『真・主役の
意地、改』なかなかよかったぜ。浩之と俺たちとで出した『真・主役の意地』
より威力が上だしな」
「そ、そうですか?照れるなぁ」
「よーし、この調子でガンガン経験値を貯めようか。最終決戦は近いし、いく
ぞ、みんな…って、浩之は?」
「浩之?…あれ?いませんね。さっきまでいたと思うんですけど…」

耕一達は周囲を見渡す。が、浩之はどこにも見あたらない。

「しょうがないなぁ。主役じゃないって確定したくらいで…。しょうがない、
俺達だけで行くか」
『おおー!!』

その後、藤田浩之を見た者はいないという…。

<おわり>
----------------------------------------------------------------------
どうも『アニメの浩之って主役に見えないなぁ』のUMAです。

今回のネタはアニメToHeartの主人公である『藤田浩之』です。

あの無気力さといい、やる気のなさそうな顔といい、どう贔屓目に見ても主役
とはいえない容姿といい、放映前に誰かで冗談で言ってた『浩之は主役の座を
おろされたんだよ』って意味が分かった気がします(笑)

で、『主役』でなくなった『主役』が『真・主役の意地』を発動できるか?っ
て疑問に感じまして、こんなSS書いてみました(をい)。


ぢゃ、そういうことで。でわでわ〜(^_^)/~