雑誌広告 投稿者: UMA
その1:柏木家の場合

俺はせがたさんの本を読んでいた。
「ふーん、これが年末に出るスーチーパイの広告か。えっと、何々…」
そして、俺は広告の一点を見て叫んだ。
「こ、これはぁぁぁ!!」
「ど、どうしたの?お兄ちゃん」
傍らでゲームしてた初音ちゃんが驚く。初音ちゃんは、プレイ中の1943に
ポーズをかけて俺が読んでいた雑誌をのぞき込む。
「?」
しかし、初音ちゃんは分かっていない。
俺は広告の一点を震える指で指さした。
「こ、これさ…」
「あ」
ようやく分かったらしい。
「ねえ、お兄ちゃん。これ、応募するの?」
初音ちゃんは下から見上げるように俺に聞く。
「うーん、どうだろう?1名様限定とはいえ、いざ当選したときのことを考え
たら躊躇するなぁ」
「くすくす。良かったぁ。ここで躊躇するって、やっぱりお兄ちゃんはロリコ
ンじゃないんだね」
そういって抱きついてくる初音ちゃん。
「はっはっはっ。そうさ、俺は普通のミユリストだからな」
俺も初音ちゃんを抱きしめながらそう呟いた。



その2:藤田家の場合

俺はせがたさんの本を読んでいた。
「ふーん、これが年末に出るスーチーパイの広告か。えっと、何々…」
そして、俺は広告の一点を見て叫んだ。
「こ、これはぁぁぁ!!」
「ど、どうしたの?浩之ちゃん」
「どうかしたんですかぁ、浩之さん」
傍らでゲームしてたあかりとマルチが驚く。あかりは、プレイ中の1943改
にポーズをかけて俺が読んでいた雑誌をのぞき込む。
「なななな、なんでもないぞ、あかり」
俺はそういって雑誌を背中に隠す。が、背後に回ったマルチにあっさり奪われ
る。
「?」
しかし、マルチは分かっていない。そこへあかりもやってきてマルチが見てい
るページを見た。
そしてあかりは広告の一点を指さす。どうやら、分かってしまったようだ。
「…浩之ちゃん。これ、買うの?」
あかりはにっこりと微笑みながら雑誌から俺へとゆっくりと視線を移す。その
目は笑っていない…。
「いいいいいや、かかか買わないよぉぉ」
俺は引きつりながらそう答える。
「でも、さっきの浩之ちゃん、欲しそうな目してたわよ」
「そそそそんなことは無いぞ。だって、当選したらどこに置こうか考えていた
んだからな」
「…やっぱり買うんだ」
「あ」
いきなりバレてしまった。
あかりは『スーチーパイ』が欲しそう、って言ったようだが、俺は『購入者キ
ャンペーンのブツ』が欲しいと思ったのだ。
「浩之ちゃん、ちょっとこっちいらっしゃい」
あかりは、ゆらり、と立ち上がると隣の部屋へと手招きする。
「なななななにかなぁ、あかりさん」
俺は滝のような冷や汗を垂らしながらあかりについていく。そして俺は死を覚
悟した。

・
・
・

「あれぇ、お二人ともどうしたんです?この購入者キャンペーンの『等身大フ
ィギュア着せ替えミユリちゃん』がどうかしたんでしょうか?」
一人リビングに残されたマルチは分かっていないようだ。

<おわり>
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どうも「遂にジャレコは越えてはいけない一線を越えたようです」のUMAで
す。

先日、サターン系の雑誌を読んでいたら『アイドル雀士スーチーパイめちゃ限
定版発売5周年(得)パッケージ』の広告を見つけまして、そこで『垂涎!等身
大フィギュア着せ替えミユリちゃん(しゃべるよ!)』という素晴らしいアイテ
ム(しかも、1名様限定)の存在を知った訳です。

つまり、9歳の女の子が1名様に当たる訳です。すごいですねぇ…(^^;;


ぢゃ、そういうこって。でわでわ〜(^^)/