投稿0.5周年記念+1週間 投稿者: UMA
「こんにちわー!司会の長岡志保ちゃんでーす」
ステージ上で一人の女、志保が元気よくあいさつをする。
「同じく司会の保科智子です」
傍らにいたもう一人、保科さんもあいさつする。こっちは落ち着いた感じだ。

「ところで何やの?この『投稿0.5周年記念+1週間』って」
保科さんがステージ後方にある看板を指さしながら聞いた。
「ロリコンゲーマーのUMAってボンクラSS書きの人が『リーフ即興小説コ
ーナー』で物書き初めて半年たったってことみたいよ」
「ふーん。せやけど普通『何周年』って正数ちゃう?0.5ってなんや、めっ
ちゃ半端やん。それに、あとから付け足したみたいな『+1週間』ってアホ丸
出しやんか」
鋭い突っ込みだ、委員長(汗)
「まあ、いいじゃないの。あのロリコン作家が過去を振り返ろうなんて殊勝な
こと言ってるんだからさ。半端でもいいのよ」
「ええんかいな」
「いいの。早速はじめのコーナー、行くわよ。はじめのコーナーは『人生はゲ
ーム』のコーナー!!」
志保がコーナー名を紹介する。すると、ステージにある大型スクリーンにどー
んと、コーナー名が映し出される。
「ええっと、このコーナーは作品を『ゲームパロディ』って視点から見直すっ
てコーナーやな」
「そうそう。大小あわせて50個近いゲームネタが転がってるからね。アシス
タントのセリオさーん、資料よろしく」
志保に呼ばれ、ステージ脇からセリオがやってくる。
「はい。まず、パロディの仕方で、3つに大別可能です。1つ目が『リーフキ
ャラをゲームの登場人物に置き換える』パターン。2つ目が『リーフキャラが
ゲームのプレイヤー』のパターン。そして3つ目が『ゲームキャラの技をパチ
ってきた』パターン」
「ふーん。で、具体的には?」
「はい。まず一つ目の該当するのは、
『Vampire Saver』(闇に巣くいし者共)
『Wizardry#1』(アミュレットを求めて)
『コットン2』(こい〜ん!)
『ミユリの部屋』(初音の部屋 〜KING OF MIYURIST外伝〜、他)
そして、リーフのゲームだからパロディと呼べるか怪しい
『Heart By Heart』(戦い、前後編)
『Leaf Fight97』(血、シリーズ)
『To Heart』(うら・まるちにっき)
『White Album』(赤いアルバム)
『痕』(セバスと耕平)
の9本のゲームが該当します。なお、カッコ内はそれに該当するSSのタイト
ルです」
セリオが資料を読み上げる。ちなみにセリオの読み上げるのにあわせて、大型
スクリーンに読み上げたリストが表示される仕組みだ。
「…って、『ミユリの部屋』はゲームのタイトルとちゃうやん。それに、何や
の『他』って」
保科さんが的確な指摘をする。
「いいのよ。美優里って娘、スーチーワールドの聖域なんだから」
「何がええんやろ…。で、2つ目にはどんなんがあるん?」
「2つ目に該当するのは、
『KONAMI ANTIQUES MSX COLLECTION Vol.2』(古(いにしえ))
『TAILS OF DISTINY』(ゲーマー、耕一のある日常(PS版))
『X-MEN VS STREET FIGHTER』(ゲーマー、耕一のある日常)
『電脳戦機VIRTUAL ON』(バリューセットを賭けて…)
『電脳戦機VIRTUAL ON ORATORIO TANGRAM』(バリューセットを賭けて…2(予告編))
そして、
『ミユリの部屋』(ゲーマー、耕一のある日常(波動編)、他)
の6つです。ただし、『オラタン』は現在予告編のみとなっております」
「正確には『ミユリの部屋』はSS版とPS版があるから、7つね」
志保がフォローを入れる。
「…さすが、ミユリスト…。で、最後の3つ目は?」
「3つ目は、1,2に該当しない細かいゲームネタで、
『ELIEN STORM』のプレイヤーキャラのロボット(名前忘れた)
『STREET FIGHTER』及び『VS』シリーズの隆、拳、豪鬼、真豪鬼、メカ豪鬼、
ベガ、ローズ、ロックマン、モリガン、キャプテンコマンドーとその一派
『TAILS OF DISTINY』のフィリア、リリス
『VIRTUA FIGHTER』シリーズの晶、ジャッキー、ジェフリー、ウルフ
『電脳戦機VIRTUAL ON』シリーズのテムジン、ドルカス、ライデン
『私立ジャスティス学園』の愛と友情のツープラトン
そして
『ミユリの部屋』の桜井美優里
の技や行動・性格がそれに当てはまります」
「今度も『ミユリの部屋』…。それにしても、硬派なんだか、軟派なんだかよ
う分からへん、パクり方やな」
「まあね。たいがいが対戦格闘ゲームなのは作者の趣味ね」
「メーカーがかなり偏ってるみたいやけど」
う゛…。それを言っちゃダメだよ、委員長。



「続きまして、今週の目玉ぁ!『登場回数ランキングベスト10』の表彰始め
るわよ」
「『今週の』ってボヤッキーかい!」
保科さんが軽くつっこむ。
…ってあれ?コスイネンだったっけ(汗)いや、トボッケーか…?
「まあ、ええわ。えーっと、まずは第10位。登場回数は5回で、『雫』の長
瀬祐介君、『痕』の柳川祐也さん、そして、『To Heart』の長岡志保
さんの3人やな」
「えーっ、あたしが10位〜?インターネット講座とか、バーチャロン決戦と
か、あたしが主役の話が多いじゃないのに、何でよぉ」
志保が思い切り不平を言う。
「でも保科さんはそれ以外にほとんど出てないんとちゃう?」
「う…。で、でもそれは、あたしが主役向きで脇役にはしづらいってことよ!
やっぱ、『To Heart』の真のヒロインは扱いが違うわね!」
志保は自前のよく分からない理論で勝手に納得した。
「でも10位…」
「何か言った?」
「いえ、別に。時間がないんで、次の人いくで。えーっと、同じ10位の柳川
さんは、同じ『痕』の千鶴さんの眼力の前に服従した役ばっかしなんやね。か
わいそー」
「そうねぇ。あ、作者の柳川像は『痕』本編じゃなくって『LF97』の柳川
さんが元らしいわ」
「あのひどい扱いを見てると、どっちの柳川さんでも信じられへんけど…。あ
と10位なのは、『雫』の主人公、長瀬祐介君やね」
「うん。『雫』本編では根暗な電波使いだったのが、この作者が書くとレトロ
趣味なディープなゲーマーに早変わり!凄いわよね」
「MSXがどうの、って話やろ。今時の高校生がMSXを見て懐かしいなんて
思うんかいな」
「まず、絶対ないわね」
志保が超きっぱり答える。



「じゃ次。第7位!『痕』の柏木梓さん、楓さんと、『To Heart』の
保科智子さんです。以上の3人の登場回数は7回でした」
「え、私が7位?」
保科さんが驚く。
「そう、保科さんよ。この志保ちゃんより上ってのが信じらんないわ。でも、
阪神大震災ネタは保科さんじゃないと書けないと思うからしかたないのかな」
「なんか、恥ずかしいわ…」
真っ赤になって恥ずかしがる保科さん。
「そういえば、作者って神戸に住んでるんでしょ」
「そうやで。それがどないしたん?」
「いやー、その割には保科さんの『神戸弁』ってパチモンくさいな〜って思っ
てね」
「パチモンって…。そげん言わんで良かろーもん。あの作者は博多弁しか喋れ
んっちゃけん」
保科さんが反論する。いいぞ、委員長!
「…保科さん、博多弁が混ざってるわよ…」
志保が小声で耳打ちする。
「あ…。コホン。そ、そういえば、柏木楓さん言うと、食欲魔人コットンの主
役や、宴会ネタの時、放禁用語を連呼したりした娘やな」
咳払いをして、話題を無理矢理変えようとする保科さん。
「そうよ。寡黙なハズの楓ちゃんがここまで饒舌なのが凄いわね。まあ、この
性格が後のあかりに繋がるのかもね」
「ふーん。ところで、柏木梓さんって回数の割に印象にないんやけど…」
保科さんが首を傾げたとき、何者かが現れた。
「…ここに、一枚のレポートがあります」
「だあぁ!せ、セリオ!?」
唐突に、アシスタントのセリオがページプリンタを担いで現れた。これには司
会の志保達も驚いたようだ。
「そ、それでセリオ。何の用?」
セリオがたった今プリントアウトした紙を読み上げる。
「はい。『柏木梓の生態に関する報告書』です。雑魚キャラ的扱い2、数あわ
せの登場2、その他3となってます」
「な、なるほど。だから印象が薄いんやね」
保科さんが納得したようにうなずく。だが、それを聞いた梓がうつむきながら
血の涙を流してるのを司会の二人は知らない…。



「次はベスト5の発表ね。そうそう。上位5人の皆さんにはインタビューコー
ナーがあるので、ステージ上に来てね。じゃあ、時間もないことだし、まとめ
て発表するわね。第5位。『痕』の柏木千鶴さんと『To Heart』のH
MX12ことマルチちゃん。登場回数は8回でした」
「続いて第3位。『痕』の柏木耕一さんと『To Heart』の神岸あかり
さん。登場回数は15回」
「そして、栄光の第1位は…」
『登場回数18回!『痕』の柏木初音さんと『To Heart』の藤田浩之
君です。おめでとう〜!!』
二人の声が綺麗にハモり、次いで会場から拍手があがる。



「では、上位入選を果たしたの皆さんに喜びの声を聞いてみます。まず、マル
チちゃん」
「は、はい、マルチです。とっても嬉しいですぅ」
マルチがおじぎする。
「たしか、作者のデビュー作ってマルチちゃんの話よね」
「はい。あの頃は、作者さんがゲーマーとしての色が出てないみたいで、私や
浩之さんが普通に書かれてるんですよ」
あまいなマルチ。しっかりエイリアンストームのネタが混ざっていたんだよ。
「その話が、作者唯一の『マルチちゃんのエンディング後の話』てのも面白い
わね」
「はい。浩之さんを『ご主人様』とお呼びしてるのはあの時だけですぅ」
「…ここに、一枚のレポートがあります」
「だあぁ!せ、セリオ!?」
再び唐突に、セリオがページプリンタを担いで現れた。
「そ、それでセリオ。今度は何の用?」
「はい。『HMX12の改修報告書』です。HM12、通称マルチには、現在
真マルチ差分DVDにより、事実上HMX12として稼働しています。また加
速装置、サイコガン、バズーカ砲、ミサイルポッド、十徳ナイフが現在装備さ
れています。もっとも、加速装置は装備後、主人である藤田浩之さんの意向で
取り外されましたが。その他、拡張キットとして、わくわく殺戮セットDXと
うきうき殺戮セットMMXが存在します」
「…マルチちゃんって戦闘用ロボットだっけ?」
それを聞いた志保がマルチに聞く。
「ち、違いますよぉ」
マルチは首をぶんぶん振って否定する。
「ほかにも、自前のモップにエネルギーを注入してMBV−04Gテムジンの
ビームソードへ昇華させることも可能です」
だが、セリオはマルチを無視して報告書を読み上げた。
「ふぇぇぇん…」
マルチは泣きながらビームモップでセリオに斬りかかろうとしたが、セリオに
睨まれて、あわててダッシュでキャンセルする。当然の事ながら、レーザーブ
レード部の残光が美しい。
そしてマルチはそのまま、あかりに泣きついた。



「じゃあ次は同じく5位の柏木千鶴さんね」
先程の喧噪を無視して志保が千鶴さんにマイクを向ける。
「こんにちわ。柏木です」
千鶴さんが軽く会釈する。
「千鶴さんは…えっと、その、料理が…あまり上手じゃないっていうか…、そ
の…」
インタビューをする志保が言葉に困っている。
「何ですの?」
千鶴さんは笑いながら聞き返す。が、当然目は笑っていない。
「その…」
「…ここに、一枚のレポートがあります」
「よし、セリオ。後は任せたわ」
三度セリオがページプリンタを担いで現れた。さすがに三度目なので志保も分
かっていたようだ。
「はい。『鶴木屋グループ会長の知られざる真実』という報告書です。殺人的
な料理で妹を暴走させた回数が2、柳川刑事にガンを飛ばし、服従させた回数
が4、真鬼神楽を四姉妹で発動した回数が1、柏木耕一さんを一撃でノシた回
数が1となっています」
「な…何の回数かな…?」
千鶴さんは引きつった笑いを浮かべながらセリオに聞いた。
「当然、『残虐手当』の対象となる行為です」
セリオは『ニヤリ』と笑い返しながら答えた。ちなみにこの『残虐手当』とは
その名の通り残虐行為をすると加算されるボーナスポイントのことだ。
「えーん、そんなこと無いわよ。ねぇ、初音ちゃん」
千鶴さんは、泣きそうな目で初音ちゃんを見つめる。だが、その目は『初音、
死にたくなかったら私の言うことを聞け』と語っていた。アイコンタクト…い
や、同じ『鬼』の血を引く二人だ。意志の疎通はやりやすいのだろう。
「ひっ…。そ、そうよ。お姉ちゃんは悪くないもん」
初音ちゃんは姉の意志に従い、セリオに反論する。うんうん、とうなずく千鶴
さん。
「そうよ。料理が殺人的にダメで私や楓お姉ちゃんを暴走させても、殺気だけ
で周辺の気温を絶対零度まで下げられても、最強のハズの耕一お兄ちゃんを片
手でノシても、ちゃんとお姉ちゃんらしい役回りのときもあったんだから!」
「…は、初音ちゃん。それ、フォローになってないわよ」
志保が引きつりながら言う。彼女の、『人間』としての本能が、地上最強の生
物『鬼』である千鶴さんの怒気を感じ取っているのだ。
「…初音ちゃん…」
千鶴さんは極力怒りを抑えながら初音ちゃんに呼びかける。
「は、はいお姉ちゃん!」
反射的に返事をする初音ちゃん。
「あとで…、お姉ちゃんの部屋へいらっしゃいね…」



「…じゃ、じゃあ、気を取り直して、次は2位の柏木耕一さんと、1位の柏木
初音ちゃんです」
志保は、まだ怯えてる初音ちゃんにマイクを向ける。
「ど、どうも柏木初音です。1位になってとっても嬉しいです」
「柏木です。まさか2位になるとは思わなかったぜ」
初音ちゃんと耕一さんが簡単にあいさつする。
「お二人は、作者のSS内ではよく一緒に登場しますね」
「ああ。作者が俺達を気に入ってるって証拠じゃないか?」
耕一さんはそういって初音ちゃんを抱き寄せる。一瞬、千鶴さんの周囲の気温
が下がったみたいだが気のせいだろう。
「その割に、耕一さんは『ミユリスト』だの、『濃ゆいゲーマー』だの、ロク
な扱いされてへんと思うけど?」
「確かにな…」
耕一さんは笑いながら答えた。
「…ここに、一枚のレポートがあります」
耕一さんが笑っていると、四度、セリオがページプリンタを担いで現れた。
「セリオ、今度は何?」
「はい。『地上最強のロリコンの熱き生き様』という報告書です。サターンを
ほたる、セーラーサターンと呼称したのが1回。ルミナリエに初音さんだけ誘
ったハズが四姉妹をつれていくハメになったのが1回。サターンとプレステの
『スーチーパイドキドキナイトメア』の購入、及び同時プレイが1回。また、
自室にはメモリ8メガのX68000XVI、メガドライブ+32X、マスタ
ーシステム、そしてPC−FX(ソフトは『チップちゃんキ〜ック!』)が鎮座
してるそうです」
「…なんだ、普通じゃん俺」
セリオのレポートを聞いた耕一さんが感想を言う。
「『普通』…かぁ?」
志保がつっこむ。
「もう一枚、レポートがあります」
「え、セリオの出番まだあったの?」
志保が驚く。さっきまではセリオは1度きりの出番だったからだ。
「はい。こちらは『性格反転幼女の真実』という報告書です。物語の語り部が
3回、フェアリーが1回、オペレータが2回、スタンの妹リリスが1回、ドノ
ヴァンのオプション、アニタが1回、ヤンキー初音が3回、そして、桜井美優
里が5回となっています」
「ふーん、フェアリーなんて可愛い役もあったんだ、初音ちゃん」
耕一さんは初音ちゃんの頭を撫でながら言った。
「そのフェアリーってのはな、食欲魔人コットンの奴隷や」
保科さんが解説を入れる。
「どれい…」
耕一さんの手が止まる。
「…ところで、美優里って何?私、初音だよぉ」
涙目で訴える初音ちゃん。
「ああ、あのロリコン作家お気に入りの幼女のことね。その娘のCVを初音ち
ゃんにダブらせてるってのが真相みたいだわ」
「だから初音ちゃんの台詞が美優里ちゃんみたいなのか」
妙に納得する耕一さん。
「その最たる物が、バレンタインの話やね。初音ちゃんが桜井美優里そのもの
なんやもん」
「副題の『KING OF MIYURIST外伝』ってのも的を得てるっていうか、堕ちてる
って言うか…」
司会二人が好き勝手に言う。あの副題は『QUEEN OF DUELLIST外伝』をパクっ
ただけなんだけどなぁ…(^^;;
「けどよう、初音って言えば、俺の状態もあるんだぜ?」
「げぇっ!?ヤンキーモードが発動してる?」
「よっ、耕一!愛してるぜ、ベイベー」
初音ちゃんは瞬時にヤンキーモードへ変化していた。
「初音ちゃぁぁぁん…」
耕一さんが必死でヤンキー初音をなだめる。



「…えっと、気を取り直して、最後は2位の神岸あかりさんと、1位の藤田浩
之こと、ヒロね」
初音ちゃんをなだめる耕一さんを無視して志保が浩之達にマイクを向ける。
「はっはっはっ!俺が登場回数1位か。当然じゃねぇか」
そう言って浩之は大声で笑う。
「うふふ、ありがとう。志保にフルネームで呼ばれるって何か恥ずかしいな」
あかりは微笑んでいる。
「そう?2位なんだから自信を持ちなさいよ。そいうえばあかり、あんた最近
ヒロを目の敵にしてない?」
「えーっ、そんなことないわよ?ねぇ、浩之ちゃん」
あかりがびっくりして浩之に聞く。
だが、浩之は笑っているだけだった。笑いがかなり乾いて見えるが…。
「そうやって。初登場の時は台詞もロクにない役やったんが、真空波動拳、真
昇竜拳を連続で叩き出した辺りから妙に攻撃的になったんちゃう?」
「そういえば、浩之さんと一緒にオリンピックを鑑賞されてたときも凄い怒気
を出されてましたぁ」
保科さんとマルチが実例をあげる。
「ヒロはどうなの?あかりの攻撃によく耐えてると思うけどさ」
「…ここに、一枚のレポートがあります」
浩之が口を開こうとしたところ、懲りずにセリオがページプリンタを担いで現
れた。
「よ、よし、セリオ。読め!」
浩之が命令する。
「はい。『くま好きの少女』の生い立ちというレポートです。真空波動拳が2
回、真昇竜拳が1回、昇竜裂破が1回、瞬獄殺が2回、ESソウルフィストが
1回、ダークネスイルージョンが1回、裡門頂肘が1回、ニーストライクが1
回、チェーンコンボが1回、ヴァリアブルクロス発動が1回、ゼロカウンター
発動が1回、跳び蹴りが1回、膝蹴りが1回、肘撃ちから裏拳への連携が1回
、ビームソードによる斬りが1回、ロケットポッドとレーザー砲による射撃が
それぞれ1回となってます。その他、分類不可能の撲殺が数回確認されていま
す。なお、そのほとんどの攻撃が藤田浩之個人に向けられております」
「…改めて考えると、よく生きてるよな、俺…」
スクリーンに次々と表示される必殺技の数々を見ながら真っ青になっる浩之。
「だって、浩之ちゃんが私のことを困らせるから…」
困ったような顔であかりが言う。
「二人の会話からすると痴話喧嘩や夫婦喧嘩に見えるから、外野がとやかく言
うんはスジ違いかも知れへんな。でも、毎回瀕死の重傷を負わせるのはやりす
ぎなんちゃう?」
「瀕死…って、そんなことないよぉ。私にそんな力が無いの、志保知ってるで
しょ」
泣きそうな目で志保を見つめる。
「たしかにあかりは運動は苦手なほうよね」
「でしょ?それに、浩之ちゃん、次の日にはピンピンしてるから瀕死ってのは
言い過ぎだと思うわ」
「でも、普通だったら即死もののコンボだと思うわよ」
「う…。志保のばかぁぁぁ…」
ヤバい!あかりを怒らせた!志保は死を覚悟して目を閉じた…。
が、
「あれ?」
しばらくしても一向に攻撃される気配がない。そのとき、誰かが志保の肩を叩
いた。保科さんだった。
肩を叩かれて志保が目を開くと、辺りはまぶしい光に包まれていた。そう、あ
かりは、志保ではなく浩之に瞬獄殺をたたき込んでいたのだ。
「…ヒロ…。合掌…」
志保は浩之に向かって静かに掌をあわせた。



数瞬後、あけぼのフィニッシュと共に現れたあかりの背中に「犬」の字が浮か
んだ…。

<唐突だが(笑)おしまい>
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どうも「なんとか半年ぃ」のUMAです。

まだここで物書き初めてほんの半年の若輩者ですが、自分を省みるってことで
こういうものを書いてみました。
えらい長文やけど(汗)

1997年11月27日(木)22時30分24秒の『真マルチパワーアップ計画』から、
1998年05月22日(金)00時47分の『赤いアルバム』まで、32本(感想やレスの
みって投稿も数に入れたら43本)。
だいたい1週間に1本ペースですね。儂は、読むのも書くのも早いほうじゃな
いのでこんなもんです。

作品の全ては、まさたさんの「りーふ図書館」に納められてますので、ご参考
までに。

シリアスな長編に挑戦したこともあったけど、一度話が破綻しそうになって以
来書いていません。
今じゃ長くてもせいぜい前後編止まり、ほとんどが1話完結の読み切りです。

また、『滅殺あかり書き』が板に付いてきたのもあります(笑)

これから、1周年に向けて心機一転がんばります。



ぢゃ、そういうことで。でわでわ〜(^_^)/~