ぐらふぃっくぼーどって奴 投稿者:UMA
ここに、一枚の板がある。板と言っても板チョコとかまな板・かまぼこ板とか
いうのではなく、いわゆるコンピュータの基板だ。
「え?ゲーム基板に手を出したの?お金、無いんじゃなかったの」
違うよあかり。これは初音ちゃんとこから強奪してきたグラフィックボードだ
よ。
「初音ちゃん…って…?」
あれ?そういえば、なんでここにあかりが…?不審に思い振り返ると、カウン
ター気味に膝蹴りが顔にヒットする。
「あかりぃぃぃ。きさん、なんでこげな所に居っとねぇぇぇ!!!」儂は薄れ
ゆく意識の中、そんなことを考えていた。

・
・
・

「ふーん、じゃあ『初音ちゃん』ってその人のパソコンの呼び名なのね」
「ああ。儂の知る限り、愛機に「初音」なんて名付けて萌えてる男はあいつし
かいないがな」
両方の鼻の穴にティッシュを差したままの儂があかりに説明する。
「そいつ、またグラフィックボードを買ったそうで、低性能な方のボードを安
価に譲って貰ったんだ」
某の本と、「肛門男」って本を贈呈してやったのだ。
「さっきは『強奪』って…」
「そうだっけ?気にしない、気にしない」
儂はパソコンの上に乗っているディスプレイTVをどけながら言った。これは
パーソナルワークステーションのモニターだが、15kHzが映るってことで
最近はゲーム機のモニターとして使用している15インチモニター(スピーカ
付き)だ。
次にパソコン本体を広い場所に移設する。続いてドライバーでねじを開け、蓋
を開ける。
「えーっと、PCIスロットは…」
すでに儂のパソコンにはSCSIカードを差しているので残りは1つだけ。こ
れを差せば満杯である。LANボードを買ったらどこに差すのだろう…。
早速指定されたスロットにボードを差す。その時「べきっ」なんていう心が凍
る様なナイスなサウンドが聞こえたが気にしないでおこう。
「…気にしないでいいのかなぁ」
「なんかあったら、そん時はそん時さ」
『そん時』があったらまずいのだが、儂は答えながら内心ビビっていた。
とりあえず、蓋を元に戻してケーブルを差し直す。そして電源を入れる。

ぴぽ!ぢぃぃぃ…かりかりかりかり…。順調に立ち上がってるようだ。

「トホホ神、現れないね」
「はっはっはっ。不吉なこと言うなよ」
軽くつっこみを入れようかと思ったけど、カウンターのリバーサル真昇竜拳が
怖い儂は笑いながらドライバをインストールする。
「ふう、終わった」
正常に稼働していることを確認した儂は辺りに散乱しているボードの箱や取説
を片づける。
「ねえねえ、1600*1200ドットにしたらアイコンが豆粒みたいよ」
あかりが画面の解像度を変えて遊んでいる。
「だあ、文字が視認できねぇだろ!元に戻せよ。今からベンチマークするんだ
から」
一通り片づけが終わった儂は再びパソコンの前に戻ってきたのだ。
「ちっ」
一瞬、殺意のようなオーラを発しながら舌打ちするあかり。
「ええっと、ベンチマークのソフトは…」
儂はそれを無視してエクスプローラを立ち上げてベンチマークソフトを起動す
る。

・
・
・
(採取中)
・
・
・

「…ふむ。まあこんなもんか」
結果を大ざっぱに説明すると、矩形処理が100%〜200%アップ!…なん
だけど、円形処理が逆に10%程度のダウン。
もしかして浮動小数点演算に弱いのか、このボード?一応、3DもOKらしい
んだけど…。
「あ、ねえねえ。ストゼロ2の体験版あったわよね。あれで実際のソフトの体
感速度を調べてみたら?」
「おう、その手があった」
そう言って1枚のCD−ROMをドライブにセットする。このゲームはアーケ
ードやコンシューマで大人気の2D格闘ゲームだ。格闘ゲームが十二分に動け
ば申し分ない性能だ、と言えるだろう。
「あれ?パソコン用の6ボタンパッドって持ってたっけ?」
「うんにゃ、持ってない」
「じゃあ、どうやってプレイするの?」
「当然、キーボードさ」
パーソナルワークステーション版のダッシュをプレイした懐かしい日々を思い
出しながら儂は答えた。
「お、立ち上がったようだぜ。さ、始めよっか」

・
・
・

「…遅いね…」
Pentium166MHzなのにぃ(T_T)グラフィックボードの性能うんぬ
んより、CPU自体の性能が低いのが原因だろう。
「…技出したら一瞬止まるしね…」
メモリ48MBじゃ足りないのかぁぁぁ(T_T)一瞬、スワップファイルにアク
セスしてるっぽいのだ。まさか、100MB位積めってかぁぁぁ(号泣)
「…キーボードで真空波動拳出すしね…」
1P側はテンキーじゃなくってYGHBなのにぃぃぃ…って、あれ?
「…ってそれは儂や!」
そう言って軽くつっこみをあかりに入れる。すると、つっこみを入れた瞬間、
あかりのゼロカウンターが当然のように発動する。
「しまった…!」と思ったがちょっと遅かったようだ…。

・
・
・

「…さ、さて。無事、ボードが稼働できたのが確認できたんで本題に入るぞ」
額から血を垂れ流しながら儂は言った。
「本題って?」
あかりは儂に包帯を巻きながら聞いた。
「ゲイツ窓95式の再インストール。最近謎のフリーズが続いたからな。それ
で新しい機器が増えたからいっそのことOS自体再インストールしてみようか
な、って思ってね」
ごそごそと1枚のフロッピーを取り出す。ゲイツ窓のセットアップディスクと
いう奴だ。久しぶりなんで手順を忘れた儂は、取説も引っぱり出す。
「えーっと、まずはフォーマットか」
取説に従いフォーマットする。時間がかかるがまあ、仕方がない。
「んで、次がインストールか」
あとは画面のメニューに従ってポチポチと入力すれば後は勝手にインストール
されるって寸法だ。とはいえ、この後もう1枚のCDでパッチを当てて、さら
にSerisePack等のパッチを当てないといけないのだが。
「…やっぱり、トホホ神降臨されないね」
あかりが思いっっっ切り悔しそうに言う。
「そこまで悔しがるなよぉぉぉ。…ってあれ?Powertoysが解凍できないぞ?」
DOS窓を見ると「0で除算しましたエラー」で落ちたようだ。
…ってことは…、
「ああっ!時刻が1980年1月1日0時0分0秒に戻ってるぅぅぅ!!」
「トホホ神様がついに御降臨なされたのね!」
ぱぁぁぁっと笑顔になるあかり。
「違う、違うぞ、あかり!ミイソのパッチを入れ忘れてただけだ」
そう、手順を一つ忘れていただけだ。パッチソフトを解凍してシステムディレ
クトリにコピーする。んで、再起動をする。これでOKだ。
「…よし、Powertoysインストール完了っと。あれ?画面の解像度か変えられ
ないぞ?」
瞬間画面解像度変換ツール、Quickresの項目がえらい少ないのだ。
「今度こそトホホ神様がついに御降臨なされたのね!」
目を輝かせて喜ぶあかり。
「そ、そんなぁぁぁ」
確認のためにプロパティを見たら、しっかりと書き換えられていた…。
DirectXの馬鹿野郎、である(T_T)
「さっきDirectXをインストールしたときにディスプレイドライバを書き換え
られたのか…」
しかたなく、儂は改めてドライバをインストールする。
「ふう、これでOKだろ。んじゃ、次はアプリケーションのインストールだ」
「まだ終わんないのね、再インストール…」

・
・
・

<かなり経っておわり>
----------------------------------------------------------------------
どうも「Windows95の再インストールしたんよ」のUMAです。

Windows95の再インストールそのものはすぐ終わったんだけど、アプリケーシ
ョンが数が多くてちと面倒だったっす(MO*3枚分)。
グラフィックボードもパワーアップしたし(旦那、サンキュー(^^)/)、
Windows95も安定したしで今は平穏無事に稼働してます>儂のマシン。


ぢゃ、そういうことで。でわでわ〜(^_^)/~