「美優里ちゃん下さい」 カウンターに着くなり俺は店員に、そう言った。 「は?…ああ、ソフトのご予約の方ですね。ちょっとお待ち下さい…」 店員は、一瞬「こいつ、何言ってんだ」という顔をしたが、意味を理解したよ うでカウンターの棚から予約ソフトを探しはじめた。 「ねえ、耕一お兄ちゃん。『美優里ちゃん』って何?」 傍らにいる初音ちゃんが聞いてきた。 「『スーチーミユリアドベンチャードキドキナイトメア』の事だよ。言ってな かったっけ?」 「それって『スーチーパイ』じゃないの?」 「そうとも言うな」 「くすくす。相変わらず波動レベル高いんだね、耕一お兄ちゃん」 「はっはっはっ。照れるじゃないか」 「誉めてない、誉めてない…って、あれ?こんなこと前にもなかったっけ?こ れってデジャブ…?」 「そうかもな」 俺は笑いながらそう言ったが、ほぼ同じ場面があったのはデジャブではなく現 実のことだ。 まあ、そのことについては深く追求しないでおこう。 ・ ・ ・ 「確か、せがたさんの時は2枚目のディスクから立ち上げたんだよね。お兄ち ゃん」 俺が取説を読んでいると、初音ちゃんが砂沙美をセッティングしながら話しか けてきた。 「ん?ああ、当然じゃないか。もっとも、その前にパソコンのCD−ROMド ライブに入れたんだけどね」 美優里の部屋から立ち上げるのも、ゲームCDをパソコンで閲覧するのも当然 の行いだろう…たぶん。 「案の定、音声ファイルがaifフォーマットだったからな、せがた版は。砂 沙美版はどうかな」 そう言いながらディスク2をパソコンのCD−ROMドライブにセットする。 「でも、確かゲー天の砂沙美版はファイル自体読めなかったよね」 思い出したように初音ちゃんが言った。 そう、なぜか「GUNばれ!ゲーム天国」は音声ファイル(っぽい)が読めな かったのだ。 「こ、今度はいけるだろう…。たぶん」 多少、弱気になりつつエクスプローラを起動する。そして適当なファイルをハ ードディスクにコピーする。が、 『システムエラーです(←当然、こ○ろぎさんの声)』 「なにぃぃぃぃ!!くそにーの呪いかぁぁぁ!」 俺は叫んだ。エラーダイアログによるとリードエラーらしい。これはゲー天の 時と同じ症状だ。 「た、ただのリードエラーでそこまで言うかなぁ」 初音ちゃんが困ったように言う。 「だってよぅ…。しょうがねえ、出来ないんならあきらめるか。じゃあ、初音 ちゃん。これ起動して」 俺は開き直るとパソコンからCDを取り出し、砂沙美の前にいる初音ちゃんに 手渡した。 「ついでに…」 俺はCD棚からせがたさん版のスーチーのディスクを取り出し、せがたさんに セットする。 「お兄ちゃん、何やってんの?」 初音ちゃんが聞いてきた。TVには「PS」なロゴが表示されている。 「せがたさんを立ち上げてるんだよ。せがたさんと砂沙美のスーチーを同時に プレイするためさ」 俺は答えた。TVには「Salor Saturn」というロゴが表示されて いる。 「そういえばせがたさんのセーブデータ、この間ロストしたんだっけ」 初音ちゃんが言った。先日、せがたさんの内蔵電池が昇天してしまい、セーブ データが消えてしまったのだ。初音ちゃんはそのことを差しているのだが、わ ざわざ「ロスト」という単語を選ぶあたりウィズプレイヤーらしい。 「ああ。どうせなら同時進行で美優里ちゃんの愛のメモリーをサルベージする てのが正しいプレイスタイルだろ?」 「『正しい』…のかなぁ」 「正しいさ。さ、始めるか」 そう言って俺はPSとSSのコントローラのスタートボタンを押した。 <終わり?> ---------------------------------------------------------------------- どうも「また堕ちてます」のUMAです。 #冒頭の部分は「波動編」からそのままパクってます 今回「も」スーチーパイドキドキナイトメアです。この間と違うのは対応ハー ド。前回はサターンで今回はプレイステーションっす。 PS版とSS版を同時に起動して検証すると(するなよ)、微妙な違いが分か って面白いっす。 カーソルの明滅速度が遅い(例のポケモン騒動の後だから?)とか、日差しや ズームのエフェクトがPS版には無いとか微妙に女の子のポーズが違うとか、 美優里の部屋の背景が違うとか…。なんといっても、最後の告白んときの美優 里ちゃん(9歳)のポーズが大きな違いだ(笑) #今回は1stプレイで美優里ちゃんに告白できたっす(^^)v ぢゃ、そういうことで。でわでわ〜(^_^)/~