アミュレットを求めて 投稿者:UMA(うま)

「ここか…」

今、僕はGILGAMESH’S TRAVERNの前にいる。ここは、俗に
言う「冒険者の酒場」だ。
数多の冒険者がここで仲間を揃え、そして迷宮へと潜る…。そんなところだ。
もっとも、僕がここに来たのは柏木耕一さんに呼ばれたからだけど。

ぎぃ…。僕は気で出来た大きな扉を開け、店内に入った。

「祐君、遅い!」
僕の姿を見つけた途端、新城沙織が声をかけてきた。
「ごめんごめん」
そう言ってテーブルにつく。テーブルの面々を見ると去年の隆山以来の懐かし
い顔もいた。
「よっ、祐介。元気そうだな」と、柏木耕一さん。傍らには柏木初音ちゃんが
いる。
「よう祐介、相変わらず暗そうだな」と藤田浩之。…大きなお世話だ。彼の横
には神岸あかりさんがいる。
「さて、これで全員揃いましたね。では、冒険に出ましょうか」
かたっと席を立ち、一人の女性が口を開く。柏木千鶴さんだ。
「ちょっと待った。パーティは6人ではないのか?人数が多すぎるぞ」
柳川祐也さんだ。たしか、彼も耕一さんと同じ鬼の人だ。
「ええ、もちろんそれは考えてますよ」
千鶴さんがやんわりと答える。
「ほう、では誰をパーティからはずすのだ?…まあ、俺ではないだろうが」
「いいえ、柳川さん。あなたよ」
「ぬぅあにぃぃぃぃ!?」
「当然でしょ、あなたのCLASSは『ぎんこう』ですから」
『ぎんこう』…それは酒場で金をPOOLし続けるキャラクタのことだ。
「お、俺はNINJAではなかったのか…」狼狽する柳川さん。
「何なら、B1F(0,0)でAMULET of WERDNAをストアし続
ける『おまもり』でもいいわよ?どうする?」
かなり残酷なことをあっさりと言う千鶴さん。
「…ぎ、ぎんこうでいいです…」
柳川さんはうつむいたまま肩を震わせている。かわいそうに、合掌。
「決まりね。では耕一さん、行きましょうか?」
「…あの〜、千鶴さん?実は千鶴さんのCLASSは『あいてむ1』なんです
けど…」恐る恐る、耕一さんが口を挟む。
『あいてむ1』とは、#1ではあまり用をなさないが、BOLTAC’S 
TRADING POSTに売りたくない貴重アイテムをストアするキャラの
ことだ。
「えぇぇ〜っ!?」精一杯かわいっぽく言う千鶴さん。
「『えぇぇ〜っ!?』って言っても、そうなんだから…。冒険には初音ちゃん
をつれて行くから。じゃあ行ってくるよ、千鶴さん」
耕一さんが席を立つのに続いて、僕らも席を立った。
「そ、そんなぁ。耕一さぁぁぁん…」千鶴さんが何か言ってるが、僕らはあえ
て無視した。

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「さてと…」耕一さんが言った。
ここは、CASLEの外。TRANING GROUNDSや迷宮の入り口な
どがある所だ。
「さてと。まずは、B4Fに行ってBLUE RIBBONを取りに行くぞ」
さすが、鬼。発想が人間離れしている。
「ちょ、ちょっと!まだあたし達レベル1よ?!まずは『MUPPHY’S 
GHOST稼ぎ』よね、祐君?」
沙織ちゃんだ。さすがに稼ぎ場所を知ってる。でも、その前にやることあると
思うけど…。
「…それも違うと思う」
「じゃあ、『ダミーキャラを作っては殺しを繰り返して小銭稼ぎ』だな」
浩之が、残酷だがゲーム開始時によくやる稼ぎを提案する。
「…もっと違うよ。最初は武具を揃えなきゃいけないだろ?」
『おお〜』全員が感心したように驚く。…この程度で驚かないで欲しい…。
僕らは、CASLEに戻ってBOLTAC’S TRADING POSTへ
と向かった。

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時は流れて、現在。僕はPRIESTスペルをマスターしたので、クラスチェ
ンジしてMAGEをやってる。ちなみに、沙織ちゃんはMAGEからLORD
にクラスチェンジした。
そして、ここはB10F、つまりこの迷宮の最下層だ。
「…ここがワードナの森か…」僕はポツリと呟いた。
「それは東亜プランの横スクロールアクションゲーム。ここはWERDNAの
部屋よ、祐君」
僕の何気ないボケに、沙織ちゃんが的確に突っ込みを入れる。
「それにしても、どっかで見たようなドアよね。学校の生徒会室のような安っ
ぽいドアだけど本当にここなの?」
あかりさんが、浩之に聞く。
「ああ、間違いないぜ。ほら、ここに看板出てるし」
浩之が指さした先には看板があり、そこにはこう書かれていた。

+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
|  ここは わるい まじゅつし わーどなちゃんの おへやなの  |
|                                |
|   えいぎょうじかん は あさ 9じ から 3じ までよ   |
|                                |
|                                |
|                    * ざいしつちゅう * |
+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+

それは、丸文字で「かわいく」書かれており、「悪の大魔術師」のものとは到
底思えない。
「ど、どうやらWERDNAは在室中みたいだな。初音ちゃん、扉あけて」
「う、うん。お兄ちゃん…」
耕一さんに促され、ドアを開ける初音ちゃん。二人とも妖しい看板を見て動揺
を隠せないようだ。

ぎいぃぃぃ…。

扉を開け部屋にはいると、そこには数人の人影が見える。その中のリーダー格
の男が口を開く。
「ようこそ我が部屋へ、無謀な冒険者よ…」
「貴様がWERDNAか…って月島さん?」
そこにはローブを纏った男、月島祐也がいた。今まで出番が無いと思ったら、
こんな所にいたとは…。
ちなみに、周りにはVAMPIRE LORDとVAMPIREと思われる連
中が彼を取り巻くようにいる。
「ああ、長瀬君か。僕は今、このAMULETを無謀な冒険者から守ってるん
だ。君たちもこれが欲しいんだろ?」
そう言って月島さんは懐から一つのAMULETを出す。それには「箱崎八幡
宮」と書かれていた。
「すっっっっっっごい、ローカルなお守りだな、それ。どうせなら太宰府天満
宮の方が有名じゃねぇのか?」浩之がもっともな意見を言う。
「ソンナコトハナイ。あ○るまんニモ出テタノダ。全国的ニ有名ダゾ」
月島さんの横にいた人…いや鬼が言った。
「誰だ!?」耕一さんが叫ぶ。
「俺ダ…次郎右衛門。久シブリダナ…」
耕一さんをこの名で呼ぶとは、まさか…!
「あーあーあー、…誰だっけ?」しかし、耕一さんは分からなかった。
「ヲイ…」鬼がつっこむ。
耕一さんは腕組みをして考え始める。…でも、思い出せないようだ。
「…俺ハ『ダリエリ』ダ…」鬼が言う。
「そ、そうそう『ダリエリ』。覚えているとも。うん、ダリエリね」
そういって大仰にうなずく耕一さん。
「本当ニ覚エテイルノダロウカ…」
「彼、ダリエリさんはVAMPIRE LORDとして僕の下で働いて貰って
るんだ。ダリエリさん、柏木さんと知り合いなんですか?」
「アア。コイツトハ600年前カラノ因縁ダ。イクゾ、次郎右衛門!」
そういっていきなり呪文を唱え始めるダリエリ。
「くっ…」耕一さんは腕をクロスしてガードする。魔法がそんなもんで防げる
とは到底思えない。

「喰ラエ!『ZILWAN』!!」
呪文を完成させたダリエリ。あれは彼、VAMPIRE LORDが唱えられ
る最強レベルの呪文だ。
ごう、と空気を震わせながら魔力の固まりが耕一さんを襲う!!
しかし、耕一さんには全く効かなかった。
呪文をレジストした訳でもないのに、だ。
「…」
「…」
無言で対峙する二人。
「ナ、何故、効カヌ!?エエイ、モウ一度ダ!!」
そう言って『ZILWAN』を連発するダリエリ。が、やっぱりかすり傷一つ
与えられない。
「…なあ、ダイエー?」あきれたように耕一さんが言う。
「『ダリエリ』ダ」しっかり突っ込みを入れるダリエリ。
「悪い忘れてただけだ、ダリエリ。それはそうと、『ZILWAN』は対アン
デッドスペルだぜ?生きている俺には効かないぞ」
「ア…」
気が付いたらしい。ダリエリは600年も眠ってたせいか、脳味噌が膿んでい
たようだ。
「今だ!『ZILWAN』!」虚をついて呪文を唱える僕。
「ギョエエエ!!」ダリエリはアンデッド。対アンデッド呪文がよく効く。

・
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・

「さて。残るは、月島さんだけですよ」
すでにVAMPIREは全滅している。ちなみにVAMPIREは吉田由紀、
桂木美和子、田中(仮名)、日吉かおり、小出由美子、相田響子、阿部貴之、
橋本、矢島の面々だった…ようだ。Tスペルで一網打尽だったのでよく分から
ないけど。
「くっ…、こうなったらこの世界最強の攻撃呪文を喰らえ!『TILTO…」
月島さんは最強の攻撃呪文を唱え始める!
「『MONTINO』」
僕の魔法封じの呪文であっさり沈黙する。
「な、ならば、毒・麻痺・石化にクリティカル、さらに4レベルエナジードレ
インのおまけ付きの我が攻撃を喰らえっ!!」
今度は月島さんは腕を振りかぶり襲いかかってきた!
「『KATINO』」
今度も僕の眠りの呪文であっさりと眠り始める。WERDNAの呪文無効化率
は高いとはいえ100%じゃないのだ。でも、ここまでうまくいくと拍子抜け
である。
「ZZZ…」月島さんは気持ちよさそうに眠ってる。

・
・
・

「ねえ、どうする?浩之ちゃん」今まで出番がなかったが、BISHOPのあ
かりさんが、浩之に聞く。
「んー。殺すのも忍びねぇし、AMULETだけ貰って帰るか?」
「それがいいわね。初音ちゃんよろしく」
「はいはい…。このころのTHIFEって本当に宝箱開けるしか脳がないのよ
ねぇ」
そういって初音ちゃんは愚痴りながら宝箱に向かい、罠を解除する。
「…あ、あれ…?」開錠に手間取ってるようだ。
「どうしたの?初音ちゃん」
耕一さんが初音ちゃんに声をかける。
「あのね、罠はテレポータみたいなんだけど、難しくって…」
かちゃかちゃと鍵を操作する初音ちゃん。が、まだはずせない。
「はずれないな…。はずれないな…。くそ、はずれねぇじゃねえか、これ!…
こうなったら無理矢理開けるぞ、コラ!!」あ、途中からヤンキー初音になっ
てる。

かちゃり…。

初音ちゃんは罠を解除せず、宝箱を開けた。
やべぇ、OPENってことは…。

OOPS! TELEPORTER

あ、やっぱり。
その後、僕たちは岩の中に飛ばされるのだった…。

<終劇…もといリセット!>
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どうも、「10年ぶりのウィズ1」のUMAです。

今回、ワードナにモンティノやカティノが効くか分かりません。パソコン版で
は効くのは本当だけどね。
本当はこの後、#2と#3も書こうとしてたんだけど、#2と#3ってラスト
が「闘い」じゃないので盛り上がらないな、と思うんでお蔵入りっす(文筆力
がないの…)。

おまけで儂のプレイレポートを(ウィズ1)。
 1.デフォルトキャラにビショップを入れてマーフィの所へ。レベル3の状態
   から稼ぐ無謀な儂
 2.レベル5になったのでモンスターアロケーションセンターへ向かう。
   友好的なグループが現れたので戦わずしてブルーリボン入手。そのまま
   B10へ向かう命知らずな儂。
   このときの最強武器は、ただのロングソード。
 3.一歩歩いた所で遭遇したポイズンジャイアントのブレスで全滅する。
   やはり無謀だったようだ。

まだ、MURAMASA BLADE!もGARB of LORDSも見つか
ってません(T_T)

ぢゃ、そういうこって。