「美優里ちゃん下さい」 カウンターに着くなり俺は店員に、そう言った。 「は?…ああ、ソフトのご予約の方ですね。ちょっとお待ち下さい…」 店員は、一瞬「こいつ、何言ってんだ」という顔をしたが、意味を理解したよ うでカウンターの棚から予約ソフトを探しはじめた。 「ねえ、耕一お兄ちゃん。『美優里ちゃん』って何?」 傍らにいる初音ちゃんが聞いてきた。 「『ミユリーパイアドベンチャードキドキナイトメア』の事だよ。言ってな かったっけ?」 「それって『スーチーパイ』じゃないの?」 「そうとも言うな」 「くすくす。相変わらず波動レベル高いんだね、耕一お兄ちゃん」 「はっはっはっ。照れるじゃないか」 「誉めてない、誉めてない…」 ・ ・ ・ 俺は今、初音ちゃんと一緒に神戸市の某ゲームショップにいる。 目的は最初に書いた通り美優里ちゃんの保護だ。 「…『保護』って?」 「ああ、『買う』って言うよりこっちの方がしっくり来るかなって思ってね。 あれ?初音ちゃん、それは?」 俺は初音ちゃんもソフトを持ってるのに気づいた。 「うんとね、『ウィズ』でしょ、『パワドリ』でしょ。そいでもって、『ステ ラアサルト』」 「…すっっっごい、マニアックなラインナップだね、初音ちゃん」 「えへへ…」 ぺろっと舌を出す初音ちゃん。 「誉めてない、誉めてない…」 そこへ、スーチーを探していた店員がソフトを持ってきた。 「こちらになります。…えっと、お会計は別々で?」 「いや、一緒でいい。初音ちゃん、ソフト出して」 俺は、4本分の代金を支払い店を後にした。 ・ ・ ・ 『わぁ、ミユリに会いに来てくれたの?嬉しいなぁ』 「…やっぱりな」 俺は今、スーチーのゲームCDをパソコンのCD−ROMドライブに入れて、 エクスプローラで閲覧してるところだ。 「お兄ちゃん、何が『…やっぱりな』なの?」 「ん?ああ、このゲームの音声ファイルの事さ。案の定aifフォーマットだ ったからさ。これをwavフォーマットに変換すればWindows95で使えるぜ」 「そうなの?じゃあ、このデスクトップテーマ『美優里.Theme』の音声はスー チー2から持ってきたの?」 初音ちゃんがディスプレイを指さしながら聞く。 「半分はね。残りは、J社のHPからダウンロードしてきたものだよ。それよ り、そろそろゲーム始めよっか」 「うん」 俺はCD−ROMドライブからCDをイジェクトするとせがたさんにセットし た。 <終わり?> ---------------------------------------------------------------------- どうも、「やっぱり美優里ちゃんに堕ちました」のUMAです。 #「お兄ちゃん」を連呼された日にゃ、絶対堕ちますって(笑) #でも愛が足りないのか、最後に告白できなかった…(T_T) この「ゲーマー、耕一のある日常」も今回で3回目。不定期的にネタにしている ので、次はどんなゲームをネタにするかは不明ですけどね。 #1回目「X-MEN VS STREET FIGHTER」 #2回目「TALES OF DESTINY」 #3回目「スーチーパイアドベンチャードキドキナイトメア」 登場したゲームについて補足しておくと、 スーチーパイアドベンチャードキドキナイトメア 恋愛アドベンチャー。おまけで名作「ぶたさん」や宇宙最強の回想モード がついてきます。 Wizardry Llygamyn saga ウィザードリィI〜IIIがセットになった、バリューセット(笑)です。 パワードリフト アーケードからの移植の大型体感ゲーム。大味だけどそこが魅力のレース ゲーム。メガドラ版は開発率10%で立ち消え…。 ステラアサルトSS(ダブルエス) メガドラ32Xからの続編的作品。360度フルに飛び回れるシューティ ングゲーム。当然トレースモード付き。 ちなみにワイドテレビ対応。 です。 このうち、Wizは現在LVNキャラで執筆中です(三部作か?)。 ぢゃ、そういうこって。