「おかあさん!おかあさん!」 その悲痛な叫びは母親にはもう届かない・・ 傍らに立つ男は赤黒く染まっている・・ 少女は男を睨みつける。男はやがて背を向け走り去る。 少女はその姿を瞳に焼き付ける。 温度を失った手をぎゅっと握りしめて・・・ 少女はやがて思春期にさしかかった頃だろうか。少女は予知を見るようになった。周りからは恐れられ、少女は孤独を味わっていた。 高校に入ってもやはり一人でいることが多かった。興味本意で近づいてくる者もいたがやがては彼女を避けるようになっていった。かのじょも又人との交わりを避けるようになっていった。 そしてある男と出会う。その男は彼女を恐れず執ように接してくれた。やがて彼女は徐々に心を開いていった。彼女はおかげで自分の本当の能力に気づく事となった。 そして今になってあの日の出来事が甦る。 いつかの子犬が形を失ってしまった事を・・・ 彼女は知っていた。いつかこうなる事を・・・ だがそれは全て自分の力だとも気付かなかった。 だが今横たわっているイツカの男もあの時からこうなる事は知っていた。 男もこうなる事を感じていた・・・ 男はやがて無が訪れていくのを感じながら・・・ 薄れていく意識の中で目の前で微笑んでいる娘の顔を、琴音の顔をいつまでも眺めていた・・・ ---------------------------------------------------今回初投稿のsmileっす!!どうでしたかぁ?リーフなのにダークで書いてみました。次はまた違うの書いてみます!次回作をお楽しみに!!