いないな(「競作シリーズその弐 NTTT VS その他大勢」「お題:会話文のみ」 投稿者:takataka 投稿日:5月17日(水)00時15分
「おっこっる〜〜でしかっし! ほっんっま〜〜のはなっし! 
 か〜ずきはまだ夢のなっか♪ どうも!
 よ、日本一の同人作家!」
「お前か……」
「元気にゲンコー書いとるか? 今日はあれやで、差し入れや!」
「おう、サンキュな。何もって来てくれたんだ?」
「舟券! 5−4! これはくるでぇ〜〜〜〜。 ほれ! いいからとっとき! 遠慮な
んかいらへんからほれ!」
「お前……それは俺にとってどうプラスになるんだよ」
「当たったらめっちゃ儲かるやん」
「つーかよ、博打って自分で選んで券とか買うから楽しいんじゃねーのか? 人からもら
ってもぜんぜん博打っぽい感じがしねーんだがよ」
「ウチの予想が信用できんゆーことやな?」
「違うって! 自分でやんなきゃ意味ねーだろって話! 同人誌つくんのと一緒だ!」
「同人誌と、一緒……ぐしゅっ」
「なっ……お前……泣いてるのか?」
「な、泣いてへんわいボケェ! 殺すぞ!
 いや、いやでもいまの自分、えーこと言うた! 『同人誌つくんのと一緒』か……そか
そか、何やゆーてもあんたらしいな。んで、ネームだけでもあがったん?」
「おう、見るか?」
「どれ、ちょっと見せてや。ん、なになに……?」
「どうだ? ……ってお前! 何すんだよ! あーあー、びりびり……」
「……なんや」
「あぁ?」
「なんじゃいこのネームは。こんなんお前チンピラの立ち話やないかい! 怒るでしか
し! どないやっちゅーねんこれしかし!」
「俺のせいいっぱいを否定する気かお前!?」
「知るかいそんなん! だいたいどっちがブラザーでどっちが2やねん!」
「どっちも俺のサークル名だよ! 文句あんのか!」
「大有りや! ワレのサークル名次から『甘味亭』でいったれ! んでウチのとこと合体
や! あまからセットでこみパいわしたらんかい!」
「何だよそりゃ……って、ん?」
「ふぁ! なんやなんやいまの音!? ハルマゲドンか? こわ!」
「チャイムじゃねーか、ただの!」
「ぱすてる?」
「ぱすてるはいらん」
「これっと?」
「知るか! いいからそこどけ!」
「あー! ええて、ウチが見にいったるわ。あんたはそこで原稿書いとき」
「いいって! 俺んちの客なんだから俺が出るよ」
「遠慮なんか要らん要らん。猪の坊旅館のホスピタリテーゆー奴をいまおがましたるさか
いに、その両の目によー焼き付けとき。勉強になるでえ」
「いいって!」
「まあ、ウチとあんたの仲やないの。水臭いこと言わんといてや」
「ここは俺の一人暮らしなんだぞ! 女が応対に出てきたらなんと思われるか!」
「あー! 誤解されたいんか? されたいんやな? いやー、なんちゅうこと言いますの
このスケベ。このこのこの」
「お前ほんっとにタチの悪い女だよな……」
「へえ、よく言われますー」
「もういい分かった。行け行け勝手に行ってしまえ」
「そんな……行くときは一緒に、いっしょにぃっ……」
「……お前って奴はよぉ」



「何で戻ってきたんだよ。客は?」
「誰やと思う?」
「チャイムだけでわかるわけねーだろそんなもん」
「ぱすてる?」
「ぱすてるはいいっつってんだろ! 通せよ客をよ!」
「これっと?」
「コレットかい! 客コレットなんかい!」
「んなワケあるかいアホ。なにドリーム見てんねん」
「…………てめぇ…………」
「だからぁー、誰やったらいい?」
「はぁ?」
「お客、誰やったらいい?」
「客の選り好みなんかしたってしょうがねーだろーが! ほら待ってんだろ!」
「言うて」
「……なにを!」
「誰やったらいいか、言うて」
「言ったって仕方が」
「言わんかいコルァ。頓掘でカーネルのおっさんと100m自由形泳がしたろか」
「……そうだな……」
「え、だれだれ」
「……とか……」
「なに照れてんねんこのスケベ。びっといったらんかい」
「桜井あさひ、とか……」
「おおう! よっしゃわかった!」



「で、どうだった? ……なに含み笑いしてんだコラ」
「桜井あさひというよりも!」
「……いうよりも?」
「CMぴーちという感じ」
「同じじゃねえか」
「いやいやいや、違うんやなぁこれが」
「だから誰だよ!」
「ヒント!」
「……なに!」
「横ポニ!」
「瑞希じゃねえか!」
「うわ、自分エスパー? テ、テレキネシス入ってますわー」
「それでわからねえ奴の顔が見たい」
「ほら、とくと見いや」
「おー、見たるわい」
「むー……」
「む……」
「むむむ……」
「……んむ!?」
「…………む」
「……っっ! お前! な、何すんねんなー!」
「エセ関西弁やめんかい気色の悪い」
「っつーかお前、瑞希待たしてるときにそういうことするか!?」
「ええやんか、なあええやんか」
「よくあるか!」
「さあそれでは、このパニクってるさなかにごたいめーーん!
 さ、入ってええでー」
「なにぃぃ!? おい、お前ちょっと待て! うっわ俺顔赤っ……あ……」




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