春木のないしょ! 投稿者:takataka
 しんしんと雪降る中、重々しく歩を進めるオレとマルチ。
 新聞紙製の火事頭巾をきりりと被り、山鹿流陣太鼓(100円ショップで購入)の響きも
いさましく、あくまでも静かに歩いていく。
 BGMは芥川也寸志『忠臣蔵』ってとこだ。

「討ち入りですー! 仇をとるですー!」
 マルチはここにきてますます意気軒昂だ。



 話は三日前にさかのぼる。
「浩之さんっ、お願いがあります!」
 メンテから帰ってくるなり、マルチはがばっとオレの前に平伏した。
「浩之さんとの生活をきちんとはじめる前に、やっておかなければならないことがありま
すぅ!
 わたしと浩之さん、ひいてはメイドロボと人間が仲良く暮らしていくためにどうしても
除いておかなければならない障害があるんです!」

「ふーん?」
 オレは広げていた新聞紙をたたんだ。

 マルチは涙をふりしぼり、こぶしをぐぐっと握り締める。
「それがあの! 悪の権化、春木さんです!」

 そういやマルチに会ったばっかりのときに春木さんの話したっけ。
 春木さんというのは近所の人だが、まだ発売され始めたころのメイドロボをいち早く購
入したので、近所の人のあいだで話題になっていた。

『五年で泣きを見るな』
『いや、三年』
『一年だろー』
 などとささやかれていたものだ。

 どうせすぐに新型が発売されて使い物にならなくなる。普通の人はそれを見越して、商
品の進歩が安定してくるまで買い控えておくもんだ。
 そこをあえて買っちゃうんだから。
 案の定、はやくも購入一年後には春木さんの家から金属のボディをげしげし蹴る音が聞
こえてくるようになった。
 マルチの奴、自分も蹴られんのかと思ってわーわー泣いてたよなあ。

 燃え上がる紅蓮の炎をしょって、マルチは涙ながらに語りこむ。
「毎朝毎晩わたしの大先輩にあたるロボットさんをいじめる春木さん! ヤコペッティも
裸足で逃げ出す世界残酷物語です!」

「おう」
 オレはソファに寝っ転がって、雑誌をぺらぺらめくりながら適当に返答した。
 なかなか景気回復しねーなあ……。

「悪の破壊大帝、春木さんを成敗しないかぎりメイドロボと人類に明るい明日はないので
すー!」
 拳を振り上げ豪語するマルチ。
 どうでもいいが、悪の権化をさん付けで呼ぶな。

「ん、わかった。まあがんばれ。
 夕飯までには帰ってこいよ」
 ふわあぁぁ、とあくびをして、オレはごろんと寝返った。

「え? えええ? ええええええーーーーーーーーーっ!?」
「なんだよう、近所迷惑だぞ?」
「ひっ浩之さん! 何とも思わないんですか!?」
「何が?」
「だってだってこれからわたし春木さんと死合うんですよー? もしかしたら春木さんち
が私の墓場になるかもしれませんよぅ」
「人んちでやたらに死ぬなよ。迷惑だぞ」
「ええええええーーー!!」
 顔の前につくった握り拳をぷるぷる震わせるマルチ。
「浩之さんにとって、私その程度のものだったんですかー!?」
 ふらふら〜と床に崩れる。どこから取り出したのかハンカチを噛んで首をぶんぶん振る
さまは十年前のメロドラマさながらだ。
 どこでおぼえやがった、そんなの。
「うう……このおうちにご奉公に上がってはや三ヶ月、よもやこんな仕打ちを受けようと
は。運命の歯車が大回転でトリプルアクセルの上トカチェフ三連続なのですー」
 マルチはよよと泣き崩れた。
 ったく、しょうがねーなあ。



 と言うようなわけなのだ。
 だが誤解しないで欲しい。オレはあくまでも付き添いであり、実際に討ち入りに行くの
はマルチだ。
 これはマルチと春木さんというご近所メイドロボ関連二大勢力の血で血を洗う抗争であ
り、仁義なき戦いなのである。

「浩之さん、私といっしょに戦っていただけますね!」

 だからして、そんなマルチの頼みをオレはすげなく断った。
「だめー」
「ど、どうしてですかぁ?」
「ごめん、オレ今日生理」
「そ、そうなんですかー」
「おう、プールとかもダメなんだぜ」
「あうー……」
「ま、見学はするから」
「わかりました。生理じゃしょうがないですね……人間さんは大変ですぅ」
 くみし易し、マルチ。

「でもなあマルチ、何もオレたちがやらなくたっていいじゃねーか。
 ああいう手合いはどこかでちゃんと天罰食らうって」
 オレは春木さんが足に包帯巻いて歩いてる姿を何度も見かけたことがある。
 あの人なりに苦労しているのだ。
 怪我するほど蹴らなきゃいーのに。
「そういうわけにはいきません」
 オレは驚きを隠しきれなかった。
 マルチの顔は、今までに見たこともないほどかたい決意に満ちていた。

「あるひととの約束なんですぅ……」

 遠い目をして空を見上げるマルチ。
 まるでその人とやらが大空に笑顔でキメてでもいるかのような感じだ。
 その面影に、鋭角的なフォルムの耳カバーが重なって見えたのは、オレの気のせいだろ
うと思いたい。



 そして、いよいよ悪の城の門前。
 構えは普通の1戸建てだが、この中でどんな地獄絵図が繰り広げられているか……まさ
に鬼の棲家。羅刹の家。
 そして、いよいよ討ち入りである!
「はややー」
 マルチはぶるっと身震いして、おどおどとオレを見て、オレが『親指立てて首切って下
っっ』のサインをやってるのを見ると、深呼吸してごくりとつばを飲みこみ、ふるえる手
を扉にのばして、指先がふれるとびくっと引っ込め、困ったようにあたりを見回して――。
「いいから早く行け!」
 ぺしっ。
「あうー」

 仕切りなおし。
 とにかく、いよいよ討ち入りである!
「地ならしですー。外堀を埋めるですー!」
 マルチはだんだんと足を踏み鳴らす。
「大づちを持てなのですー!」

 ぴんぽーーーーーーーーん。
「ごめんくださーい」

 いたって普通にたずねるオレ。
 ふりかえると、マルチがこてっとずっこけていた。
「討ち入り気分だいなしですぅ……」
 マルチしょんぼり。
 だが、オレは犯罪者になるのはごめんだからな。家宅侵入なんてみっともない。

 がらっ。
「わあ、ご用あらためなのですー! 神妙にするですー!」
 討ち入りだろ、マルチ。
「ううう、やってやるぜなのですー。それはもうけちょんけちょんです!」
 マルチの脳裏にあの時の密談がよぎる。


	「――市中引きまわしの上獄門はりつけ、それしかありません」
	「でもでも、それ、痛いんじゃないですか?」
	「――かなり」
	「ふええ、こわいですー」
	「――臆することはありません。正義はわたしたちとともにあります」


「あ、あなたは! あなたは……えーと、えっとえっと……」
 あさっての方を向いてぶつぶつ言うマルチ。

 はっ。
 思い出した!
 びしっと指を突きつけて、

「シチューかきまわしの上、ごえもんごえごえですー!!」

 マルチ大いばり。
 勢いづいたのか、ナルトのようなぐるぐる目玉で腕ぶんぶん振りまわしつつ、
「さあ、かきまわすシチューはビーフとミルクどっちがいいか選ばせてあげますー!」
 落ち着け、マルチ。

「なんだ、ヒヨッ子ども?」
 春木さんは鳩が豆鉄砲食らったような顔をして立っていた。
 オレは少し緊張した。
 意外かと思うかもしれないが、春木さんはご近所の奥さん方のあいだでも評判のナイス
ガイである。
 身長は高からず低からず、中肉中背、家付きカー付ババア抜き。だがその面差しにはど
こかハードボイルドな影を漂わせた、危険な香りのする男。それが春木さんだ。
 そんな人がロボ蹴り親父とは、人は見かけに寄らないもんだよな。
「おう、藤田さんとこの息子じゃねえか。この春木になにか用かい?」
 自分のことを苗字で呼ぶのもハードボイルド的なポイントのひとつだ。
 ただ家族がいっしょの時とか困るけど。
「やー、実はコイツが春木さんのこと成敗したいって話なんスよ。ほら、メイドロボ蹴る
もんだから可哀想だって。
 どうでしょうひとつ。ここはオレに免じて討ち入りさせてもらえないですか?」
「おう、話はわかった。まあ入んな」
 くるりと背を向け、さっと手招き。
 ハードに洗練された男の背中だ。
「何してんだマルチ、早く来いよ」
 さっさと上がったオレを、マルチは不審げな目で見る。
「て、敵の情けは受けないですー。虜囚の辱めはダメなのですぅ」
「へーきだって。だいたい春木さん奥行っちまったんだから、追っかけないと話にならな
いだろ?」
 マルチは不承不承上がりこみ、壁にささっと張り付いた。
「うう……敵中横断三百里ですー」かさかさかさっ
 気配隠してるつもりか、それで。


「ほう……こいつが最新型のメイドロボか。いい買い物したな、小僧」
 春木さんは、コタツにちょこんと座ったマルチを眺め回し、感心したようにあごをなぜた。
 マルチはというと、小声でうーっと唸りながら上目づかいで春木さんの好奇の視線を受
けとめている。
 よく見ると、コタツに足を入れていない。敵の情けは受けないということか。
「事情はともかく、よく来たな。まあぐっと飲んな」
 オレの前にはワイルドターキーの水割り。
 マルチの前には乾電池。
 なんで歓迎されるのだろうか。謎だぜ。
 せっかくだからとグラスを傾けるオレに、春木さんはどこか親しげなまなざしを投げか
けていた。
 それはまるで若い日の自分を見るような、懐かしむようでいてどこかほろ苦い、そんな瞳。
「藤田さんとこの小僧もこういう買い物をするようになったか……いつの時代も男って奴
は、少年の心を持ちつづけているもんだよな」
 からん、とグラスが鳴った。琥珀色の液体の中にゆるやかに溶けていく時間。
 世代の違いこそあれ、オレと春木さんのあいだにはどこか通じ合うものがあるのだろう。
都会の夜、凍るような雨の中を急ぐ一人の男、胸には通りすぎていった女たちの忘れえぬ
面影が……。

「あー! ひろゆきさんのうらぎりものー!」

「うるせえぞマルチてめえ!!」
「な、なんだか二人で世界作ってますー! ずるいです、私の討ち入りは一体どうなっち
ゃったんですかぁ?」
 あ、そうか。忘れてた。
 ごめんマルチ。
 そのとき、春木さんがすっと立ちあがった。
「わ、わ、わ、やりますかー? その気ですかー!?」
 しゅしゅとシャドウボクシングしてみせるマルチをよそに、春木さんはふすまを開けた。
「来な、ヒヨッ子ども。いいものを見せてやるぜ」


『春木室』
 それが部屋の名だ。
『ただいま春木ちゅう! おしずかに』
 という札もかかっている。
「ここはめったによそ者には見せねえんだが、今回だけは特別だ。よく見ときな、小僧」
 乱雑に散らかった電線やケーブル類、壊れた家電らしきものの山の中に、三つだけ特別
な位置を与えられたものがあった。
「これは――!」
 そう、これは。
 オレは驚愕した。

 日本語ベーシック搭載16ビットパソコン『ぴゅう太』!
 そして……比類なき映像メディア、VHD!!

 ……うわあ……。
 オレは言葉を失った。
 昭和史を飾った歴史的ダメ家電とも言うべきシロモノを前に、畏敬の念を禁じえなかった。
「驚いたか、小僧? ここはこの春木のないしょの小部屋よ。
 言ってみれば、この俺の心の旅の遍歴がすべてここに納められてるってわけだ。タフで
ハードな男の隠れ家だぜ」

 くっはー。
 なんつー無駄づかいっぷりだよ、おい。半端じゃねえよ!

 しかし、とオレは思った。
 特別な位置を与えられた家電のうち、あとひとつの黒い箱状のもの、あれは何だろう?

「不思議そうだな、小僧。
 ……キャプテンシステム、と言ったら分かるか?」

 くらっ

「ひ、浩之さん! しっかりしてください! どうしたんですかー?」
 マルチがオレの肩をぐらぐら揺さぶるのをまるで他人事のように感じていた。
 オレはいつのまにか膝をついてしまったようだ。
 それほどの衝撃だった。

 春木さんは感慨深げに目を伏せて、箱をぽんぽんと叩いた。
「ふふ……コイツはインターネットなんてもんが出てくるはるか前に、在宅診療だのショ
ッピングだのが出来るように作られたニューメディア端末のはしりよ。
 だが、満足に普及もしねえうちにインターネットでそれ以上のことが簡単に出来るよう
になったんで綺麗さっぱり忘れ去られ、サービスも停止されちまった……。
『ママン、僕いらない子供なの?』的なそういう代物だぜ」

 これはダメだ。オレは直感的にそう感じた。
 格が違いすぎる。
 オレやマルチと、この春木さんでは背負っているものの重みが違うのだ。
 たかがメイドロボ一台のローンくらいでぶつくさ言ってた自分がばかばかしく思えてくる。
 ロボ蹴り親父、春木さん。
 この男……でかすぎる!
 オレは自分の男としての器の小ささを指摘されたようで、なんだか恥ずかしかった。

「それが何なんですかー、とにかく成敗ですー」
「いいんだマルチ。もう、いいんだ」
「浩之さん、なぜ止め……はわわああ! 涙!?」
 そう、オレは止められぬ涙をだくだくと流していた。
 ちくしょう! 心の汗が止まりやがらねえぜ!!
「あんた……あんた男だよ、春木さん!
 でも、どうしてそんなにしてまで家電にいれこむんだ?」
 答えるつもりがあるのかないのか、春木さんは腕組みして仰向いた。

「いつもいつもあたらしもん好きってのはヒデエ目に会うもんだ。
 セーターの毛玉取り機でヒゲそろうとして顎を血まみれにしたことがあるか、小僧?」

 首を横に振る。そんなもの、オレは買おうとも思わなかった。
「そうか……そいつが若さって奴かも知れねえな……」
 感慨深げに顎をさする春木さん。顎の古傷が痛むのだろうか。
 その姿にチャールズ・ブロンソンがダブって見える。

「俺がこの道に踏み込んでからというもの、長い年月が経った。
 俺の財布を通りぬけていった数々の家電たち。
 あるものは買って三日で飽き、あるものは箱から出しもしなかったもんだ。
 だがな。たったひとつ、こいつだけは忘れられねえって奴があるのさ。
 まあ来な、小僧」
 オレは言われるままについていく。
 そこには――。

「ED−βっすか……」

 AV棚の中心に鎮座ましましているそれは、家電に積もりがちな静電気性のほこりすら
きちんと払われ、なにやら誇らしげですらあった。

「コイツは俺の相棒さ。
 確かに何かとてこずらせてくれる。テープ買うときもなかなか見つからねえし、レンタ
ルビデオなんか見れやしねえ。
 だが、画質だけはそこいらのVHSなんぞ軽くブッちぎりなのさ。
 そう、さながら眠れる獅子ってとこか。ケチくさい普及率の勘定なんぞ、コイツの画面
の前では色あせちまうってわけよ。
 いつか知り合いの家でS−VHSデッキとやらを見た時俺は思ったね。
『試合には負けたが勝負には勝った!』
 とな……。
 最近こう思うのさ。俺たちみたいな大バカ野郎どもがこういう奴に金を出すからこそ、
技術って奴は進歩するのかも知れねえ……とな。
 おっと、俺としたことがちょいとおセンチになっちまったようだぜ」

 春木さんの目に光るのは……涙……?

「とにかく、ダメ家電のなかにもこんな熱いスピリッツがたぎっていることを忘れちゃい
けねえんだ。そうだろ、小僧?
 使えねえ家電の一つ一つ、コイツらはいわば男の勲章だぜ?」
「春木さん、あんた……」
 リアルに生きる男同士のやり取りに、言葉は要らない。
 にっと苦みばしった笑みを見せる。
 それが世代を越えた魂の共鳴なのだ。
「また来いよ、小僧。今度は台湾製パチモンのスーパーハボキコレクションを用意して待
ってるぜ……」



 真っ赤な夕陽を背に受けて、人とロボがともに歩いていく。
 来る時は雪が降ってたのに、不思議な天気だぜ。
 それはそれとして、ロボはとってもご機嫌ななめだ。

「浩之さんひどいですー。せっかくの仇討ちが台無しですー」
「…………」
「ううう、もうすこしで悪の城を大破炎上でしたのにー。
 そんでもってそんでもって、シチューかきまわしてごえごえ……」
「まるち」
「なんですかぁー?」
「あのメイドロボがそんなに気の毒か」
 こくこくと力強くうなづく。
 オレは重々しく口を開いた。

「じゃあ、委員長に蹴りいれられるクレーンゲームは気の毒じゃねえのか?」

「!」
「あいつだって箱に手がついてるだけじゃねーか……。自力で移動できないからって差別
するのか、マルチ!
 それともいまから成敗しに行くか、委員長を!
 奴は手ごわいぞ! 必殺のローに気をつけろ!」
「わ、わたしそんなつもりじゃ……」
「まだあるぞ! 毎朝毎晩くだらんニュースを耳元で聞かされる志保のピッチ! お前に
奴の気持ちがわかるか!? 葵ちゃんをとったがために見捨てられるカツサンド! 調理
器具として生まれながら、異世界のわけわからん化け物をぶん殴るのに使われたあかりの
おたま!
 どうなんだそのへん!」
「ふええ……わたし、わたし……」
「謝れ! おたまに謝れ!」
「うっ、ぐす……おたまさんごめんなさいですー」
「つーか、ンなこと言い出したらキリねえええええええええええよ!!」
「ふえ……うわあああああん」
 ぐしぐし目をこすって泣き出してしまったマルチを見て、オレはなぜだかふいに心にあ
たたかいものがこみ上げてくるのを感じた。
 そうだよな、春木さん……。コイツもダメ家電なんだ。
 そっと手をのばし、頭をなでてやる。
「うう、ぐすっ、ごめんなさあい、浩之さぁん」
 なおもぐしぐしと泣くマルチ。
「いいんだ、マルチ……。分かってくれればいいんだ」

 オレは今日、ダメ家電業界で誰よりも熱い漢に出会った。
 いまはそれだけでいい。
 沈む夕陽が、何だかいやに目にしみた。



 で、そのあと春木さんはというと。


「モウシワケアリマセン」
「申し訳ねえじゃねええええええよ! てめえまだここの段差越えらんねえのかよ!
 ごめんで済んだらハングマンはいらねえんだよ! あとブラックエンジェルスもな!
 八丁堀の旦那も失業だコンチキショー!」

 どかどかばきげし。

「ヤメテクダサイ」
「ほう。いやだ……と言ったら?」
「ヤメテクダサイ」
「バカにしてんのかてめえええええええ!!」

 どこぼかげしばき。


 あいかわらずだった。



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