尋問レミィ 投稿者:takataka
 授業の間の休み時間。
 オレは背後からこっそりレミィに近づいた。
 よしよし、気づいてない。
 思いっきり息を吸い込んで――
「宮内レミィ!!」
「ひゃっ」
「何だその返事は!」
「ヒ、ヒロユキ……どうかしたノ?」
 きゅっと胸に手を当てて振りかえる。
 こらこら、寄せて上げるんじゃない。
「どうもこうもあるかー!!」
「きゃっ」
「返事は『Sir,Yes sir!』だ! 分かったか!!」
「あの、ヒロユキ……?」
「返事は!?」
「サ……Sir,Yes sir!」
「声が小さい!!」
「Sir,Yes sir!」
「違う! もっと腹の底から声出していけ!!」
「Sir,Yes sir!!」

 さすがは海兵隊の本場アメリカ人。いい返事だ。
 ようし! そろそろ本気を出すぜ!
 変なモード承認!
 変なモード、プログラム・ドライブ!

「宮内レミィ!」
「Sir,Yes sir!」
「お前はちちのでかい女だ!」
「Sir,Yes sir!」
「アメリカンサイズだ!」
「Sir,Yes sir!」
「日本人には負けないぞ!」
「Sir,Yes sir!」

 にやり。
 よーし。よく言った。

「正直に言え! はじめて保科智子を見たとき、どう思った!」
「エ……」
 レミイ当惑。
「返事は!?」
「Sir,Yes sir!」
「よろしい。で、どうなんだそこんとこ」


「えっと……はじめて会った時……、

『にゃはー、勝った!』

 と思いマシタ……」


「オッケー! 終〜了〜!!」
 どんどんどんぱふぱふぱふ。
 ついにこの一言を聞き出したぜ!
 感・動。エモーショナル・ザ・オレ。
 か〜っと赤面するレミィを尻目に、オレは涙を見られまいと振りかえる。
 そこには。


「……毛唐。」


 お、いいんちょ。
「たいがいにしときや、紅毛碧眼のキリシタンバテレンがコラ」
 なに時代の人?



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