悪の瑠璃子 − 零02 − 投稿者:Tago
悪の瑠璃子 − 零02 −
◆ポジティブは疲れるのでネガティブな時間も大切です。でも、ネガティブは切り
がないのでまたポジティブに…うんっ…ん…伸びをしたときのこの全身に血の通う
ジンジンする感触が私は好きですの巻◆
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掲載したもの
 − 零01 −
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掲
載  ◆ − 零(ゼロ) − ◆ − 霸(旗頭) − ◆ − 需(求め) − ◆
予  ◆ − 霪(長雨) − ◆ − 霓(女虹) − ◆ − 霽(晴れ) − ◆
定
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 ぽかぽかです。

 今日の授業は一通り終わり、後は帰るばかりです。
 春の陽気の中一日眠いのを我慢していた私にとって今こうしてダラダラとしてい
る時間はとても貴重なものに感じます。

 横殴りの西日が私の躰を芯まで暖めてくれます。これが夏でしたら一分とじっと
していられないでしょう、まさにこれが私にとっての今出来る事なのだ。

 春といっても、もうすぐ5月です。桜も散ってしまってうちの学校の正門の桜も
全て葉桜に成ってしまいました。

 その正門に目をやると、ぞろぞろと下校する生徒達の中で独り校門の脇でずっと
立ちつくしている女生徒が目に留まった。

 確か私と同級生の筈で、お兄さんが有名な人だとか聞いたことがあるような…

 バンッ!!

 ん…?再び私の机を叩く音が…

「香奈子ちゃん!!」

 瑞穂だ。
 藍原瑞穂、中学生の頃からの友達で私にとって彼女は可愛い妹的存在だ。もっと
言ってしまえば五月蠅く付きまとう足手まといである。
 私より頭一個分くらい小さくて勉強しか取り柄が無いオタク眼鏡でその勉強すら
私が面倒を見る前は…

「香奈子ちゃん、香奈子ちゃん、香奈子ちゃん!!」

「う〜〜、なによ瑞穂。人が気持ち良く『ねがちぶゴッコ』してるところにあまり
大声で呼ばないでくれないかしら」

「だって香奈子ちゃんずっと呼んでるのに全然相手にしてくれないんだもん」

 見ると、彼女の目には既に涙が浮かんでおり、声も涙声に成っていたりする。

「だからわたし…怖くなって…怖くってだから…」

 …………

「ゴメンゴメン」

 私はひょいと立ち上がると、彼女をよしよししてやる事にしました。

「香奈子ぢゃ〜んっ」

 顔をくしゃくしゃにして、私の胸に泣きついて来る瑞穂。可愛いんだなこれが。

「ゴメン、御免ね瑞穂。だからもう泣き止んで、ねっ」

 私は泣きつく瑞穂を少し強引に引き離すとパッチとウインクして見せた。

「う、うん」

 眼鏡の中に隠れた円らで可愛い瞳をゴシゴシと擦る瑞穂。可愛いんだなこれが。

「うんっ…ん…。さて、帰ろうかっ」

 私は思いっきり伸びをした。全身がジンジンで、頭の中がジワジワ〜です。私は
この感触が大好きです。

 気持ちいいんだなこれがっっ!!!

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拓也:瑠璃子ぉ〜〜〜〜〜〜〜どこだぁ(涙)<次回登場の人

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 詮索するなぁ〜、詮索するなよぉ〜。