悪の瑠璃子 − 零01 − 投稿者:Tago
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悪の瑠璃子 − 零01 −
◆春の日差しが心地良いので私はお昼寝タイムですの巻◆
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               掲載予定

 ◆ − 零(ゼロ) − ◆ − 霸(旗頭) − ◆ − 需(求め) − ◆
 ◆ − 霪(長雨) − ◆ − 霓(虹) − ◆ − 霽(晴れ) − ◆

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 時が経つのは早いものですね、高校の入学式から早一ヶ月。

 もうすぐゴールデンウィークです。休み時間などに遊びの予定を立てている島を
よく見るようになりました。

 新しい環境の中で、新しいお友達を作って、遊びの計画を立てて、何か良いなっ
て思います。

 私ですか?

 実はまだ誰とも親しく成っておりません…

 何故か?

 何故でしょうね、きっと私から誰かに話し掛けてないからでしょう。

 …………

「太田さんいつまでそーしてるつもりなの?」

「はひ?」

 『ぼへ〜』と、窓際の自分の席で暖かい春の日差しを浴びながら放課後の一時を
過ごす私に、少し心配そうに声を掛けてくれる女子グループが現れました。

「『はひ?』じゃないわよ!!」

「ふにゃ〜〜ん?」

「あんた馬鹿にしてんの?!あたし達を!!?」

「滅相もない。私は只、気持ちが良いからこうしているだけ、日が沈んだらちゃん
と帰りまふ〜」

 何か皆さん凄く悲壮な顔で私の事を見ております。ひょっとして私心配されてる?

 照れるニャ〜

「おいっ加減にしろよ!」

 バシンッッ!!

 女子グループの一人が私の机を思いっきり叩きました。

「手…痛くない?」

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」

 机を叩いた彼女…何か言葉にならない呻きを上げてるけど、手首でも痛めたのだ
ろうか?可哀想に…

「ちょっと、あんたさぁ。少しくらい顔が良いからって、いい気になんないでよね」

 うん、今、私はとっても良い気持ちです。

「ひょっとして、そうやってさぁ、深窓のお嬢様のつもりなわけ?」

 表現古いよそれ…

『ギャッハハハハハッッ』

 女子グループが一斉に笑い出しました。ひょっとして意味解ってるのみんな?

 知的さん達だね…

「なんで、お前まで、笑うんだよ」

 私はどうやら微笑んでいたようです。

 この微笑ましい光景に微笑まずして、いったいいつ微笑めば好いのだろうか?

 ん〜〜〜。まあいいか、気にしても仕方ない。

「香奈子ちゃ〜ん、帰ろ〜」

 なんか間の抜けた子供みたいに私に呼びかける声…

「憶えてな…」 

 どう理解したら良いのか解らない『捨て台詞?』を耳打ちして、何故かバラバラ
に散って行く女子グループ。

 さて、私はもう少しこうしていよう…

 えへへ、日差しが暖かい…  


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瑞穂:香奈子ちゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん(涙)<忘れられてる人

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 詮索するなぁ〜、詮索するなよ〜。