瑞穂萌え 〜 悪夢 〜 投稿者:Tago
 まえがきSS

 『萌えよ☆みずぴー』イー版

 初音「テクテクテク…」
 みずぴー「鬼を発見しました。これより、この”炒りたて”の豆で迎撃します」
眼鏡を持ち上げて得意気である。

 ザクッ…
 ……………
 ……………

 みずぴー「ホアチャーーーーーーーッッ!!!!!!」莫迦である。
 初音「?」
  ・
  ・
 太田「言えやしない…言えやしないよ…みずぴーが炒りたての豆に手を突っ込ん
で火傷したなんて言えやしないよ…クックックック…」電信柱の陰から見守る太田
さんであった。

                          次回、アル版に続く
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 夢…そこはいつも、真っ暗な空間でした。 

「おはよう、香奈子ちゃん」
 聞こえなかったのか、瑞穂を無視して通り過ぎる香奈子。
「香奈子ちゃん!」
 香奈子は振り返らない。闇の中に消えて行く。
「香奈子ちゃん!」
 香奈子は振り返らない。闇の中に消えて行く。
「香奈子ちゃん!」
 香奈子は振り返らない。闇の中に消えて行く。
「香奈子ちゃん!香奈子ちゃん!!香奈子ちゃんてばっ!!!」
 香奈子は振り返った。
「ウルサイ…」
「え…?」
「ウルサイノヨ…コノ、メガネザル…モウ、ワタシニチカズカナイデ」
「!?…香奈子ちゃん…今…何て言ったの?」
 わたしは、自分の耳を疑った。
 香奈子は再び歩き出した。
「香奈子ちゃん!」
 香奈子は振り返らない。闇の中に消えて行く。
「香奈子ちゃん!!」
 香奈子は振り返らない。闇の中に消えて行く。
「香奈子ちゃん!!!」
 香奈子は振り返らない。闇の中に消えて行く。

  ・
  ・
  ・

 また同じ夢。これで何度目だろう…
「香奈子ちゃん…」
 わたしはベットから上半身を起こした。
 涙が、掛け布団の上に落ちる。何度目だろう…
 掛け布団の上から膝を抱えた。何度目だろう…
 膝を抱えて、フルフルと振るえて…
「香奈子ちゃん…」
 何度目だろう…
 わたしは、憶えている。忘れたりしない。香奈子ちゃんとの記憶、何一つ、失わ
れてなんかいない。全部憶えてる。全部憶えてるよ…
「香奈子ちゃん…ごめんね…」
 だってわたしは、貴女の最後の優しさすら受け止めてあげられなかったのだから
「香奈子ちゃん…ごめんね…」
 心を失っている筈なのに、わたしがあの事件に巻き込まれないようにあんなこと
を言ったんだよね…
「香奈子ちゃん…ごめんね…」
 わたしは、何も知らずに、勝手に傷ついて、結局、あの事件に首を突っ込んで…
「香奈子ちゃん…ごめんね…」
 わたしは、なんて莫迦なんだろう…


                      To be continued
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 次回  〜 矛盾 〜