継承(6) 投稿者:R/D 投稿日:7月6日(木)22時50分
 自宅から真鍋の妻が入院していた病院に電話を入れる。当直医を呼び出し、色々と問い合わせ
た結果、明日は朝から産婦人科医が出勤していることが分かった。朝一番で病院に行こう。それ
から『メドー』を購入した店だ。真鍋夫妻は『メドー』を医者の忠告で購入したのだから、医者
に聞けばどの店で買ったかも判明するだろう。

 それだけ確認しておくと矢島はベッドに横たわった。天井からぶら下がる蛍光灯の明かりが網
膜に映像を結ぶ。物言わぬ蛍光灯、物言わぬ天井、物言わぬ部屋、物言わぬ家。それは矢島にと
って馴染みのものたちだった。彼はもう何年もの間、沈黙と伴に人生を歩んできた。
 自分の家の中で、最後に他人の声を聞いたのはいつだっただろうか。妻が死んでから、自分以
外の誰かがこの家に上がり込んだことはないはずだ。あの夏の日、『メドー』が認可されたあの
時から、この家は沈黙に支配されてきた。死者は何も語らない。自らが欲した半身をついに手に
入れることが叶わなかった男だけが取り残され、無駄に生きている。
 自分はなぜ彼女の後を追うことができなかったのか。真鍋のように、すべてを置いて消え去ろ
うとしなかったのはどうしてなのか。真鍋は子供すら置き去りにした。子供のいない自分はそれ
でもこの世に留まった。
 つまり、未練があったのだろう。矢島は自分自身をそう分析した。何かが自分をこの世界に引
き留めた。自分は何かにこだわった。真鍋にはこだわるものがなかった。その差はどこから生じ
たのか。

 立ち上がり、ダイニングへ行く。冷蔵庫の中から缶入りアルコール飲料を取り出す。いつもの
ように、しばらく缶のラベルと睨めっこをする。矢島はため息と伴に蓋を開けた。ベッドへ移動
し、軽く缶の中身をあおる。
 何もない部屋。真鍋の部屋ほどではないが、この家にもほとんど家具はない。中年の男やもめ
が暮らす家にあるのは、機能的で無愛想なゴミばかりだ。生まれてくる子供のために真鍋が残し
た各種のメイドロボ用オプションソフトのような、ある種の華やかさを感じさせるものはここに
はない。
 もしかしたら。矢島は考えた。
 もしかしたら、自分と真鍋の差はそこにあるのではないだろうか。彼は、まだ生まれる前だっ
たが、この世界に子供を残していた。一方、矢島と亡妻の間には子供はなかった。こちらがゼロ
だったのに対し、真鍋はほんの0.1程度とはいえプラスだったのだ。その差は大きい。
 彼はこの世界に自らが生きた証を既に残していた。矢島にはそれがなかった。真鍋は自らの遺
伝子を受け継ぐ子供を残してこの世を去り、一方で自分自身を継承する存在がいない矢島はいま
だにこの世にしがみついている。
 皮肉な笑みが知らず頬に浮かぶ。何のことはない。自分も真鍋も、本能だけで行動する獣と同
じレベルで生き、死んでいったのだ。昔、どこかで聞いた話を思い出す。生命というのは遺伝子
の乗り物に過ぎない。遺伝子が新しい乗り物に乗り換えれば、生命の存在意義は失われる。我々
は自分の遺伝子を次代に伝えるためだけに生きており、その仕事が終われば用済みとなって消え
ていくのだ。乗り換えが終わった真鍋と、まだ乗り換えていない矢島。遺伝子の次の乗り物を用
意できたものと、できなかったもの。
 数多くの子や孫や曽孫に囲まれて死ぬ。それを人は大往生と呼ぶ。確かにその通りだ。遺伝子
が生存競争を繰り広げるこの世界では、子孫を多く残したものは勝者となる。いかに金を儲けよ
うと、どれほどの権力を握ろうと、子孫がいなければその人物は生物学的に見れば敗者だ。勝利
を掴んだと思った真鍋は未練なく去り、敗者になりかけている矢島は生き続けている。まだ自分
が勝者になる可能性を残すために。
 春木の顔が思い浮かんだ。人間の男性が若い女性を好むのは、若い女性ほど多くの子供を産む
可能性を持っているからだという。そうした女性と一緒になれば、自分の子孫を数多く作ること
ができる。生存競争の、進化の勝利者になれる。だから男は若い女性を前にすると理性を失うの
だ。どんなに枯れた風を装っても、己の中の遺伝子が勝ち残れと叫び続ける限り。

 乱暴にアルコールを流し込む。矢島は春木から逃げ出した。彼女が示す様々な好意にしり込み
して。理由は分からない。自分でも説明がつかない。春木を嫌っているつもりはない。亡妻とは
かなりタイプの違う女性だが、一緒に行動して違和感や嫌悪感を覚えたことはない。
 なのになぜ逃げるのだろうか。例えば今夜など、彼女と一緒にどこかへ飲みに出ることだって
できただろうに。こんな何もない部屋で一人缶入りアルコールを空けるより、いい雰囲気の店で
若い女性と飲んだ方がよほどましではないか。どうしてそうしないんだ。亡妻に遠慮しているの
か? 悲しみのうちに死んだ彼女に同情しているからか? 死者に操を立てたところで、誰も喜
びはしない。死者は何も言わない。
 それとも、お前は証明したいのか。自分がただの獣ではないと。遺伝子に操られるだけのマリ
オネットではないのだと。生物学的には無意味な行動を敢えて取る。それが人間の証明だとした
ら、若い女性を目にしながらしっぽを巻いて撤退するのも人間らしさなのだろうか。
 あるいは怖いのか。春木もまた、あの若くて健康そうな女性もまた、亡妻と同じように環境ホ
ルモンに侵されている可能性があることを恐れているのか。妻の思い出を振り切って彼女と一緒
になったのに、またあの体験をしなければならないかもしれない。そのことに怯えているのか。
人間たちだけではどうしようもなくなり、最後には『メドー』に頼るしかないとなったら、自分
はどうするだろう。かつて自分が射殺したあのメイドロボに、自分が殺した存在に助けを求める
ことになったら…。
 缶を傾ける。中身はほとんどなくなっていた。矢島はベッドから立ち上がって再び冷蔵庫へ向
かう。酔えない。とても酔えそうにない。だが、飲まずにはいられない。新しい缶を掴んで蓋を
開ける。女の笑い声が聞こえたような気がする。

 長い夜になりそうだった。



 メイドロボが矢島を睨む。彼が狙撃したメイドロボが、恨めしそうな目で矢島を見る。額の真
ん中に開いた穴がまるで三つ目の眼球であるかのように矢島に向けられる。暑い。メイドロボの
背後に誰かがぶら下がっている。スカートから出た2本の足が影になって揺れる。陽射しが容赦
なく射し込む。暑い。ビニールシートから覗く顔が矢島をなじる。何かの警報の音がする。矢島
は応接室で待たされたままだ。暑い。音が大きく響く。誰かが音に混じって非難の声を上げる。
逃げるの、逃げるの。ベルが鳴る。熱でビニールシートが溶ける。溶けてメイドロボと混ざる。
暑い。うるさい。

 目が醒めるとベッドの上だった。身体中が嫌な汗でじっとりと湿っている。矢島は額を腕で拭
った。腕にまとわりつく水分が彼の不快感を増す。思わず唸り声が漏れる。その声に重なるよう
にまたベルの音がした。初めて誰かがドアベルを鳴らしていたことに気づく。
 矢島はベッドから立ちあがる。室内にアルコールの臭いが充満している。眠れないまま空けた
缶がいくつも床に転がっている。脳内で道路工事が行われているようだった。矢島は今一度唸り
声を上げ、玄関へ向かった。窓から射し込む強烈な陽射しが眼球を刺激する。
 外にいる人物を確認すらせず、勢いに任せてドアを開ける。ドアベルを鳴らそうと腕を伸ばし
た格好のまま凍りついた春木がいた。驚きに目を大きく見開いている。矢島の表情が一段と凶悪
になった。だが、怒鳴り上げようと口を開いた矢島はあっさりと春木に機先を制される。

「矢島さん、服着替えなかったんですか」

 彼女は腕を伸ばし、矢島の首筋に絡むネクタイを掴んだ。昨日はアルコールをあおりながらい
つの間にか眠り込んでいた。かなり遅くまで起きていたのは覚えているが、そういえば着替えた
記憶はない。矢島はできるだけ不機嫌な声を出した。

「それがどうした」
「昨日も思ったんですけどこのネクタイ、矢島さんには合わないです。もう少し派手目のものが
いいですよ」
「…余計なお世話だ」
「若い女性のアドバイスはちゃんと聞かなくちゃダメです。特にファッションについてはね。い
つも思ってたんですけど、矢島さんって若い頃は体育会系だったんじゃないですか。センスが野
暮ったいですよ」

 春木はわざとらしいほど明るい声で話し続ける。黙れ、女房でもないくせにくだらないことを
言うな。そう怒鳴ろうとして矢島は言葉を飲み込んだ。沈黙。屈託ない表情を作りこちらを見つ
める彼女に向かい、矢島は無機質な声を出した。

「何しに来た」
「…冷たいんですね」
「愛想良くしなきゃならん義理はない。とっとと署に行け」
「行きません」
「何だと」
「今日は休みます」
「おいっ」
「どうも気になることがあって夜も眠れないんです。お蔭できょうは寝不足で調子が悪くって。
署には体調がすぐれないから休むって言っときました」

 春木は舌なめずりせんばかりの笑みを浮かべた。目の前の若い女性は、どうやら矢島と同じ手
を使ってあの上司から逃げ出したようだ。矢島は呆れて言った。

「体調のすぐれない奴がこんなところで何をしている」
「気になることさえ解決すれば体調も元に戻ると思うんですよね。あの『メドー』のメモリーに
何が残っているのかってことが分かれば」
「分かれば教えてやると言った筈だ」
「矢島さんだけ先に答えを知るのはずるいです」
「そういう問題じゃないっ」
「そういう問題です。それに、最初にこのヤマはおかしいって気づいたのは私です。矢島さんよ
り前に」
「それはお前が俺より先に現場に入ったからだ」
「ええ。つまり先着順で言えば私の方に優先権がある筈です」
「あのな」

 矢島はこめかみに指を当てた。体内に残るアルコールが頭の働きを鈍らせている。それに睡眠
不足も追い打ちをかけている。こんな小娘一人あしらうことができないとは。勢いに乗るように
春木が畳みかける。

「それに矢島さん、さっきから随分とアルコールの臭いをさせてますよね」
「…それがどうした」
「そのまま電動自動車に乗って運転するつもりですか」
「もうアルコールは抜けている。これは部屋の中の臭いが染みついているだけだ」
「交機がその言い訳で納得してくれればいいですね」
「俺を、脅すつもりか」
「まさかあ。いいアイデアを教えてあげようと思っているだけですよお」

 矢島は髪の毛を掻き毟りたくなった。

「私も免許くらい持ってます。矢島さんの代わりに運転することができると思うんですけどお」

 生物はすべて己の子孫を沢山残すことを目的として生きている。だから生物はすべて、子供を
イメージさせる何かを見たり聞いたりした時には、その相手に好意を持つようにプログラムされ
ているのだ。子供を保護したいという本能を強く持つ生物ほど、多くの子孫を残すことができる
から。舌足らずな喋り方は、人間のそうした本能のスイッチを入れる。それを知っているから、
人は相手の好意を得たいと思う際にわざと舌足らずな話し方をしてみせる。恋人同士がよくやる
ように。だが、歳を取るとそういった行動に対しては嫌悪感を覚えるものだ。本当の子供が舌足
らずな話し方をするならいい。しかし。
 矢島は目の前にいる女性を見ながらため息をついた。なぜこうとげとげしい感情が浮かぶのだ
ろうか。どうして自分は憤慨しているのか。いちいち目くじらを立てるほどのことではない。そ
れに、自分はそんなに短気な人間ではない筈だ。これは寝不足で気が立っているためか。
 思えば昨晩は結局ほとんど寝ていない。いつまでたっても酔えず、眠気も訪れないままうじう
じと考え続けていた。考えたところで答えが出る訳ではない。それでも。

「矢島さん、ここで睨めっこしてても仕方ないでしょ。取りあえず着替えてきてください。あ、
それと矢島さんの自動車のキーありますか。先に車を出しておきますから」

 黙り込んだ矢島に向かって春木がそう言った。何か言い返そうと考えた矢島だが、うまい言葉
が思いつかなかった。女を相手に言葉で勝とうとするのが間違っているのだろう。矢島は渋々と
キーをポケットから取り出し、彼女に渡した。そしてすぐに着替えるために室内へ引き返す。瞼
が重かった。予想以上に睡眠不足がこたえている。



 春木の運転は安定感があった。軽やかにハンドルをさばき、スムーズに路上を走っていく。助
手席に座っている際にはひたすらナビを凝視していたのに、運転席にいる今は横目で時折ナビを
見るだけだ。それでも道を誤ることなく、矢島らは真鍋真沙子が入院していた病院に着いた。
 すでに受付が始まっており、多くの患者が正面入り口から出入りしている。年寄りが目立つ。
彼らの間をくぐり抜けるようにしながら矢島は受付に向かった。おとなしく座っている若い看護
婦に身分証明を見せた。看護婦は無表情に頷いて内線用の電話を取り上げた。電話の声を聞いて
矢島はこの看護婦がメイドロボであることに気づく。よく見ればあの特徴的なセンサーが看護帽
の下から覗いていた。思ったより睡眠不足の影響は大きい。こんなものに気づかなかったとは。

「――香坂がお待ちしております」

 メイドロボは産婦人科医の名前を告げた。矢島は黙って頷き、リノリウムの廊下を歩き出す。
春木は後ろに小走りについてくる。たどり着いたのはすっきりとした色の壁紙に囲まれた診療室
だった。カーテンによる仕切りがいくつもある所は診療室らしいが、それ以外はほとんど器具も
見当たらない。

「警察の方だそうで」

 立ち上がって彼らを出迎えたのは筋骨隆々とした大男だった。背の高い矢島と比べても遜色の
ない身長であり、横幅は遥かに勝っている。産婦人科というのは結構体力を使う商売だと、前に
聞いたことがある。この男にとっては天職かもしれない。年齢不詳のその男に向かって矢島は身
分証明を示し、訪問した理由を説明した。

「…真鍋さん、ですね。少々待っていただけますか」

 香坂医師は椅子をくるりと回転させると机に向き直り、デスクトップパソコンのキーボードを
素早く叩いた。ディスプレイに表示される記録をしばらく睨む。やがて大きく頷くと香坂は再び
矢島の方に向き直った。

「思い出しましたよ。あの仲のいいご夫婦ですね。確かに、依頼を受けて奥さんの精密検査を実
施しました」
「で?」
「ご存知でしょう。今、子供の欲しい夫婦の間で一番の問題になっているアレです。環境ホルモ
ン症と一般的に言われてますが、妊娠しても上手く育たないというあの症状です。真鍋さんご夫
妻もこの問題に悩まされていました」

 香坂は大きな声ではきはきと話した。子供のことで不安になっている患者にとっては、この自
信に溢れた態度が信頼を寄せる要因になるのだろう。

「真鍋さんに『メドー』の購入を勧めたのは先生ですか」

 横合いから春木が口を挟む。香坂は彼女の目を見ると顎を引いた。

「ええ。正確には真鍋さん…ご主人の方ですが、そちらから相談を受けてどうしても子供が欲し
いならと」
「購入するタイプや店の相談は受けましたか」
「はい。別にどこの店でも同じなんですが、こちらの病院と提携しているところがあるのでね」
「真鍋さんはその店で購入したんでしょうか」
「おそらくそうだと思いますよ。お店の名前も必要ですか?」
「是非」
「でしたらこれを」

 香坂は引き出しを開けるとそこに積み重ねてあったコピーを一枚抜き出し、春木に手渡した。

「店の紹介まで求める方が多いのでね。こうやって連絡先を入れた紙を予め用意してあるんです
よ。まあ、実際にこの店を使う人がどれくらいいるのかは知りませんが」
「じゃあ、真鍋さんもここで買ったとは限らないんじゃ」
「分かりませんが、生真面目な方でしたから、多分こちらで購入したと思います」
「真鍋夫妻は『メドー』に頼らない限り、子供は無理だったんでしょうか」

 矢島が問いかけた。香坂は律儀に矢島の方に向き直って話をする。

「環境ホルモン症の方は決して妊娠ができない訳ではありません。実際に多くの人がその気にな
れば妊娠、出産できます。問題はその後です」

 医者は天井に視線を向けた。多くの患者の前で説明している言葉を思い出そうとしているのだ
ろう。

「環境ホルモンを浴びた胎児は、何らかの欠損を持って生まれてくることが多いのです。欠損が
なくても、正常な成長が妨げられいることが大半です。量は余り関係ありません。元々、ホルモ
ンとは極めて微量でも大きな効果を発揮する物質ですから。問題はむしろタイミングです。胎児
にとって正しいホルモンを正しいタイミングで浴びることが、その成長にとって極めて重要なん
です」

 矢島は昔を思い出していた。亡妻と伴に医者を訪れた際にもこういった説明を受けた。当時の
彼にとって、それは絶望の声だった。

「体内に環境ホルモン物質を蓄積している親から生まれる子供は、成長が上手く行かない可能性
が高い。絶対ダメとは言えませんが、自ら生むより『メドー』を使った方がリスクが少ないのは
事実です」
「では、真鍋夫妻も」
「『メドー』に頼らずとも子供は産めたでしょう。その子が普通に育つ可能性もあったと思いま
す。だけど、リスクを回避したければ『メドー』を使った方がいい。私はそう説明しました」
「そして、真鍋は『メドー』を買う方を選んだのですね」
「真鍋さんだけではないですよ」

 香坂医師の表情が歪んだ。何事にも動じないように思われた人物がここまで感情を露わにする
と思っていなかった矢島は意表を突かれた。

「…正直言って、今やほとんどの人が『メドー』に頼ろうとするんですよ。この産婦人科を訪ね
る人のほとんどがね。それだけ環境ホルモンの影響が大きいんです。この国に住む人の大半が、
子供を産もうとするなら『メドー』を購入するしかなくなっている。他国でも似たような状況で
す。もしかしたら、この星に住む人間のほとんどが、すでに環境ホルモンに冒されているのかも
しれない。我々は永久に消えない傷痕を負ってしまったかもしれないんです」

 彼の沈鬱な表情を見て、春木が恐る恐る口を開いた。

「それって、もう人間には子供が産めないってことですか」
「そうは考えたくありません。考えたくありませんが」

 医者の言葉はどうしてこう、悪魔の囁きのように聞こえてしまうのだろうか。矢島は隣に座る
若い女性の横顔を見た。青褪め、唇の震える横顔を。




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