深夜の生徒会室では淫らな行為が行われていた。その首謀者は前生徒会長の月島さんだった。 彼は太田さんをはじめとした生徒会のメンバーを毒電波で操り、夜毎乱交パーティーを繰り広げ ていたのだ。そして、僕もその罠に嵌まった。巻き込まれた瑞穂ちゃん、沙織ちゃんともども、 月島さんに身体を操られ狂気の世界へ叩き落されようとしていたのだ。 股間に顔を埋める女生徒を見ながら、朦朧とする意識の中で僕は瑠璃子さんのことを思い出し ていた。彼女のことだけ考えていた。瑠璃子さんに会いたい。瑠璃子さんに会いたい。僕が、心 を失ってしまう前に。 その時、生徒会室の扉が開いた。 瑠璃子さんはじっと僕の顔を見つめていた。うっすらと閉じた焦点の合わない瞳。やがて、彼 女はその手をゆっくりと僕に伸ばした。 「…行こう…長瀬ちゃん」 彼女はいつもの淡々とした口調でそう言った。 「…瑠璃子さん」 僕は身体の自由が戻っているのも確認しないまま、上に乗った女生徒を跳ね除けて、まっすぐ 瑠璃子さんのもとへと駆け寄った。 「瑠璃子さん」 僕はもう一度、彼女の名前を呼んだ。瑠璃子さんが、優しく微笑んでそれに応える。僕は、強 く、強く、瑠璃子さんを抱きしめた。 瑠璃子さんの匂い。瑠璃子さんの肌。瑠璃子さんの体温。瑠璃子さんの鼓動。瑠璃子さんの息 づかい。瑠璃子さんという確かな存在感。 「…瑠璃子さん」 「…長瀬ちゃん」 二人は互いの名を呼び合った。 「…外に出る前に、社会の窓から覗いているソレをちゃんと中に仕舞った方がいいよ」 「こりゃうっかり」http://www1.kcn.ne.jp/~typezero/rdindex.html