伝説2 投稿者:R/D 投稿日:4月22日(土)22時47分
  アーサー王誕生前史

 アーサーの父親であるウーサー・ペンドラゴンはコーンウォールの王ゴルロイスの妻、イグレ
ーヌに横恋慕した。それを知った魔法使いのマーリンは、魔法の力でウーサーが間男できるよう
に取り計らう。

浩之「…で、何でオレが間男なんだ?」
雅史「間男じゃなくてウーサー・ペンドラゴンだよ」
浩之「そういうお前は何の役だよ」
雅史「もちろん、大魔法使いマーリンさ。本当は来栖川先輩がやる筈だったらしいんだけど、浩
  之の浮気の手伝いをしなくちゃいけないと聞いて怒っちゃってね。多分、後で呪いをかけら
  れるから覚悟しといた方がいいよ」
浩之「おい待てっ」
雅史「んで、お相手のイグレーヌ王妃は保科さんがやるらしいね」
浩之「委員長が? それじゃ間男される亭主は誰が?」
雅史「神戸時代の友人だってさ。もっとも具体名は分からないんで、とりあえず仮名で登場して
  もらうことにしたそうだよ」
田中(仮)「どーも、コーンウォール王です」
浩之「…これって雫の登場人物じゃねえか」
雅史「まあ細かいことは気にせずに。それじゃ行ってみようか」
智子「あ、ちょい待ち。藤田君が来るんやったらその前にシャワーを…」
雅史「あー違う違う。保科さんのベッドに潜り込むのは浩之の役じゃないから」
浩之「おいおいおい。ウーサーがイグレーヌのとこに間男しに行くんだろ? オレが委員長のと
  こに行かないでどうするんだよ」
雅史「実は、マーリンはウーサーの外見をゴルロイスそっくりに変えて送り込んだのさ。だから
  ここではゴルロイス役の人が間男しに行くのが正しい」
智子「何やて? ちゅうことは」
田中(仮)「という訳でよろしく」
智子「何でうちがこんな正体不明のヤツとベッドシーンを演じなあかんのやっ」
浩之「そうだそうだ。第一それじゃオレには何の役得もないじゃないかっ」
あかり「…浩之ちゃん…役得って」
浩之「げっ、あかりっ」
雅史「そうそう。ちなみにイグレーヌとの間にアーサーが生まれた後になって、ウーサー王はサ
  クソン人にあっさりと殺されているから」
浩之「なにぃっ」
あかり「さよなら、浩之ちゃん」(にっこりと笑いつつ…暗転)



  玉座の剣

 ウーサーの死後、金床に刺さった剣がイングランドに姿を現す。「この剣を抜いた者はブリテ
ンの王となるだろう」。この預言に従ってアーサーが剣を抜いたのは、彼が15歳の時だった。

雅史「さあ、という訳で君が王だ」
初音「ええっ」
雅史「…あ、間違えた。いやー15歳のキャラクターってことでつい。ごめんごめん。やっぱア
  ーサーは男でなくちゃね」
初音「そ、そうなの」
雅史「そうなのさ。ここでアーサーは金床に刺さった剣を抜くことで王の地位を得る。剣が男性
  器の象徴であることを考えれば、ここで剣と王位を得るのはやはり男性でなければね。いわ
  ばこれは少年が大人の男になる通過儀礼のようなものさ」
初音「え、え、え」
雅史「…もしかして、男性器が何か分からないのかい? 駄目だなあ、そんな勉強不足じゃ。男
  性器、男根、陰茎、一物、魔羅、陽物、肉棒、ペニス、ちんぽ、男性自身、ファルス…」
梓 「若い未通娘相手に何を口走っとるかあああああっ」(蹴り)
雅史「痛いじゃないか」
梓 「痛いじゃないか、じゃないっ。あんたそれでも大魔法使いなのっ」
雅史「もちろんさ。我が侭オヤジの間男願望から生意気なガキを玉座につけるまで、この世の森
  羅万象を知り尽くしたこの大魔法使いマーリンには不可能なことなどないのですよはははの
  は。という訳で君が王だ」
梓 「あたしが?」
雅史「違うって。さっきも言っただろ、これは男性の通過儀礼なのだと。なぜなら剣というもの
  は男性器を象徴…」
梓 「しつこいっ」
雅史「それとも君は本当は男だったのかい」
梓 「んな訳あるかっ」
雅史「だろうね。僕が王だと言っているのはそこの彼だよ」
梓 「彼って…えええええええっ」
月島「…もしかして、この僕のことかな」
梓 「ちょっと待てええっ。VNシリーズの主役でないこいつが何でっ」

初音「…未通娘じゃないもん」(ぼそっ)



  いきなり聖杯探索

 アーサーが築き上げた王国には数多くの騎士が集まった。円卓の周りに集まった騎士道の精華
たちを、人々は円卓の騎士と呼んだ。彼らはキリスト教の聖遺物である聖杯を求め、冒険の旅に
出るのであった。

耕一「さて、これからどうするんだ。ヨーロッパツバメとアフリカツバメの生態を論じることに
  なるのか、はたまた『死の橋』の老人が出す質問に命を賭けて答えるのか。ちなみに俺の好
  きな色は青かな」
柳川「何を訳の分からないことを言ってるんだ?」
耕一「いえいえ。気にしないでください。分かる人だけ分かればいいそうですから」
足立「作者もマイナー路線を突き進むことに対する躊躇いを棄てたようだな。威張れることでは
  ないが」
耕一「…さりげなく登場してきましたねえ、足立さん。これは聖杯探索の物語でしょう。いくら
  何でも足立さんが出てくるのは年齢的に無理があるような」
足立「そうなのかね? 私はあまりアーサー王物語には詳しくないのだが」
柳川「確か、聖杯を見ることができたのはランスロット、パーシヴァル、ガラハッドの3人だけ
  だったな。人数は合っているが」
耕一「一致しているのは人数だけですよ。第一、この3人の誰がランスロットなんですか? ラ
  ンスロットといえばアーサーの妃であるグゥイネヴィアの間男というか若いツバメでしょう
  が。アーサー役があの月島君なんだから、グゥイネヴィア役は多分、太田香奈子ちゃんあた
  りでしょうが、この3人は誰もあの娘とは関係を持っていませんしね」
足立「若いツバメとはまた、耕一君も随分と古めかしい言い回しを知っているもんだね」
耕一「そりゃやっぱ男にとってはある種の憧れ…げほんごほん。んなこたどうでもいいです。と
  にかく、この3人で聖杯探索やるのは無理があると」
雅史「分かりました、説明しましょう」
柳川「唐突に出てきたな。聖杯関連のエピソードにはマーリンはほとんど出てこないはずだが」
雅史「マーリンではありません。私の名は漁夫王。聖杯の本来の所有者です。いや、本当は柏木
  耕一さんのお父さんがやるはずだったんですけど、役作りにはりきりすぎてロンギヌスの槍
  で脇腹を突いてしまったんですよ。今は入院静養中です」
耕一「あの親父がその程度の怪我で入院するとも思えないんだが」
雅史「まあ、傷を負って休んでいるときに柏木千鶴さんがおかゆを作って食べさせてましたから
  ね。きっと外傷以外の入院理由があるのでしょう」
柳川「それはともかく、何でこの3人が聖杯探索をやっているのか説明してもらおうか」
雅史「ここ以外に登場シーンがないからですよ。この後のシーンはほぼ雫関係のキャラクターで
  固めることになっているそうでしてね、ここを逃すと皆さんは登場できなくなってしまうん
  です」
足立「それにしても私まで登場するのは変じゃないかね。痕関係のキャラクターでまだ出演して
  いない人も結構いるはずだが」
雅史「ご安心ください。あそこで聖杯を持っている天使役の女優は痕のヒロインです」
耕一「ヒロインって、千鶴…さん」
千鶴「さあ皆さん、こちらへ来てくださいな。聖杯の中身をさしあげましょう。いっぱい食べて
  くださいね」
耕一「…あれで親父は入院したんだな」
柳川「結局、こういうオチか」
雅史「大丈夫。聖杯の秘蹟に与って昇天したのはランスロット、パーシヴァル、ガラハッドの3
  人の中でガラハッド1人だけでした。さあ、誰がガラハッド役をやります?」



  過去の、未来の王

 アーサーの王国は衰亡の時を迎えた。彼の息子であるモードレッドが叛旗を翻し、アーサー率
いる軍勢とカムランの地で戦火を交えたのだ。アーサーはモードレッドを倒すが、重傷を負って
しまう。そしてアーサーはアヴァロンの地へと去っていった。

月島「…王になったのはいいが、全然登場シーンのないままいきなり最終回か。主役がここまで
  ないがしろにされては物語にならないだろうに」
雅史「本来のアーサー王物語だってアーサー自身は結構影が薄いけどなあ」
月島「漁夫王がカムランの戦いにいるなんて話は聞いたことがないぞ」
雅史「今は漁夫王じゃなくて騎士ベドヴィア。この役をやれる人物が雫の中に見当たらないから
  急遽僕が演じることになったんだ。アーサーの側近だから生徒会の誰かにさせればいいのか
  もしれないけど、月島さんが前会長をやっている生徒会のメンバーが何しろ女性ばかりなん
  で、騎士をできる人がいなかったんだよ。それにしても女性ばかりの生徒会の中で紅一点な
  らぬ男一人か。まるでハーレムだね。ハーレムと言ってもニューヨークにある貧民街のこと
  ではなくかつてオスマン=トルコのスルタンが」
月島「分かった分かった。お前がベドヴィアだというのは認めてやろう。どうせ長瀬はモードレ
  ッド役なんだろうし、それ以外に雫に登場する男性キャラといえば長瀬教諭くらいだしな」
雅史「そう、元々男性キャラの少ない話だからね、雫は。話の構造自体がハーレムみたいなもの
  かな。あるいは中国皇帝の後宮とか」
月島「ハーレム状態はお前の友人の方だろうが」
雅史「大丈夫。彼はウーサー・ペンドラゴンとしてすでに天罰を受けているから。天網恢恢疎に
  して漏らさず。因果は巡る糸車。祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」
長瀬「どうでもいいけど何で僕が悪役なんだ? 本来これは月島さんの役だろう」
月島「ふ。それはつまり本当の正義はこちらにあるということさ。分かったら大人しく瑠璃子を
  返せ」
雅史「いや、別に正義に応じて配役を決めた訳じゃないんだけど」
月島「へ?」
雅史「アーサーって実の姉とやっちゃってるんですよ。そういう人の道から外れたキャラクター
  をVNシリーズの中で探すと、あなたしかいないもんで」
月島「何だとっ」
長瀬「…どうしてそんなヤツが騎士物語の主役になれるんだ?」
雅史「日々ろくでもない妄想に励む人が主役の物語だってあるんだから、別に不思議じゃないと
  思うけど」
長瀬「…ふ、ふふふ」
月島「ふふふふふふふふふ」
雅史「あははははははははははは」
長瀬・月島「殺スっ」


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