沙織「ねぇ、祐クン」 祐介「え? なに?」 沙織「実は、前から気になっているんだけど……」 祐介「ウン」 沙織「祐クンの叔父さんたちの名前、何か変じゃない?」 祐介「はい?」 沙織「この『設定原画集』によると、教師をやっている『長瀬源一郎』さんは38歳でしょ。 そんで刑事の『長瀬源三郎』さんは40歳だよね」 祐介「…………」 沙織「普通は年上のほうが一郎じゃないのかなぁ」 祐介「……そう。沙織ちゃんの言う通りだよ」 沙織「え? でも……」 祐介「もとは長男が源一郎で、以下、源二郎、源三郎と続いていたらしいんだ。ところが、悲 劇が起きたんだよ」 沙織「悲劇、って」 祐介「源三郎が生まれた後、長男が急病で亡くなったんだ」 沙織「……そう、だったの」 祐介「その直後に生まれたのが叔父さんだったんだよ。亡くなった長男の生まれ変わりだって ことで、源一郎って名前を付けられたらしいよ」 沙織「ふぅん……。あれ、でも源五郎さんって人もいたよね」 祐介「その後に生まれたのさ」 沙織「えーと、順番だと源四郎になる筈じゃ」 祐介「四は欠番ね」 沙織「…………」 祐介「ついでに言うと僕の祖父も源四郎だったから、という理由もある」 沙織「…………」 祐介「祖父の兄は順番に惣一郎、隆二郎、甲三郎って名前だったんだ。弟の方は霞五郎、霧隠 六郎、猿飛七郎……」 沙織「……祐クン、もしかして、あたしをからかっているの?」 祐介「あれ? 今ごろ気付いたの」 インフィニティ・スパイクの直撃を受けた祐介が病院に担ぎ込まれたのは、30分後のことだ った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 次のSCRネタを考えているうちに長瀬刑事と長瀬教諭の年齢が気になりまして、そのためだ けにあの設定原画集を買ってしまいました。そんで感じた疑問が上のネタに。 実は源五郎の年齢を知らずに書いているのは君と僕だけの秘密だっ(莞爾)。 それにしても、「源二郎」はどうして登場しないんだろう……。 R/D