来栖川電工 開発室 「……えー、前回の企画会議が不調に終わったため、改めて新型メイドロボの開発案について議 論したい」 「はい、早速ですがお手元の資料の24ページをお開きください。これが新しいメイドロボの試 案その2、『執事ロボ』です」 「…………」 「……なぜ、執事ロボ、なんだね?」 「確かに、我々はメイドロボ市場でトップシェアを握っております。しかし、果たしてこのまま で安泰と言えるのでしょうか。実は潜在的な市場を獲得できていないのではないでしょうか」 「……どういうことだ」 「いいですか、販売されているメイドロボは女性型です。ですが、家事手伝いロボットが女性型 である必然性はありません。いや、むしろ女性型に限ってしまったために、他のタイプを求める ユーザーを失ってきたのではないか」 「…………」 「ならばっ、まったく新しい発想のロボットを作ることでこの市場に切り込み、新規の顧客層を 掴み、先行者利得を確保すべきではないかっ。起てよ、国民っ!」 「……ま、まあ、その考えにも一理あるかもしれんが」 「女性型に代わる新タイプとなればこれは男性型しかありません。男性型の家事手伝いロボット とくれば執事ロボ。わたくしは、HSXシリーズの製品化を主張するものであります」 「えぃち・えす・えっくす、ねえ……」 「はい。『ホーム・スチュワードロボ・エクスペリメント』、試作型執事ロボシリーズです。現 在、01から03まで3タイプを試作中です」 「ほう、3タイプか」 「ええ。まずHSX−01『パーカー・タイプ』。これは人形のようにカクカクと動くのが特徴 です。次いでHSX−02『ギャリソン・タイプ』。スーパーロボットに搭乗して戦うことがで きます」 「……あ、あのな」 「そしてHSX−03。これは『セバスチャン・タイプ』と言って……」 「や、やぁめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ」 「長瀬主任、どうしましたっ。しっかりしてくださいっ」 「い、いかん。救急車を、救急車を呼べっ……」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− くだらないネタばかり思いつきます。末期的です(何が?) R/D