来栖川電工 開発室 「さて、今日は新型メイドロボについての開発案を検討する訳だが……」 「はい。皆様のお手元に資料が届いていると思いますが、そちらの12ページをご覧ください。 これが新しいメイドロボの試案その1、名づけて『お姫様ロボ』です」 「……お、お姫様ロボぉ?」 「そうです。今までにない斬新なアイデアと奇抜なコンセプトに基づいた新型ロボ。従来のメイ ドロボに飽き足らないヘビーユーザーにも満足いただける究極の存在。それがこのお姫様ロボ、 『HPX−01』です」 「え、えいち・ぴぃ・えっくす、って……」 「ホーム・プリンセスロボ・エクスペリメント。試作型お姫様ロボ1号です」 「……ま、まぁ、アイデアだけなら構わんが、いったいそのロボは何ができるんだね?」 「はい、悪漢にさらわれます」 「…………」 「…………」 「やはり『お姫様』とある以上、悪の存在に捕まってしまう機能はデフォルトにしないといけな いかと……」 「……いや、まあ、その、何と言うか、君の言う通りかもしれんが」 「勿論、何の工夫もなく捕まるだけでは、今の時代ユーザーにはご満足いただけないでしょう。 悲鳴一つにもユーザーの好みを反映させるようなシステムが必要かと思われます。加えて、何ら かの形でお色気の要素を加えることも必須でしょう」 「……えーっと、他には何ができるのかね?」 「何もできません」 「…………今、何と?」 「何もできません。お姫様が自ら積極的に行動するのは掟破りです。確かに最近はそういう事例 も珍しくありませんが、ここはあくまで王道を歩むべきです。そう、ひたすら白馬の王子様を待 ちつづけることこそ、お姫様のなすべき唯一最大の仕事なのです」 「…………」 「…………」 「さらにオプションとして『女王様ロボ』なども付属させる予定でして……」 「な、何いっ。『女王様ロボ』だとおぉっ」 来栖川電工から仕様変更のうえ発売された『女王様ロボ』は、同社最大のヒットとなった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ぢつはこの場を借りてお詫びしなければならないことがあります。 それは、たろすけさんからのご指摘についてです。 > >ウエーブのかかったロングヘアに垂れた目 > ? それってリネットの方では? ……もう、お分かりでしょう。そうです、ご指摘の通りです。 これを読んだ後で、慌ててエディフェルの顔を確認しました。その結果…… どう見ても『ストレートのセミロングに普通の目』にしか見えませんでした(莞爾)。 いやー、やっぱうろ覚えで書くもんじゃないですなぁわははははははははははははは。 一回しかクリアしていない楓シナリオをネタにしたのがそもそもの間違いですな。 ……え? 笑い事じゃない(汗)? 分かりました。お詫びの印と言っては何ですが。わたしはここに宣言します。 『クリスマスまでに、新しいSCR3のシナリオをアップする!』 これで見逃してください(莞爾)。 R/D