広告 投稿者:R/D
    『商品券で隆山温泉に行こう』

耕一「……で、この幟を持って繁華街に立つんですか」
千鶴「そう。お願いね」
耕一「まぁ、構いませんけど。にしても千鶴さん」
千鶴「何ですか」
耕一「わざわざ俺の住んでいるとこまで来て宣伝しなきゃならんほど、鶴来屋の客は減っている
  んですか?」
千鶴「そんなに厳しい訳じゃないけど、せっかく政府が商品券を配るんだったら利用しない手は
  ないでしょ」
耕一「と言ってもねぇ。貰えるのは65歳以上のお年寄りと15歳以下の子供だけでしょ? 俺
  は貰えないし」
千鶴「あら、お年寄りなら温泉に来るかもしれないじゃない」
耕一「でも一人当たり2万円ですよ。隆山行くには足りないと思いますけど」
千鶴「片道の旅費くらいは出るでしょ」
耕一「それにあれ、確か『地域振興券』とかいう名前で、地元でしか使えないって話ですよ」
千鶴「だから地元の駅で切符買うのに使えばいいじゃない」
耕一「まぁ、そうかもしれませんけど……。でも千鶴さん」
千鶴「なぁに」
耕一「はっきり言って千鶴さんがここまで来るコストを考えると、多少宣伝しても元が取れない
  んじゃないですか」
千鶴「それなら大丈夫よ。ここまで来る旅費は初音の分の商品券で払ったし」
耕一「そ、そうですか。でも宿泊代は……」
千鶴「耕一さん。今夜は泊めてくださいね」
耕一「そそそそそそそれは構いませんけど。でも、隆山へ帰る旅費はどうするんです」
千鶴「ヒッチハイクで帰ります」
耕一「…………」
千鶴「ウチも貸し渋りで大変だし、できるだけ出費は抑えないと……」
耕一(落涙)


    『商品券で来栖川のメイドロボを買おう』

浩之「…………あのさ」
綾香「何よ」
浩之「いくら何でも、無理があるんじゃないの」
綾香「そ、そんなことはないわよっ。何百人かで協力すれば商品券でメイドロボだって買えるじ
  ゃないっ」
浩之(ため息)


    『商品券を我々にも寄越せ』

祐介 「……で、月島さんがこれを作ったの?」
瑠璃子「うん。ガキと年寄りばかりで自分が貰えないのは気に入らないって」
祐介 「ふぅん」
瑠璃子「それでこの幟を生徒会のみんなに持たせて国会にデモするんだって」
祐介 「なるほど」
瑠璃子「お兄ちゃん、もし俺に寄越さないなら絶対に許さんって言ってたよ」
祐介 「そうか」
瑠璃子「くすくすくすくす。何が起きるか楽しみだね」
祐介 「そうだね」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 時事ネタその2です。ま、この掲示板を見ている人の場合、ほとんど貰えないクチだと思いま
す。まさか65歳以上の方はいらっしゃらないでしょう。

 しかしまぁ、本気で出すつもりのようですね、商品券。銀行に多額のカネをつぎ込んでその銀
行が徳政令とばかりにゼネコンの債権放棄をやっているこの状況で商品券ですか。土一揆が起き
ないのが不思議なくらいですな。

                                    R/D